iyomemo(いよめも)
見つかる、つながる。伊予銀行のWebメディア

平屋のメリット・デメリットを解説!
二階建てとの比較やメリットを活かすためのポイントとは

2024/03/28
平屋のメリット・デメリットを解説!二階建てとの比較やメリットを活かすためのポイントとは

近年、平屋は幅広い世代の方から選ばれています。段差が少なく住みやすいイメージがありますが、魅力はバリアフリーだけにとどまりません。ワンフロアで完結している平屋には、幅広い世代の方を惹きつけるメリットがあります。
この記事では平屋のメリット・デメリットを解説します。二階建てとの比較やメリットを活かすためのポイントもまとめているため、これから家を建てる予定の方はぜひ参考にしてください。

平屋とは

平屋とは

平屋とは一階部分のみで構成された家で、一階建てや平家建と呼ばれることもあります。すべての部屋がワンフロアに配置されているため、基本的に階段はありません。リビング、キッチン、浴室、寝室などの部屋を平面で行き来できるのが大きな特徴です。
昔の日本では平屋が主流でしたが、そのあとは限られた土地に多くの家を建てられる二階建てが増えました。平屋と聞くと、昔ながらの日本家屋をイメージする方も多いでしょう。しかし現在の平屋は以前と比べてデザイン性と機能性が進化しており、現代的でおしゃれなイメージに生まれ変わりつつあります。

平屋の人気が上昇中

平屋は若い世帯から高齢世帯まで幅広い層から注目を集めています。平屋は段差が少ないため、自宅のバリアフリー化を目指す高齢者を中心に人気がありました。しかし近年では20代や30代といった若いファミリー層が平屋を建てる事例も増えています。
統計データからも、最近になって平屋を建てる方が増えていることがわかります。国土交通省の建築着工統計調査を見ると、平屋の着工棟数は2011年に約2万8,000棟でしたが、2021年には約5万5,000棟まで増えました。10年で2倍にも増えており、平屋の人気が上昇中であることがうかがえます。
平屋が人気になっている理由の一つとして、新型コロナウイルス感染拡大によるリモートワークの普及が影響していると考えられます。以前は職場に近い都心のマンションが人気でしたが、リモートワークが普及してから郊外の広い土地に平屋を建てる選択肢が広がりました。

平屋のメリット

ZEHの種類平屋のメリット

平屋には以下のメリットがあります。

● バリアフリーの対応がしやすい

● 動線がコンパクトにまとまる

● 家族とコミュニケーションをとりやすい

● メンテナンス費用を抑えやすい

● 小屋裏を有効活用できる

バリアフリーや動線の効率化によって住みやすさがアップするため、長く快適に住める家を建てたい方におすすめです。

バリアフリーの対応がしやすい

平屋の家は階段がないため、高齢期に向けたバリアフリー対応がしやすい点がメリットです。現在は問題なく階段の上り下りができても、老後の生活も見据えて平屋を選ぶ方は少なくありません。
若いうちから平屋を選び、段差をなくして通路幅を広めに確保することで、将来足腰が弱って2階に上がれなくなったり、車椅子を使うようになったりしたときも、問題なく移動できるでしょう。一方で二階建ての家をバリアフリー対応する場合は、高額な改修費用がかかります。
高齢者が暮らす世帯はもちろん、小さな子どもがいる世帯でもバリアフリーの平屋はメリットが大きいです。二階建ての家だと、小さな子どもが階段から転落するリスクがあります。しかし平屋であれば、高低差のある段差が少ないため不慮の事故を防げます。

動線がコンパクトにまとまる

平屋は生活動線や家事動線がコンパクトにまとまるメリットがあります。一階部分のみで動線が完結するため、移動するときは平面移動のみです。一方で二階建ての家は平面移動に加えて上下移動もしなければなりません。一階で洗濯した服を二階のベランダに干す、二階の寝室から一階のトイレに行くなど、一つひとつの動作に時間がかかります。
平屋の動線効率を高めるためには、部屋と部屋の距離や水回りの位置などを意識することが重要です。普段の生活を振り返りスムーズに動ける間取りにすれば、さらに住みやすさがアップします。特に忙しい朝や家事をしているときに、平屋の動線のメリットを実感しやすいでしょう。

