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日本一の生産量を誇る愛媛の鯛
大いに悩むべし!どっちの鯛めしか

2017/01/26

2つの鯛めしが楽しめる

長い海岸線を持つ愛媛県は海の幸に恵まれた土地として知られる。瀬戸の小魚も人気だが、県魚である鯛は、愛媛県が生産日本一を誇る代表的な魚である。天然ものでは今治市・来島海峡産、また、養殖ものでは南予地方の宇和海産が有名で、それぞれに愛媛のブランドとして人気が高い。

鯛の調理法は多彩で、尾頭付きの活き造りや塩焼きはめでたい席には欠かせないし、夏は鯛めんも郷土の味としておなじみだ。

ところで、愛媛県を訪れた県外の観光客が戸惑うのが「鯛めし」ではないだろうか。なぜかというと、愛媛県民なら常識なのだが、愛媛県には2つの鯛めしが存在するからである。お店でうっかり確かめずに注文すると、運ばれてはじめて「あら、違う」ということになる。東予・中予地方と南予地方では、鯛めしといっても調理法が異なるのだ。見た目も味も、全く違う愛媛の鯛めし。その実態は?

豪快に丸ごと釜で炊き上げる東予・中予の鯛めし

東予地方から中予地方で鯛めしといえば、鯛を豪快に丸ごと釜で炊き上げたものをさす。実はこのように鯛と米を一緒に炊き上げた鯛めしは、日本各地に存在しており、その歴史は古く明治・大正時代には駅弁として登場している。鯛めしの作り方は、地域や家によって味は少々異なるが、一般的には塩や醤油、昆布などを入れて炊き上げる。香ばしい匂いのご飯の上に、ふっくらと身がはちきれた状態の鯛が!丁寧にその身をほぐし、骨を取り、ご飯と混ぜ合わせると出来上がりだ。

見た目の豪華さ、冷えても変わらぬ味の良さ。祭りや祝い事のハレの日には、食卓をにぎやかにさせてくれる逸品でもあるが、産直店や総菜コーナーでも日常的に売られているところをみると、愛媛県民は相当の鯛めし好きということが伺える。

さすが鯛の産地!新鮮な刺身が主役の宇和島鯛めし

南予地方の鯛めしは、鯛の養殖で知られる宇和海が近いとあって、主役はぷりぷりの新鮮な刺身。鮮度のいい魚だからできると言っても過言ではない、宇和島独特の味だ。

この鯛めしのルーツをたどると、宇和海に浮かぶ日振島を拠点にしていた伊予水軍が考えた野趣あふれる海賊料理で、海の男たちのまかない料理ともいわれている。現在では、炊きたてのご飯に、刺身や生卵、たれ、薬味をのせて一緒にいただくのが一般的だ。

しかし、食べ方はいたって自由で、お店や地域、家によって若干異なる。例えば、たれと卵を混ぜ合わせたものに刺身をからめ、それをご飯にのせるスタイルや、ご飯の上にあらかじめ刺身をのせて、上からたれをかけて食べるタイプなどがある。要は自分がおいしいと思うスタイルで食べればいいのが南予風。「宇和島鯛めし」は、2007年に農林水産省の「郷土料理百選」にも選ばれている。ぜひ、ご賞味あれ!

愛媛では「鯛」は身近な魚

いずれの鯛めしも、愛媛県民は自分で作るのもお手の物。スーパーや鮮魚店では、手頃な価格の新鮮な鯛がいつでも手に入る。都会の人からみれば、うらやましい話かもしれないが、ぜひ、愛媛県に来られた際には、それぞれの地まで足を伸ばして、鯛めしの食べ比べを楽しんでいただきたいものだ。

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