デビットカードはクレジットカードと何が違う?
特徴を解説
キャッシュレス化が進み、現金ではなく、「クレジットカード」や「デビットカード」を利用する方が増えています。
クレジットカードとデビットカードはどちらもお店やネットショッピングでの支払いに使えるカードですが、それぞれの違いをきちんと把握していない方は意外と多いのではないでしょうか。
2つのカードには、支払方法・引き落とし日・申し込める年齢・還元率など、さまざまな違いがあります。
この記事では、デビットカードとクレジットカードの違いや、それぞれの特徴に合わせた賢い使い分け方をご紹介します。デビットカードに興味がある方や、クレジットカードとうまく使い分けてお得に利用したい方はぜひ参考にしてください。
目次
デビットカードとクレジットカードの違い
キャッシュレスで支払いができる「デビットカード」と「クレジットカード」。
「いったい何が違うの?」と疑問に思う方も少なくないでしょう。2つのカードをうまく使い分けるために、それぞれのカードの違いを知っておくことが大切です。
ここでは、デビットカードとクレジットカードの7つの違いをご紹介します。
1. 引き落としのタイミングが異なる
デビットカードとクレジットカードのもっとも大きな違いは「引き落としのタイミング」です。
クレジットカードは翌月あるいは翌々月の後払いですが、デビットカードはカードを利用すると即時に口座から引き落としされます。
買い物をしてから実際に引き落としされるまでのタイムラグがなく、現金で支払うのと同じような感覚で使えるのがデビットカードの大きなメリットです。
デビットカードは、お金の管理を簡単にしたい方や、お金の使いすぎを防止したい方におすすめのカードといえます。
2. デビットカードは1回払いのみ
クレジットカードは、分割払いやリボ払い・ボーナス払いなど、さまざまな支払方法を選べます。大きな買い物をするときや毎月の支払額を抑えたい場合など、利用シーンに応じて支払方法を使い分けられるというメリットがあります。
一方、デビットカードは、口座から即時にお金が引き落とされるため、支払方法は1回払いのみです。分割払いやリボ払いなどの後払いはできないため、注意が必要です。
3. ポイントの還元率が異なる
クレジットカードとデビットカードは「ポイント還元率」が異なります。
クレジットカードの還元率は0.5%~(200円で1ポイント付与)が一般的ですが、デビットカードの場合は0.2%~(500円で1ポイント付与)と、クレジットカードに比べて低い傾向にあります。
ポイント還元がないデビットカードもあるため、ポイントをためることを重視するなら、クレジットカードがおすすめです。
4. カードを申し込める年齢が異なる
クレジットカードは基本的に満18歳以上(高校生は除く)から申し込みできます。
返済能力などを審査した上でカードが発行されるため、中学生や高校生などの未成年者は申し込みできません。
一方、デビットカードの場合、発行会社や銀行により異なりますが一般的に満15歳以上から申し込みできます。(12歳以上から申し込めるカードもあります。)
ただし未成年者がデビットカードを作るとき、親権者の同意が必要な場合があります。作りたいデビットカードの申込条件などを、事前に確認しておきましょう。
5. 利用限度額が異なる
クレジットカードとデビットカードは「利用限度額」が大きく異なります。
クレジットカードは、カード会社の審査で定められた利用限度額の範囲内で利用できます。例えばショッピング枠が110万円の場合、110万円を超えるカード決済はできません。
デビットカードの場合、預金口座の残高、あるいは自身で設定した利用限度額の範囲内で利用できます。
1日あたり・1か月あたりなど、利用限度額を細かく決められるカードもあるため「節約したい」「使いすぎを防止したい」という方はデビットカードを利用するのがおすすめです。
6. デビットカードには「DEBIT」と記載されている
デビットカードとクレジットカードの見た目は似ていますが、カード券面(表・裏)で違いを見分けられます。
デビットカードの場合、カードの表面または裏面に紐づいている銀行の支店番号や口座番号などの情報が印字されています。またすべてのカードに記載があるわけではありませんが、表面に「DEBIT」または「Debit Card」と記載されているカードが多いのも特徴です。
手元のカードがクレジットカードかデビットカードかわからなくなった場合は、カード券面を確認しましょう。
デビットカード | クレジットカード | |
---|---|---|
引き落としタイミング | 口座から即時引き落とし | 後払い(翌月あるいは翌々月) |
支払方法 | 1回払いのみ | 1回・2回・分割・リボ・ ボーナス払い |
ポイント還元率 | 0.2%程度 | 0.5%程度 |
入会審査 | なし | 審査あり |
対象年齢 | 満12歳以上 | 満18歳以上 |
利用限度額 | 預金口座の残高または 自身で設定した利用限度額 |
審査で定められた利用限度額 |
※銀行やカードによって支払方法やポイント還元率、対象年齢などは異なる場合があります。
7. 審査に違いがある
クレジットカードには審査がありますが、デビットカードには審査がありません。
クレジットカードは、カードを利用してカード会社が立て替えたお金をきちんと返済できるか、主に過去の信用履歴(クレジットヒストリー)や職業などの収入状況を元に“与信”を決めるため、審査が必要です。