家族とコミュニケーションをとりやすい

平屋は限られた面積に部屋を配置するため、廊下が少ない傾向です。そのため家族が顔を合わせる機会が増え、コミュニケーションをとりやすいメリットもあります。部屋と部屋の距離が近いため、家族の気配を感じながら生活することもできるでしょ
子どもがいる世帯では、リビングを通って各部屋に行く間取りがおすすめです。子どもが大きくなると自分の部屋にこもりがちになり、コミュニケーションの頻度が減る可能性があります。子どもが成長していく過程で仕方のないことかもしれません。しかし毎日リビングで顔を合わせる間取りにしておけば、言葉を交わさなくても子どもの様子がわかり、親は安心できるのではないでしょうか。

地震や台風に強い

平屋は地震や台風に強い家を建てたい方に向いています。地震の多い日本で長く安心して住み続けるためには、耐震性は特に重視したいポイントです。
二階建ての家で耐震性を高めるには、二階部分を支える強固な柱や壁が必要です。そのためプランに制限が出てくる可能性があります。
一方で平屋はワンフロアで完結しているため、二階部分の重さがかかりません。支える重量が軽い分、法律で定められた耐震性を確保しているなら、柱や壁を減らしても構造的に安定しやすいです。
家族が集まるリビングに、無柱空間や大開口をつくることもできます。地震や台風に対する強度も確保しつつ、開放的な家にしたいというニーズも満たしてくれるのが平屋のメリットです。

メンテナンス費用を抑えやすい

家を建てたあとも定期的にメンテナンス費用がかかりますが、平屋は二階建てと比べてメンテナンス費用を抑えやすいです。
例えば二階部分がない平屋は、外壁のメンテナンスをするときに大がかりな足場を組む必要がない場合もあります。給排水管のメンテナンスにおいても、平屋は一階部分のみのメンテナンスで済みます。
また平屋は光熱費を抑えることも期待できます。大きな屋根に太陽光発電設備を設置して、自宅で電気をつくりだすこともできるでしょう。余った電力は電力会社に売って売電収入を得たり、災害時の電力として蓄えたりできるメリットもあります。

小屋裏を有効活用できる

屋根下にある小屋裏を収納や趣味部屋として有効活用できる点もメリットです。間取りによっては、平屋は二階建てよりも収納が少なくなってしまうことがありますが、小屋裏を活用すれば収納不足を解消できます。
小屋裏を活用しなくても十分スペースは足りているという場合は、天井高を高くして開放感をアップさせるのも手です。屋根に勾配をつけると、天井の高い空間と低い空間のメリハリが生まれます。

平屋のデメリット

平屋のデメリット

平屋には数多くのメリットがありますが、実際に建てる際はデメリットも認識しておく必要があります。平屋のデメリットは以下のとおりです。

● 広い敷地が必要になる

● 建築費用が割高になりやすい

● 日当たりが悪くなる場合がある

● プライバシーや防犯に配慮しなければならない

● 水害時に浸水被害を受けやすい

広い敷地が必要になる

平屋はすべての部屋を一階部分に収める必要があるため、広い敷地を探さなければなりません。都心部など土地代が高いエリアでは費用が高額になり、予算オーバーになってしまうことも少なくありません。
できるだけ費用を抑えて効率よく平屋を建てるためには、土地の相場や建ぺい率を意識して敷地を選ぶことが肝心です。建ぺい率は敷地に対して、1階部分がどれくらいの広さで建てられるのか示したルールで、エリアごとに上限が定められています。
例えば敷地面積100㎡で建ぺい率50%の土地で平屋を建てる場合は、100㎡×50%=50㎡までしか建てられません。二階建てであれば建物を二層に積めるため、敷地の条件が同じであれば単純計算で50㎡×2=100㎡まで建てられます。つまり同じ広さの建物を建てようとすると、平屋は二階建てのおよそ2倍の広さの敷地が必要です。

