統計でわかる日本の年収事情!
収入が多い都道府県&四国のリアルな年収とは?
自分の年収について、周りよりも高いのか低いのか気になる方は多いでしょう。そこで今回は、統計を通して日本の年収の全体像を詳しくお伝えします。業種別や都道府県別、さらに四国にフォーカスしたデータも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
そもそも「年収」「収入」「手取り」の違いとは?
お金を表す言葉はいくつもあります。年収事情を知る前に、まずはそれぞれを正確に理解しておきましょう。
年収・収入・手取りの意味
収入 | 月収または年収のどちらかを表す(額面上の金額でもある) |
---|---|
年収 | 1年間の収入総額。年収に対し「月収」は1ヶ月の収入総額(額面上の金額でもある) |
手取り | 額面上の金額から税金や社会保険料などを差し引いた実際に受け取る金額 |
会社員の方なら、額面金額より手取り金額が気になるかもしれません。しかし、額面金額から差し引かれる内容や個別の数字は個々人で異なり、賞与の有無も会社次第です。
そのため、一般的には額面年収が広く使われています。また、多数の数字を一気に把握するには「平均」が簡単で合理的です。このような趣旨から、多くの統計では「平均年収」が広く用いられています。
給与・給料・所得の意味も少しずつ違う
一般的に何気なく使われる以下の言葉も、厳密に言えば少しずつ意味合いが異なります。正しい意味を確認しておきましょう。
給料 | 基本給のみの金額 |
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給与 | 基本給に残業代や手当などを含めた金額 |
所得 | 税金上の収入の呼び名。給与は給与所得と呼ばれ、給与所得控除という税金計算上の経費を差し引いた額が給与所得になる |
項目別に解説。統計でみる日本の平均年収
お金や年収に関して知りたいときは、国による統計が参考になります。ただし、調査や集計の仕方は色々ありますから、ぜひ様々な角度で見ていきましょう。
男性・女性別、年代別の平均年収
国税庁の令和元年「民間給与実態統計調査」によると、男性・女性別、年代別の平均年収は以下の通りです。
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20~24歳 | 278万円 | 248万円 |
25~29歳 | 403万円 | 328万円 |
30~34歳 | 470万円 | 321万円 |
35~39歳 | 529万円 | 313万円 |
40~44歳 | 582万円 | 318万円 |
この調査結果を前提にすると、たとえば「32歳男性・年収400万円」なら平均よりも低く、同じく「32歳男性・年収600万円」なら平均より高いと考えられます。まずはこの統計で自身の立ち位置を捉えてみましょう。
業種別の平均年収
先ほどの調査によると、業種別の平均年収は以下の通りです。
電気・ガス・熱供給・水道業 | 824万円 |
---|---|
金融業・保険業 | 627万円 |
情報通信業 | 599万円 |
学術研究、専門・技術サービス業、教育・学習支援業 | 518万円 |
製造業 | 513万円 |
建設業 | 491万円 |
運輸業・郵便業 | 436万円 |
不動産業・物品賃貸業 | 424万円 |
複合サービス事業 | 411万円 |
医療・福祉 | 401万円 |
卸売業・小売業 | 376万円 |
サービス業 | 359万円 |
農林水産・鉱業 | 297万円 |
宿泊業・飲食サービス業 | 260万円 |
全体平均 | 436万円 |
全14業種のうち、平均を上回っているのは6業種という結果です。平均年収が低ければ、それだけ年収が上がりにくい業種である可能性が高いでしょう。
平均年収の推移
同じく先ほどの調査によると、平均年収の推移は以下の通りです。
令和元年 | 436万円 |
---|---|
平成30年 | 441万円 |
平成29年 | 432万円 |
平成28年 | 422万円 |
平成27年 | 420万円 |
平成26年 | 415万円 |
平成25年 | 414万円 |
平成24年 | 408万円 |
平成23年 | 409万円 |
平成22年 | 412万円 |
平成21年 | 406万円 |
全体としては「ほとんど年収が上がっていない」という結果です。先ほどの業種による格差を考えると、年収を上げるには「他業種への転職」も視野に入れるべきかもしれません。ひとまず、業種と今までの年収推移を把握し、「今後の自身の可能性」を考えてみましょう。
都道府県ごとの年収の違いは?全国と四国の年収分布
一般的に「都会は稼ぎやすい」というイメージがあるように、実は年収には都道府県ごとに地域差があります。ただしイメージと現実は違うことも多いですから、統計を通して実情を把握しておきましょう。
都道府県ごとの平均年収
厚生労働省の令和元年「賃金構造基本統計調査」によると、都道府県ごとの平均年収の上位と下位は以下の通りです。
1位 | 東京 | 408万円 |
---|---|---|
2位 | 神奈川 | 377万円 |
3位 | 大阪 | 362万円 |
4位 | 愛知 | 360万円 |
5位 | 兵庫 | 339万円 |
- | - | - |
44位 | 沖縄・山形 | 270万円 |
45位 | 秋田 | 264万円 |
46位 | 宮崎 | 263万円 |
47位 | 青森 | 259万円 |
全国平均 | 338万円 |
見比べると、都会ほど平均年収が高いという結果になっています。ただし、都会は物価も高いため、暮らしやすさや貯金のしやすさなどは別の話である点に注意しましょう。
四国の平均年収について
先ほどの統計を四国に限定すると、結果は以下の通りです。
31位 | 徳島・香川 | 299万円 |
---|---|---|
35位 | 高知 | 286万円 |
37位 | 愛媛 | 284万円 |
全国平均 | 338万円 |
全国平均と比べると四国の平均年収は低めであるものの、東北や九州などに比べると高くなっています。なお、四国では「農林水産業」が盛んですが、この業種の平均年収の低さがそのまま結果に表れているという見方もできます。
最近ではテレワークの普及によってどこにいても様々な仕事ができますから、年収に対するあなたの考えに合わせて仕事を選ぶと良いでしょう。
まとめ
日本の年収事情は、特に業種による格差が広がっています。都道府県別に見ると、四国は全国平均と比べれば年収が低いのが実情です。とはいえ、四国の事情も細かくは少しずつ異なります。まずは統計を通して自身の立ち位置を知り、今後のキャリアプラン・ライフプランを考えてみましょう。
山本FPオフィス代表。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年8月、山本FPオフィスを設立し、同代表就任。 現在は日本初の「婚活FP」として、婚活パーティを開催しながら婚活中や結婚直後の若者の相談に対応。また、独立10年を機に「農業FP」としても活動を開始。後輩育成にも力を入れている。