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マンション・戸建てどっちがお得?
資産価値から住みやすさまで徹底比較!

2022/06/21

マイホームを選ぶときに最初に考えるのが、「マンションにするか一戸建てにするか」ではないでしょうか。どちらにも長所と短所があり、自分に合った住宅を選ぶには比較ポイントを押さえる必要があります。この記事では、マンションと戸建てのメリット・デメリット、選ぶときの比較ポイントを解説します。

マンションのメリット・デメリット

マンションのメリット・デメリット

最初にマンションのメリット・デメリットを押さえておきましょう。

マンションのメリット

多くのマンションは、ショッピングセンターが隣接する駅の近くなどの便利な場所に建設されます。ほとんどがオートロックで管理人が常駐する物件もあり、空き巣などの犯罪者に狙われる心配が少ないといえます。

マンションの間取りはワンフロアにまとまっているため、生活動線が合理的です。炊事・洗濯・掃除などの家事での移動で、ムダな動きをしなくてすみます。

マンションのデメリット

マンションは、同じ間取りの戸建てより面積が狭い場合がほとんどです。費用の面では、戸建てにはない管理費や修繕積立金を支払わなければなりません。このような費用は住宅ローン完済後にもかかるため、収入の少ない老後には負担になる可能性があります。

また、マンションでは上下階や隣に住む人の騒音に悩む可能性や、逆に苦情を受けるおそれがあります。物件によっては注意していても周囲に音が聞こえるケースもあり、トラブルが発生しないように配慮が必要です。

戸建てのメリット・デメリット

戸建てのメリット・デメリット

次に、戸建てのメリットとデメリットについて解説します。

戸建てのメリット

戸建ての住宅は独立性が高く、近隣の目を気にせず生活できます。普通に生活していれば、騒音トラブルもほとんど起こりません。ペットを飼ったり、楽器を演奏したりも気兼ねなくできます。

戸建てには庭があるため、ガーデニングや家族でバーベキューなどを楽しめます。また、家族状況が変化したときも、好みの間取りにリフォームが可能です。

戸建てのデメリット

戸建て住宅は駅の近くより、郊外に行くほど多くなります。そのため交通の便のよくない地域では、マイカーがないと生活できない場合もあるでしょう。また、プライバシーが守られる反面、セキュリティ面が弱くなります。特に通りに面していない住宅には、防犯対策が必要です。

2階建て以上の戸建ての場合、家事や育児の動線がマンションに比べて複雑になりがちです。子どもの世話をしながら家事で1階と2階を往復するのは、不便に感じる場合もあるでしょう。

費用や将来的な資産価値を比較

費用や将来的な資産価値を比較

マンションか戸建てかを選ぶうえで、費用や資産価値などお金の面を考えていきます。

購入価格

【住宅の種類別】住宅購入にかかる費用
住宅の種類 平均購入金額
新築マンション 4,545万円
土地付注文住宅 4,397万円
注文住宅 3,534万円
建売住宅 3,495万円
中古マンション 2,971万円
中古戸建て 2,480万円

出典:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査2020年(令和2年)度

上記は、フラット35を申し込んだ人の住宅別の平均購入金額です。注文住宅については、建築費と土地取得費の合計になります。

このデータを見るかぎりでは、マンションか戸建てかによる購入金額の大きな違いはありません。新築と中古、注文住宅と建売による違いで差があることがわかります。

資産価値

マンションと戸建てでは、将来的な資産価値の減り方に違いがあります。マンションは1戸あたりの土地の割合が少ないため、建物が古くなるとともに資産価値が下がります。

一方、戸建ては建物の資産価値がマンションより早く減っていきますが、土地の価値はゼロにはなりません。仮に築22年(木造住宅の耐用年数)で建物の価値がゼロになっても、それ以降に地価が大きく変動しなければ資産価値はほぼ一定です。

売却を考える場合、築浅のうちはマンションが有利で、年数が経つと戸建てが有利となります。

維持費

マンションと戸建てで共通する維持費には、固定資産税・都市計画税や火災保険料などがあります。さらに、マンションには管理費と修繕積立金がかかります。

東日本不動産流通機構の「2020年(令和2年)度首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金」によると、管理費と修繕積立金の月額平均はそれぞれ1万2,480円、1万1,071円でした。両方を合わせると、1年間で28万2,612円となります。

ただし、建物が古くなれば戸建てにも修繕が必要になるため、修繕費用を自主的に準備しなければなりません。

住みやすさを比較

住みやすさを比較

ここでは、マンションと戸建てを住みやすさの面で比較していきます。

セキュリティ

防犯や安全性という観点で比較した場合、マンションのほうが安全性が高く、安心といえます。マンションはオートロックや管理人の在駐など、セキュリティが充実しているからです。

警察庁の2020年(令和2年)のデータによると、侵入窃盗の発生場所別認知件数は一戸建て住宅が37.0%と最も多くなっています。3階建て以下の共同住宅が9.3%、4階建て以上の共同住宅が4.3%です(警察庁「住まいる防犯110番」より)。戸建てに住む場合、防犯対策がマンション以上に必要となるのです。

立地

一般的に駅周辺には戸建てよりマンションが多く、駅から離れるほど戸建ての割合が高くなります。よって、マンションのほうが土地の利便性は高い傾向にあります。

防災性

鉄筋コンクリート造のマンションは耐震性、耐火性ともに強い建物です。また、2階以上の部屋では床上浸水の心配もありません。

一方、木造住宅は2000年(平成12年)に建築基準法の耐震基準が変わるなど、防災性の基準が変化しています。そのため、築浅の建物であれば防災性に大きな不安はないといえます。しかし、古い建物を買う場合には、注意が必要です。

生活動線

通常、マンションは戸建てよりコンパクトなため、生活動線はシンプルで家事や育児がしやすい住まいといえます。これに対し、戸建ては面積の広さや階段などのために、やや生活動線が複雑な傾向があります。

広さ

広さの観点では、戸建てのほうがマンションより広いといえます。一般的に戸建ての居室はマンションより広めで、庭も利用できます。また、家族の人数が多い人は、マンションでは快適に生活できない可能性があるでしょう。

マンション・戸建て、最終的にどっちがお得?

マンション・戸建て、最終的にどっちがお得?

以上のことを踏まえ、マンション・戸建てのどちらを選ぶか考えてみましょう。

自分にはどんな分譲住宅が向いているかで比較

マンションと戸建てに優劣はなく、どちらかを選ぶと損をするようなことはありません。どちらにも特色があるので、自分にとって重要なポイントによる比較検討が必要です。

マンションが向いている人

以下のような人は、戸建てよりマンションが向いています。
・駅から近いなど、利便性を重視する人
・防犯・防災など、安全性を重視する人
・家事やメンテナンスが楽な家に住みたい人
・将来、住み替えるつもりの人

戸建てが向いている人

マンションより戸建てが向いているのは、次のような人です。
・こだわりの家に住みたい人
・家族が多く、広い住まいが必要な人
・庭付きの住まいを希望する人
・プライバシーを重視する人

まとめ

住まい選びは、やり直しができません。さまざまな観点から比較し、後悔のないように決断したいものです。マンションと戸建てにはそれぞれ特色があり、自分が重視したいポイントによって判断します。最終的には自分にとってどうしても譲れないのはどんなところかを考え、決めるとよいでしょう。



著者プロフィール

著者 松田 聡子

群馬FP事務所代表、CFP®、証券外務員二種、DCアドバイザー

国内生保に法人コンサルティング営業を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoやNISAでの資産運用や確定拠出年金を有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングを行っている。

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