建築費用が割高になりやすい

平屋は二階建てよりも坪単価が1~2割ほど高くなる傾向があります。基礎や屋根、壁の面積が大きいことがおもな理由です。
ただ平屋でも建築費用を抑える方法はあります。例えば建物の形状は、できるだけ凹凸をなくしてシンプルな形状にすることをおすすめします。シンプルなデザインは建築費用を抑えるだけでなく、洗練された印象にしたい場合にも効果的です。
また、導入する設備の優先順位をはっきりさせて、譲れる部分はグレードを落とすことで建築費用を抑えられます。無駄な動線や部屋を削って、延べ床面積を最小限にすることも建築費用を抑えるコツです。

日当たりが悪くなる場合がある

建物全体の高さが低いため、周辺環境によっては室内まで日差しが届きにくく、暗くなってしまう可能性があります。明るい空間にするためには、窓の位置や大きさなどを工夫することが必要不可欠です。特に北側や中心部分が暗くなりやすいため、北側に複数の窓を設けたり中心部分に天窓を設けたりすることをおすすめします。
さらに建物の形状によっても、日当たりを改善できます。例えばL字型やコの字型にすると、さまざまな方向に窓を設けられるため、どの部屋もまんべんなく日当たりを良くしたい場合に効果的です。ただし建物を配置する方向によっても、日当たりは大きく変わってきます。

プライバシーや防犯に配慮しなければならない

一階部分のみの平屋は外からの視線が気になりやすいため、プライバシーの確保が難しいのがデメリットです。隣の建物が二階建て以上の場合は、見下ろされてしまう可能性もあります。「見せたくないのであれば塀で囲めば良い」という考え方もありますが、全面が塀で囲まれていると平屋ならではの開放感がなくなってしまいます。
平屋は家族同士のプライバシーを確保するのも難しいです。平屋は同じ階に部屋が並んでいるため、隣の部屋に音漏れすることがあります。部屋と部屋の間に廊下があると、音漏れはある程度軽減できます。
建物の高さがなく外部から侵入されやすいため、防犯上の課題もあります。窓や玄関扉など、外部と接する部分の防犯性を高めなければなりません。具体的な対策としては二重の鍵を付ける、防犯ガラスに変えるといった方法があります。

水害時に浸水被害を受けやすい

日本では毎年のように各地で水害が発生しています。平屋は水害時に浸水被害を受けるリスクが高まります。二階建てのように垂直避難ができず、一階部分が水浸しになってしまうと逃げ場がないからです。
浸水被害を回避するためには、土地探しの段階で浸水想定区域を避けることがポイントです。浸水想定区域であるかどうかは、国土交通省のハザードマップポータルサイトまたは自治体のホームページなどで確認できます。川から近い土地や低い土地は水害時に水が流れ込みやすいため要注意です。ハザードマップは不動産売買契約を結ぶ際、重要事項説明で説明することが義務付けられています。しかしそのときに気付くのでは遅いため、前もって確認しておくようにしましょう。

平屋と二階建てどっちが良い?

平屋と二階建てどっちが良い?

平屋と二階建てでどっちが良いか迷っている方も多いのではないでしょうか。ここからは平屋が向いている方の特徴と二階建てが向いている方の特徴を解説します。

平屋が向いている方の特徴

建築費用や土地代はかさみますが、住み始めてからの快適性が高いのが平屋の魅力です。バリアフリー対応がしやすかったり、メンテナンス費用を抑えられたりするため、長く住み続けられるでしょう。どの部屋からも屋外に出やすいことから、身近に自然を感じられる点も魅力です。ガーデニングや家庭菜園など、屋外での楽しみが増えます。
具体的な家族構成としては、小さな子どもや高齢者がいて安全性を重視したい家庭に向いています。コンパクトな暮らしが叶うため、夫婦二人のみや一人暮らしの家庭とも相性が良いです。

