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「金融リテラシー」とは?
お金の知識を身に付ける必要性や高めるメリットを解説!

2022/10/27
(提供元:CyberKnot

「金融リテラシー」とは、お金についての知識や判断力を意味します。お金は私たちの生活に深く関わるものであり、金融リテラシーを身に付けることは生きていくうえでとても大切です。この記事では、金融リテラシーの必要性や高めるメリット、身に付けておきたい知識などについて解説します。

「金融リテラシー」とは?

「金融リテラシー」とは?

金融リテラシーとは、お金についての知識を正しく理解し、適切な判断ができる能力を意味します。「リテラシー」とは「読み書きの能力」を意味する言葉です。しかし、最近では「金融リテラシー」や「ITリテラシー」など、それぞれの分野の知識を活用する能力を指すようになりました。

金融リテラシーの必要性

自分には、金融リテラシーは縁のないものと思う人もいるかもしれません。しかし、金融リテラシーはどんな人にも必要な能力です。

金融リテラシーの高い人とは

2022年(令和4年)に金融広報中央委員会が行った「金融リテラシー調査2022」では、金融リテラシーの高い人ほど適切な金融行動を取ることが示されています。

この調査では金融の知識を問う正誤問題を出題し、正答率によって金融リテラシーを5段階の層に分類しました。調査の結果、金融リテラシーの高い(正答率が高い)人には次のような特徴があることがわかりました。
・金融トラブルが少なめ
・消費者ローンの利用が少なめ
・借入の負担感が低め
・経済ショックへの耐性が強め
・リスク性資産への投資が多め

出典:金融広報中央委員会「金融リテラシー調査2022

「投資で資産を増やす」というと、資産の多い富裕層だけに関係するものと考える人もいるかもしれません。しかし「金融トラブルを避ける」「高金利の借入をしない」などは、どのような人にも当てはまる生活に必要な判断力です。この調査結果からも金融リテラシーは誰もが持つべき、生活していくうえで欠かせないスキルであることがわかります。

金融リテラシーを高めるメリット

金融リテラシーを高めるメリット

金融リテラシーを高めるメリットには、どのようなものがあるか確認しておきましょう。

投資詐欺などを避けられるようになる

金融リテラシーを高めると、投資詐欺などの金融トラブルの被害に遭いにくくなります。「短期間で資金が数倍になる」「限られた人だけが参入できる」などは、投資詐欺でよくある勧誘のトークです。金融リテラシーのある人なら「おかしい」と感じ、だまされることはないでしょう。投資詐欺の手口に気づかず、だまされてお金が戻らなくなるような被害を避けるためにも、最低限の金融リテラシーを持つことは重要です。

資産形成につながる

金融リテラシーを高めることによって正しい投資の知識が身に付き、資産形成が可能になります。日本では超低金利が続き、預貯金ではお金は増えません。これからは、投資による資産形成が必要不可欠になると考えられます。しかし、金融リテラシーの低い人は投資をギャンブルのように考えて全く取り入れなかったり、知識もなく始めて損をしたりしがちです。

金融リテラシーがあれば、健全な投資によって目標とする資金準備の実現が可能になるでしょう。

経済的に自立できる

金融リテラシーが身に付くとライフプランに合わせた資金作りや家計のやりくり、節約などのお金の管理を合理的にできるようになります。お金の管理が適切にできると「経済的に自立する」ことにつながります。

人生にはさまざまなライフイベントがあり、それぞれに多くの資金が必要です。必要な資金を効率的に準備するには貯蓄だけでなく、節約や収入を増やすなどの行動を継続しなければなりません。金融リテラシーに基づく合理的な判断ができれば、お金のストレスの少ない生活を送れるでしょう。

最低限身に付けたい金融リテラシー

最低限身に付けたい金融リテラシー

お金はライフステージの多くの局面に深く関わるものであり、さまざまな分野で金融リテラシーが必要です。ここでは、金融庁の「最低限身に付けるべき金融リテラシー」を参考に、生きていくうえで必要な金融リテラシーを紹介します。

金融庁「最低限身に付けるべき金融リテラシー」

家計管理

家計のやりくりは、最も基本的な金融リテラシーの1つです。収入と支出のバランスを考え、毎月の家計を黒字にしていくことが家計管理の基本です。

赤字が続く家計を見直す場合、重要なのは支出の削減となります。無駄づかいをやめて節約を心がけるなど、お金を使う習慣を改善しましょう。また、保険のような固定費の見直しは、一度実行すると効果が持続します

このような知識が、家計管理の金融リテラシーです。

生活設計

住宅取得や子どもの進学費用、老後資金などライフイベントごとの必要資金を計画的に準備するには、金融リテラシーが欠かせません。

目的別に大きな金額の資金を並行して準備していくには、行き当たりばったりでは不可能だからです。目標を立てて計画的に準備していかなければ、必要な資金が不足したり計画外の借入をしなければならなかったりしてしまいます。

また、病気や失業などで計画通りに資金が準備できない可能性もあります。そのような場合に軌道修正するためにも、金融リテラシーは必要なスキルです。

金融商品を選ぶスキル

健全な資産形成やリスク管理のために、金融商品を選ぶスキルは非常に重要な金融リテラシーとなります。主な金融商品の選択に必要なスキルを紹介します。

保険商品 ・自分にとって保険でカバーすべきリスクが何かの理解
・リスクに対して必要な保障金額(補償金額)の理解
ローン・クレジット ・無理のない住宅ローンの設定
・借入後の不測の事態への備え
・クレジットカードやカードローンを計画的に利用する重要性の理解
資産形成商品 ・リスクとリターンの関係の理解
・分散投資によるリスク軽減効果の理解
・長期運用の効果の理解

外部の知見の適切な活用

自分だけで判断できないときに適切な情報ソースにあたったり、資格のある専門家に相談したりするのも時には必要です。金融分野は専門知識を要する場合もあり、基本的な金融リテラシーのある人でも判断が難しいケースも考えられます。困ったときに慌てず外部の知見を活用することは、大切な金融リテラシーの要素です。

まとめ

社会や経済の環境は目まぐるしく変化し、お金の情報も変わっていきます。お金に関する適切な判断をするには、変化に対応した金融リテラシーが必要です。金融リテラシーの必要性の高まりから、自治体による初心者向けのセミナーや勉強会なども開催されています。金融リテラシーを身に付けて、自分が思い描くライフプランを実現しましょう。



著者プロフィール

著者 松田 聡子

群馬FP事務所代表、CFP®、証券外務員二種、DCアドバイザー

国内生保に法人コンサルティング営業を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoやNISAでの資産運用や確定拠出年金を有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングを行っている。

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