全国にあったご当地ちゃんぽん!
愛媛・八幡浜は「黄金スープ」が美味

「ちゃんぽん」と聞いてまず思い浮かべるのは、「長崎ちゃんぽん」という人は少なくないだろう。肉や野菜など、具だくさんなちゃんぽんだ。しかし、実は長崎だけでなく、他県にも「ちゃんぽん」があるのをご存じだろうか。
ちゃんぽんは長崎だけのものじゃない?
長崎名物であるちゃんぽんは、「リンガーハット」が全国展開したことで、一躍全国に知られるようになった。一口に「ちゃんぽん」といえど、さまざまな種類がある。スープで大きく分けることができ、「白濁したスープ」と「透き通ったスープ」があるのだ。
長崎ちゃんぽんは、白濁したスープが一般的である。豚骨や鶏ガラで取った白濁スープに野菜、肉、魚介類の出汁が加わって、味わいが深くなる。
「ちゃんぽん」の語源には諸説あるが、お酒の席でよく使われるような「雑多な種類を混ぜる」という意味で認知している人も多いだろう。長崎ちゃんぽんはその名の通り、豚肉、野菜、かまぼこなどたくさんの具材を混ぜ、豚骨と鶏ガラのスープで煮込んだ料理である。だが、実のところ「ちゃんぽん」という言葉と料理のどちらが、先に生まれたかは定かではない。
現在、日本全国にはさまざまなご当地ちゃんぽんがある。それぞれの特徴を見てみよう。
● 網走ちゃんぽん
北海道網走市と長崎県雲仙市の練り物バトルから交流が始まり、友好の象徴にとちゃんぽん作りがスタートした。網走産のホタテとしじみがスープに深い味わいを出している。
● 小浜ちゃんぽん
網走ちゃんぽんのきっかけとなった長崎県雲仙市の小浜ちゃんぽん。約100年の歴史を持ち、香ばしい殻付きの海老が特徴で、あっさりしたスープとなっている。
● 水俣ちゃんぽん
だしに「アゴ(トビウオ)」を使用しているのが特徴だ。麺に卵を使用していないため、白いモチモチした麺となっている。
● 戸畑ちゃんぽん
鉄鋼で栄えた福岡県北九州市の戸畑。早く調理できるように蒸し麺を使用している。コシの強い麺は一度食べたら病みつきになる。
● 鳥取カレーちゃんぽん
カレーの個人消費量日本一を誇る鳥取県。もともと野菜と魚介系スープを餡にして食べられていたのが、カレーも加わり新しいちゃんぽんが登場した。
● 近江ちゃんぽん
滋賀県彦根市の近江ちゃんぽんは和風スープだ。あっさりとしたスープに魚介を使わず野菜がたっぷり入っている。地元ではお酢を入れて食べるというのが特徴だ。
愛媛「八幡浜ちゃんぽん」
彦根の「近江ちゃんぽん」と同じく、和風スープを採用しているのが愛媛県八幡浜市の八幡浜ちゃんぽんだ。誕生は中国の食文化が海を渡り、地元の食文化と融合して生まれた。
瀬戸内海に面し、豊富な水産資源に恵まれている愛媛では、鶏ガラ、鰹、昆布のだしを取ったあっさりとしたスープになっている。たっぷりの野菜と豚肉、さらに地元の特産品であるじゃこ天も入っているのが特徴だ。麺はちゃんぽん麺ではなく太めの中華麺を使用している所が多い。透き通る和風スープは、「黄金色のスープ」と形容されるほど濁りがない。
今では、八幡浜ちゃんぽんのインスタント食品がネットで販売されているほか、お取り寄せに対応している店もある。どのようなものか味わってみたい方は一度試してみてはいかがだろうか。
だんだん寒くなる季節に、栄養たっぷりの温かいちゃんぽんはピッタリだ。食欲の秋、本場の味を食べに出かけてみてはいかがだろうか。