二階建てが向いている方の特徴

二階建ての家は狭い土地でも二層に積むことで効率的に建物の面積を確保できます。基礎や屋根の面積も抑えられるため、同じ規模であれば二階建てのほうが建築費用を抑えやすいです。
プライバシーを重視する家庭も、二階建てを選ぶことが多いです。親子二世帯で同居している場合や、思春期の子どもがいる場合などは、家族同士であってもほど良い距離感が必要になります。交通量の多い道路に接していて、外からの視線が気になる場合も、二階建てのほうが良いでしょう。

平屋のメリットを活かすためのポイント

平屋のメリットを活かすためのポイント

平屋にはたくさんのメリットがありますが、最大限に活かすためには以下のポイントを意識することが大切です。

● 土地選びにこだわる

● 平屋が得意な施工会社に依頼する

● 平屋の費用相場を知っておく

ここからはそれぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

土地選びにこだわる

デメリットでも解説したとおり、平屋を建てるためには広い土地を探さなければなりません。広い土地は選択肢が限られるため早めの判断が求められますが、妥協は禁物です。理想の家を建てられる土地かどうか、しっかりと見極めましょう。
土地選びの際は、面積だけでなく敷地の形状や向きにもこだわることが肝心です。例えば細長い土地だと、平屋のメリットであるコンパクトな動線を実現できない可能性があります。周辺が高い建物に囲まれた日当たりの悪い土地なども、快適な環境ではなくなってしまうため要注意です。
安心して暮らしていくためには、ハザードマップなどもチェックしておきたいポイントです。特に平屋は浸水被害を受けやすい特性があるため、浸水想定区域に入っている土地は避けたほうが良いでしょう。ハザードマップは国土交通省のハザードマップポータルサイトまたは自治体のホームページなどで確認できます。

平屋が得意な施工会社に依頼する

平屋のメリットを活かし、デメリットを解消するためには、建築実績にもとづくノウハウが不可欠です。施工会社はそれぞれ得意分野が異なり、平屋が得意な会社は限定されます。施工会社を選ぶ際は建築実績を確認し、平屋が得意な会社に依頼しましょう。理想の平屋を建てるためには、プランの提案力やアフターサポートの充実度などもチェックポイントになります。
また施工会社はローコストハウスメーカー、中堅ハウスメーカー、大手ハウスメーカーなどに分類でき、建築費の相場が異なります。平屋が得意であることは前提条件ですが、予算内で建てられる施工会社を選ぶことも重要です。

平屋の費用相場を知っておく

平屋は建築費用が割高になりやすいため、あらかじめ費用相場を知っておいたほうが良いです。施工会社の見積もりを確認する際に、適正価格かどうか判断しやすくなります。
平屋の坪単価平均は、木造建築で40~60万円程度です。鉄骨造など他の構造の場合、さらに坪単価が高くなります。平屋の規模によっても坪単価は変わり、部屋数や坪数が増えるほど坪単価も上がる傾向です。
坪単価は費用相場を知るときに便利な指標ですが、諸費用などが考慮されていません。また建築費用が安くても、長期的に見るとメンテナンス費用がかさむ場合もあります。坪単価の安さだけで判断するのではなく、さまざまな視点からコストパフォーマンスを考えることが必要です。

まとめ

まとめ

平屋はすべての部屋がワンフロアに配置されており、階段を使わず平面で行き来できるのが特徴です。動線がコンパクトにまとまっていて、家族とコミュニケーションをとりやすいため、心地よい住環境を実現できるでしょう。ただ、建築費用が割高になりやすいなどデメリットもあるため、予算内で理想の平屋を建てるためには工夫が必要です。
平屋を建てることを検討している方は、ぜひ伊予銀行までご相談ください。理想のマイホーム取得に役立つ各種サービスもご利用いただけます。

RECOMMENDATION

RANKING

TAG LIST

    • Digital-Human-Digital
    • 地元愛
    • LIFE PALETTE
    • IYOCA