一方、デビットカードは銀行の預金口座とつながっており、使ったお金がすぐに引き出されるため、審査がありません。
クレジットカードは審査を通過しなければ利用できませんが、デビットカードは発行会社の規定する年齢さえ満たしていれば、利用ができます。
そのためデビットカードでは以下のように利用できないサービスもあるので注意しましょう。
- キャッシングでお金を借りる
- 分割払いやリボ払いで支払う
- 現時点での残高を超える決済
プリペイドカード・キャッシュカードとの違い
デビットカードやクレジットカードのほかに、「キャッシュカード」や「プリペイドカード」と呼ばれるカードがあります。キャッシュカードとプリペイドカードの特徴についてもおさえておきましょう。
1. キャッシュカードは口座と連結しているカード
キャッシュカードは、銀行ATMで入金したり、出金したりする際に使用するカードです。基本的に、ショッピングの支払いなどには利用できません。
ただし「クレジット機能」もしくは「デビット機能」が付いているキャッシュカードであれば、買い物の支払いに利用できます。
2. プリペイドカードは前払い制のカード
プリペイドカードは事前にお金をチャージしておけば、チャージした金額分のみ支払いができるカードです。キャッシュカードやデビットカードとは違って、銀行口座に紐づいていません。
プリペイドカードには「nanaco」など買い物にのみ使えるものや、「PASMO」や「Suica」など公共交通機関で使えるものもあります。
デビットカードは、事前にチャージする必要がなく、引き落とし口座から直接引き落とされる点がプリベイトカードとは大きく異なります。
デビットカードは口座残高の範囲内での利用、プリペイドカードはチャージ金額内での利用なので、どちらも無駄づかいしにくい点は共通しています。
デビットカードは2種類ある
デビットカードは、大きく分けて「J-Debit」と「ブランドデビット」の2種類あります。
J-Debitは、銀行のキャッシュカードをそのままデビットカードとして使えるタイプのカードです。国内に22,305店舗あるJ-Debit加盟店でのみ使えます。
一方、ブランドデビットは、VISA・JCBなどの国際ブランドと提携したデビットカードです。国内外問わずVISA・JCBなどの国際ブランド加盟店で利用できるので、使える店舗数が多く、海外旅行や海外出張の際も安心です。
銀行によりブランドデビットのみ取り扱い・双方取り扱いなどラインナップは変わります。申し込みの前に、希望のデビットカードを取り扱っているか、チェックしておきましょう。
デビットカードの利用シーン
デビットカードは、どこでも使えるわけではありません。
さきほどご紹介した通り、J-DebitはJ-Debitの、国際ブランドは国際ブランドの加盟店でのみ利用できます。
しかし、加盟店といってもイメージが湧きにくいですよね。
例えば、ブランドデビットの場合、利用できるお店として、主に以下の4つが挙げられます。
<ブランドデビットが使えるお店>
- コンビニエンスストア各社
- ネットショップ
- キャッシュレス決済に対応しているスーパー
- 海外にある、ブランドデビット加盟店
※J-Debitはコンビニ・ネットショップ・海外の加盟店では利用できません。
クレジットカードの使えるお店であれば、デビットカードも利用可能なことが多いです。
しかし、加盟店であっても、以下のような使い方はできないので、注意しましょう。
<デビットカードでは使えない機能>
- 分割払いやリボ払い
- 決済時点の口座残高以上の買い物
- キャッシングサービスの利用
- ETCカードの発行
- ガソリンスタンドやの支払いや高速道路料金の支払い
日頃のお買い物であればデビットカードでも支払い可能ですが、大きな金額のものを購入したり、高速道路の料金や給油代に使ったりすることはできません。
デビットカードとクレジットカードの賢い使い分け方
デビットカードとクレジットカードは、お店やネットショッピングでの支払いに使えるという点では同じでも、それぞれ特徴があることをお伝えしてきました。
では、デビットカードとクレジットカードのどちらを選べばいいのでしょう。
その答えは、「カードを使うシーンや目的」によります。
ここでは、デビットカードとクレジットカードの利用シーンに応じた賢い使い分け方をご紹介します。
1. コンビニ・スーパーなどでのお買い物はデビットカード
コンビニやスーパーなどでの少額の買い物には、即時決済されるデビットカードを活用するのがおすすめです。
利用履歴がメールに通知されたり通帳に記帳されたりするため、お金の管理が簡単にできます。家計簿アプリと連携させれば、さらに支出管理が楽です。
ポイント還元・キャッシュバック付きのデビットカードを利用すれば、現金よりもお得に買い物ができますよ。
2. 家電の買い替えなど大きな買い物はクレジットカード
家電・家具の買い替えなど、比較的高額の買い物をする場合はクレジットカードを利用するのがおすすめです。
クレジットカードの分割払いやボーナス払いなどを上手に活用すれば、大きな金額の買い物でも無理なく購入できます。ポイント還元率も比較的高いため、デビットカードよりもお得に買い物できるかも。
まとめ
デビットカードとクレジットカードには、引き落としのタイミング・支払方法・ポイントの還元率など、さまざまな違いがあります。
それぞれの特徴を理解し、利用シーンに応じて賢く使い分けましょう。
デビットカードやクレジットカードなどで支払いをキャッシュレス化すれば、よりスマートで快適な生活を楽しめますよ。