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ハウスメーカーと工務店の違いは?
それぞれの特徴と失敗しない選び方のポイント

2022/06/23

注文住宅を建てるときに、ハウスメーカーと工務店のどちらに建築を依頼するか迷う人は少なくないでしょう。ハウスメーカーと工務店にはそれぞれ特色があり、メリットもデメリットもあります。この記事ではハウスメーカーと工務店の違いと、自分に合った依頼先の選び方を解説します。

家づくりを依頼する業者の種類

家づくりを依頼する業者の種類

最初に注文住宅を建築する際の、依頼先の種類を紹介します。

ハウスメーカー

自社ブランドを持って、全国規模で営業展開している住宅会社のことです。対応エリアが広く、各地域に営業拠点があります。

工務店

特定の地域に密着して、住宅を建築する会社です。新築工事だけでなく増改築にも対応し、施主の要望に柔軟に対応できる特色を持ちます。

設計事務所

住宅の間取りなどの設計から、建築の施工管理も行ってくれる会社です。施主の希望や周辺環境を活かした、オーダーメイドの住宅提案を受けられます。

ハウスメーカーと工務店の違い

ハウスメーカーと工務店の違い

次に、ハウスメーカーと工務店の違いについて、いくつかのポイントを押さえておきましょう。

建築コスト

建物の建築価格は、ハウスメーカーより工務店のほうが低い傾向にあります。ハウスメーカーは広告宣伝費や展示場の管理費などの費用が、建築費に転嫁されるからです。同等の家を建てるなら、工務店のほうがローコストといえます。

施工エリア

ハウスメーカーは各地に営業拠点があるため、全国どこにでも対応できます。これに対し工務店は、基本的に地元の顧客の工事しか受けられません。中には他県に支店を出すような規模の工務店もありますが、対応エリアが県内や特定の市区町村などに限定されている会社がほとんどです。

プランの自由度

ハウスメーカーは、あらかじめ用意されたプランから好みのものを選ぶスタイルです。自由度は低いものの、施工は効率的に進められます。一方、工務店はプランの自由度が高く、希望の間取りや設備で施工できます。

工期の長さ

ハウスメーカーは設計から完成までの施工の流れがシステム化されており、マニュアルに沿って効率的に業務が流れます。そのため、比較的短期間で家が完成するのです。一方、工務店の場合はゼロから設計し資材の加工なども自社で行うため、一般的にはハウスメーカーより工期が長くかかります。

アフターメンテナンス

ハウスメーカーはアフターメンテナンスも標準化され、マニュアルも整っています。定期点検などの連絡も入るので、安心です。

工務店のアフターメンテナンスの品質は、会社ごとにばらつきがあります。人手が少なくて十分なサービスが提供されない会社もあれば、手厚いメンテナンスをしてくれる会社もあります。

工務店のメリット・デメリット

工務店のメリット・デメリット

工務店に住宅の建築を依頼する、メリットとデメリットを確認しておきましょう。

工務店のメリット

工務店には、以下のようなメリットがあります。

費用が安め

工務店は広告宣伝にお金がかからないため、一般的には建築費がハウスメーカーより安くすみます。マイホーム取得には建築費以外にもお金がかかるので、浮いた費用をほかの支出に回せます。

設計の自由度が高い

工務店の設計には特定のプランはない場合が多く、自由な設計が可能です。「子ども一人一人の個室を割り当てたい」「趣味のための部屋がほしい」など、施主の要望が叶いやすいのが工務店のメリットといえます。

担当者とコミュニケーションが取りやすい

ハウスメーカーはネームバリューに強みがありますが、地域密着の工務店には密なコミュニケーションが期待できます。営業担当だけでなく施工担当も自社で雇っている会社もあり、施主の要望が伝わりやすいといえます。ただし、担当者と施主には相性もあるため、工務店の見極めが必要です。

工務店のデメリット

工務店には、主に以下のようなデメリットがあります。

長めの工期が必要

工務店に施工を依頼すると、完成までの工期が長くなる傾向にあります。ハウスメーカーのようなシステム化された施工管理ではないため、予定どおりに完成しない可能性も想定しておく必要があります。

工務店ごとに技術やサービスの差がある

多くのハウスメーカーの技術やサービスは「見える化」されていますが、工務店は会社ごとに差があります。複数の会社を比較し、納得できる工務店を選ぶことが大切です。

ハウスメーカーのメリット・デメリット

ハウスメーカーのメリット・デメリット

ここからは、ハウスメーカーにマイホームの施工を依頼する場合のメリット・デメリットを解説します。

ハウスメーカーのメリット

ハウスメーカーに建築を依頼するメリットは、主に次の2点です。

ブランド力がある

テレビCMをしたり住宅展示場を持ったりするハウスメーカーには、知名度やブランド力があります。もし不具合があっても、すぐに対応してもらえる安心感があるでしょう。また、売却の際にも有名メーカー施工であることは、アピールポイントになります。

材料や工事の品質が安定している

ハウスメーカーは施工のシステムがあり、マニュアル化もされているため、完成した住宅の品質レベルが一定です。また、長期保証などのアフターメンテナンスも充実しています。

ハウスメーカーのデメリット

ハウスメーカーのデメリットは、以下の2点です。

費用が高め

ハウスメーカーで家を建てると、建築費が高くなる傾向にあります。ハウスメーカーが安定した受注件数を保つには、広告宣伝での集客が欠かせないからです。広告宣伝にお金がかかる分、建築費も高くなるというわけです。

細かな要望には対応しきれない

ハウスメーカーは標準的な仕様が決められているため、工務店のような自由設計ができません。オプションを追加したりプラン外のものを希望したりすると、費用が高額になる可能性があります。

ハウスメーカーか工務店、依頼先の選び方

ハウスメーカーか工務店、依頼先の選び方

これまでの内容を踏まえ、ハウスメーカーと工務店のそれぞれに向いている人を解説します。

知名度や安心感を重視するならハウスメーカー

ハウスメーカーには、ネームバリューから来る安心感があります。また、決められたプランから施主の好みのものを組み合わせていくため、効率的で短期間に施工が進みます。マイホームに大きなこだわりがなく、名の知れない会社に抵抗がある人は全国規模のハウスメーカーに頼むとよいでしょう。

こだわりの家づくりなら工務店

工務店は基本的に自由設計であり、理想のマイホームのイメージが明確な人なら夢を現実にできるでしょう。費用も低く抑えられるため、予算内でできるだけ希望を叶えたいという人に適しています。

まとめ

ハウスメーカーと工務店には異なる特色があります。ハウスメーカーの施工はシステム化されているため、有名な会社なら大きく失敗する可能性は低いでしょう。工務店の技術やサービスは会社ごとに差があるため、希望に合う工事をしてくれるか見極める必要があります。自分たちの優先する点は何かを考え、最適な会社を選びましょう。



著者プロフィール

著者 松田 聡子

群馬FP事務所代表、CFP®、証券外務員二種、DCアドバイザー

国内生保に法人コンサルティング営業を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoやNISAでの資産運用や確定拠出年金を有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングを行っている。

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