シンガポール初の世界遺産
ボタニック・ガーデンのみどころ

シンガポールというと、高層ビルに囲まれた近代的な風景を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実は植樹などの緑化政策を積極的に進めているシンガポールは、「クリーン・アンド・グリーン・シティ」と呼ばれるほど清潔で緑に溢れています。
そんなシンガポールの誇る植物園のひとつが、本国初の世界遺産である「ボタニック・ガーデン(Singapore Botanic Gardens)」です。緑豊かな公園は市民の憩いの場であると同時に、観光スポットとしても高い人気を集めています。
今回はボタニック・ガーデンの概要とおすすめスポットをご紹介します。

世界各地から集められた多種多様な植物を鑑賞できるボタニック・ガーデン。82ha(東京ドーム約18個分)に及ぶ広大な敷地を擁し、2015年にはシンガポール初の世界遺産に登録されました。
園内には自然豊かな景色だけでなく、ランやショウガを集めた庭園、レストランやギフトショップなど楽しいスポットが盛りだくさん。ラン園を除き入場料無料であることから、休日になるとピクニックやジョギングで多くの人が訪れる憩いの場でもあります。
すべて周るには3時間以上かかると言われる園内には、複数の入場用ゲートがありますが、主に使われるゲートは以下3つ。
1.タングリン・ゲート(Tanglin Gate)
2.ブキティマ・ゲート(Bukit Timah Gate)
3.タイアサル・ギャロップ・エントランス(Tyersall Gallop Entrance)
このうち公共交通機関でアクセス可能なのは、タングリン・ゲートとブキティマ・ゲートです。タングリン・ゲートは市内から最も近い主要ゲートで、バス停「Opp Singapore Botanic Gardens」から徒歩5分ほど。ブキティマ・ゲートはMRT(地下鉄)「Botanic Gardens」駅A出口に隣接という便利な立地ですが、人気スポット「ナショナル・オーキッド・ガーデン」まで徒歩20分と少々遠いのが難点です。
タイアサル・ギャロップ・エントランスへは、市内からタクシーで約20分。公共交通機関は利用できないものの、人気のガーデンやレストランなど目玉スポットが集まるエリアです。
このようにゲートごとにアクセス方法が異なるため、事前に公式ホームページで訪れたいスポットをピックアップし、最寄りゲートを確認しておくと良いかもしれませんね。
それでは、ボタニック・ガーデンで見逃せないおすすめスポットをご紹介していきます。
多種多様なショウガを楽しめる「ジンジャー・ガーデン」

まずご紹介する人気スポットは、園内西部に位置する「ジンジャー・ガーデン(Ginger Garden)」。その名の通り、世界中の熱帯地方に生息する250種類ものショウガ科の植物を集めたガーデンです。
タクシーなら最寄りのタイアサル・ギャロップ・エントランスから徒歩約30秒。公共交通機関を利用する場合はバスでタングリン・ゲートまで行き、そこから歩いて約10分と散歩にちょうど良い距離にあります。
ジンジャー・ガーデンの真ん中にはモネの絵を思わせるような池が佇み、それを取り囲むようにショウガの花々が所狭しと咲いています。

約1haの敷地に植えられたユニークなショウガの花をじっくり観察しながら歩くと、一周するのに30分〜45分程かかります。
普段あまり目にすることのないショウガの花ですが、意外にも赤や黄色などハッと目を引くものがたくさんあります。形状についても、筒状のものからオウムのくちばしのように尖った独特な形をしたものなど多種多様。

ベストシーズンは6月から8月ですが、それ以外の期間でも花は咲いていますのでご安心ください。なおショウガは開花している時間が短いため、午前中に訪れることをおすすめします。
普段の料理によく使われるショウガですが、その意外な花の姿に新しい発見があるはずです。ボタニック・ガーデンを訪れる際は、散歩がてら珍しいショウガの花を鑑賞してみてはいかがでしょうか。
カラフルなランが咲き誇る「ナショナル・オーキッド・ガーデン」

ジンジャー・ガーデンを100mほど進んだ先にあるのが、ボタニック・ガーデンきっての人気スポット「ナショナル・オーキッド・ガーデン(National Orchid Garden)」です。
シンガポールが誇る世界最大規模のラン園で、約3haの敷地に6万株もの原種及び交配種のランを擁しています。またランはシンガポールの重要な輸出品のひとつであることから、ガーデン内ではランを鑑賞できるだけでなく、新種開発や研究、保護活動も行われています。
そんなナショナル・オーキッド・ガーデンでは、熱帯雨林を思わせる道の両脇に美しいランが咲き誇ります。

色とりどりのランを眺めながら歩いていくと、つい時間が経つのを忘れてしまうほど。ひと通り周るのに1時間ほどみておくと良いかもしれません。
園内をさらに奥に進むと、「VIPオーキッド・ガーデン(VIP Orchid Garden)」にたどり着きます。小高い丘の上にひっそりと佇む洋風庭園で、ここを訪れた世界各国の首脳や著名人にちなんだランが集められています。

時期によってラインナップは変わるようですが、今回訪れた際は上皇后美智子さまの名を冠した白とピンクのランが咲いていました。
ほかにも高湿度を好むランが鑑賞できるミストハウスや、ランをモチーフとした商品を取り扱うギフトショップなど、見どころ満載のナショナル・オーキッド・ガーデン。有料施設のため入場料がかかりますが、それ以上の価値を感じることができるはずです。ぜひ世界有数のラン園で、見事なランの数々を堪能してみてください。
自然のなかでリラックスした時間を

近代的な街並みだけでなく、豊かな自然も存分に楽しめるシンガポール。特にボタニック・ガーデンはその緑あふれる広々とした空間から、多くのシンガポール国民に愛される憩いの場となっています。都会の喧騒に疲れた時には、ぜひボタニック・ガーデンでゆっくりと自然を満喫してみてください。
Singapore Botanic Gardens
住所:1 Cluny Rd, Singapore 259569
営業時間:5:00 - 24:00
公式HP:https://www.nparks.gov.sg/sbg
Ginger Garden
営業時間:5:00 - 24:00
National Orchid Garden
営業時間:8:30 - 19:00(最終入場18:00)
入場料:
【シニア(60歳以上)及び学生】1SGD(ローカル)/ 3SGD(一般観光客)
【大人】5SGD(ローカル) / 15SGD(一般観光客)
【小人(12歳未満)】無料
※ローカルとはシンガポール国民、永住権保持者、その他ビザ保持者を指します
※2022年2月現在1SGD=約85円