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固定金利と変動金利の違いって?
それぞれの特徴や住宅ローンがお得になる選び方とは

2022/05/31

住宅ローンには固定金利と変動金利がありますが、どちらを選べばよいかわからない人も多いでしょう。金利のタイプには特色があり、ライフプランや家計状況に合ったローン選びが大切です。この記事では、住宅ローンの金利タイプの特徴や家計にあったローンの選び方などを解説します。

住宅ローンの固定金利と変動金利の違いとは?

住宅ローンの固定金利と変動金利の違いとは?

金利タイプには、固定金利と変動金利の2種類があります。固定金利は全期間金利が固定されるタイプと、一定期間のみ固定されるタイプに分かれます。

全期間固定金利型

固定金利の中でも全期間固定金利型は、ローン契約時の金利が完済まで変わらない金利タイプです。市場金利が変動しても金利が変わらず、返済額も一定です。

全期間固定金利型のメリット・デメリット

全期間固定金利型は金利上昇リスクがないため、将来的に金利上昇が見込まれる場合には安心なローンです。また、借入と同時に完済までの返済額も確定するので、資金計画が立てやすい点もメリットです。

しかし、一般的には変動金利よりも適用される金利が高めなので、低金利が継続すれば総返済額も多くなります。

変動金利型

半年ごとに金利が見直されるタイプで、市場金利の変動に応じて返済額が増えたり減ったりするローンです。住宅金融支援機構の2021年(令和3年)10月の調査によると67.4%が変動型を選んでおり、 現在主流の金利タイプです。

変動金利型のメリット・デメリット

通常、変動金利型の金利は固定金利型より低く設定されています。現在のように長期にわたって低金利が継続する状況下で、有利な金利タイプです。しかし、市場金利が上昇すれば、返済額が増える可能性もあります。また、契約時点では将来の適用金利がわからず、総返済額も確定しません。利用する場合は、将来の金利上昇リスクに注意が必要です。

固定金利期間選択型

借入当初に決めた一定期間(3年・5年・10年など)中は金利が変わらないローンです。固定金利期間終了後は店頭金利が適用されるなど、金融機関ごとに取扱が異なります。

固定金利期間選択型のメリット・デメリット

一定期間は金利が固定で返済額が一定なので、ライフプランに合っていればメリットのある金利タイプです。しかし、固定期間終了後に適用金利が上昇し、返済額が大幅に増える可能性もあります。

返済方法による住宅ローンの分類

住宅ローンは返済方法によって、「元利均等返済」と「元金均等返済」に分類されます。

元利均等返済

借入れた元金と利息の合計を、均等に返済していく方法です。元利均等返済では、毎月の返済額が一定になります。

元金均等返済

残高に応じて利息を計算し、返済期間で割った元金と合計して毎月の返済額が決まる返済方法です。当初の返済負担が大きくなりますが、元利均等返済に比べて総返済額を抑えられる方式です。

住宅ローンの金利タイプの選び方

住宅ローンの金利タイプの選び方

固定金利と変動金利はどちらかが得ということはなく、自分に合ったタイプが有利です。ここからは、家計やライフプランに適した金利タイプの選び方を解説します。

支払う利息を抑えたい人

毎月の返済額より支払う利息を抑えたい人は、金利の低いローンを選ぶのがポイントです。現在は変動金利型に超低金利が適用されており、多くの人に選ばれています。また、返済方法で元金均等返済を選択すると、元利均等返済に比べて利息分の返済が少なくなります。

低金利のメリットを活かしたい人

住宅ローンの適用金利が低ければ毎月の返済額も抑えられ、家計にゆとりが生まれます。長期的な低金利が続く現状で可能なかぎりメリットを享受するなら、変動金利が選択肢となります。

借入期間が長い人・借入金額が多めな人

毎月無理なく返済するために借入期間が長めの人は、金利上昇リスクがあります。また、借入金額が多い人も金利上昇の影響を受けやすいです。返済の途中で金利が上昇すると返済額も増え、家計が苦しくなるおそれがあります。その場合、金利上昇リスクがなく、ライフプランが立てやすい全期間固定金利型のローンの選択が無難です。

固定金利は変動金利に比べて金利が高めですが、現在の水準で固定金利を選んでおくと、金利上昇時には大きなメリットがあります。

借入期間が短い人・借入金額が少なめの人

自己資金が多くてローンの借入期間や借入金額が少ない人は、金利上昇の影響を受けにくいといえます。そのため、固定金利型より金利が低い変動金利型が有力な選択肢となります。ただし、将来の金利上昇が不安であれば、固定金利型を選んでもよいでしょう。

注意したい変動金利の金利上昇リスク

注意したい変動金利の金利上昇リスク

長引く超低金利で、多くの人が変動金利型の住宅ローンを選んでいます。しかし、変動金利を選ぶなら、将来の金利上昇を想定しておく必要があります。

変動金利の5年ルール・125%ルールとは?

返済途中での金利変動による返済額の急上昇を避けるため、変動金利には「5年ルール」や「125%ルール」があります。

金利が上昇しても急に返済額が増えない仕組み

5年ルールは、金利が上がっていても5年間は返済額が変わらない決まりです。また、返済額が上がる場合でも125%ルールにより、それまでの返済額の25%増までが上限となります。つまり、金利が大幅に上がったとしても、返済額が急激に増えない仕組みになっているのです。

「未払い利息」が発生する場合も

5年ルールや125%ルールにより、返済額から元金部分に充当される金額がゼロになる「未払い利息」の発生に注意が必要です。金利が上昇し続けると未払い利息が貯まり、返済期間終了までに解消されないケースもあります。

そのため、最近では5年ルールおよび125%ルールを採用しない金融機関も登場しています。変動金利を選ぶなら、金融機関の未払い利息の精算方法などの確認は重要です。

繰上返済で元金を減らす

金利上昇に備えるには、繰上返済でローンの元金を減らすのが有効です。繰上返済の返済金は元金だけに充当され、かかる利息を抑える効果があるからです。繰上返済には返済期間が短くなる「期間短縮型」と、毎月の返済額を少なくできる「返済額軽減型」があります。金利上昇リスクに対応するなら、期間短縮型を選ぶのがおすすめです。

日頃から金利動向を注視する

変動金利を選択する場合、返済期間中の市場金利の動向に注意しなければなりません。現状ではこれ以上の下降は考えられないため、注意すべきは金利上昇です。金利上昇が続くようであれば、早めに借り換えなどの対策を検討しましょう。

まとめ

住宅ローン金利は長らく低金利が続き、変動金利が有利とされてきましたが、今後もそうとはかぎりません。これから住宅を購入するなら、金利だけにとらわれず各家庭のライフプランに最適なローン選びが大切です。それぞれの金利タイプの特色を踏まえ、自分に合ったローンを選びましょう。



著者プロフィール

著者 松田 聡子

群馬FP事務所代表、CFP®、証券外務員二種、DCアドバイザー

国内生保に法人コンサルティング営業を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoやNISAでの資産運用や確定拠出年金を有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングを行っている。

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