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メタバースとは?
コインチェック役員が話題のメタバースに期待される役割や現状の課題について解説

2022/12/05

メタバースという言葉を耳にする機会が増えました。メタバースとはなんでしょうか。

メタバースとは、「インターネット上に構築された3次元の仮想空間」のことです。ユーザーは「アバター」を使用して、メタバース内を自由に散策できたり、着せ替えなどを楽しみながら他のユーザーと交流ができます。旧Facebookが、社名をMetaに変更したのも、このメタバースが由来になっています。

引用:メタバースとは?|Coincheck Column

最近よく話題に挙がるメタバースですが、実は過去にも流行したことがあります。特に有名なのが、2003年にリンデンラボが開発した「Second Life(セカンドライフ)」というゲームです。流行の絶頂期には、月間100万人以上のアクセスがあり、メタバース内の不動産が高騰するなど、最近のメタバースブームに負けない盛り上がりがありました。

「セカンドライフ」の頃と最近のメタバースブームに違いはあるのでしょうか

全体的に技術が進化している点が違います。デバイスがスマホからVRやARに移行し、通信速度も5G、ブロックチェーンやNFTの台頭などが挙げられます。進化は今後も続くと思われ、その合流地点がメタバースという位置づけです。

メタバースは次世代のSNSと言われており、メタバース上のお金が暗号資産やデジタル通貨、モノやサービスがNFTになると言われています。ただしこれまでのSNSのように1強ではなくブロックチェーンを使い複数のメタバースが相互に繋がっていくと言われています。

そのメタバース間でモノやお金を移動させる際に価値そのものを移転させることができる機能をもったブロックチェーンやNFTは相性が良いと言われています。

NFTとは、Non-Fungible Tokenの略称で、ブロックチェーン上で構築できる代替不可能なトークンのことです。メタバースと同様に、最近はよく話題になっています。

例えば、Aさんが持っている1,000円とBさんが持っている1,000円は同等の価値であり、交換することができる「代替可能」なものです。一方で、「代替不可能」とは「金メダル選手の直筆サイン入りTシャツ」のような一点物であることを意味しています。要するに、全く同じものが存在しないことを、ブロックチェーン上で証明できるようになったものがNFTなんですね。

引用:メタバースとは?|Coincheck Column

メタバース内の様々なアイテムや土地をNFT化することで、ユーザーの体験の質はとても高まります。特に、レアなアイテムを売買したり、土地を貸し出したりと、メタバース内での経済活動の幅は広がりますね。

メタバースと暗号資産の関係について教えてください。

メタバース内の基軸通貨として、暗号資産が使用されることが多いですね。例えば、代表的なメタバースゲームである「The Sandbox(サンドボックス)」では、「SAND」という暗号資産を使用して、アイテム売買や土地の貸し借りが行われます。日本では日本円、アメリカではドルが使用されるように、メタバース内ではそのネイティブトークンが使用されると言えますね。

また、多くのNFTがイーサリアムブロックチェーン上に構築されていることから、NFT売買にはイーサリアムを使用することが多いです。そのため、NFTやメタバースに注目が集まるタイミングでは、イーサリアムの価格に影響を与えることが多いです。先ほどにも例に挙げた、旧FacebookがMetaに社名を変更した際には、過去最高値である1ETH=約54万円をつけました。

(参考:イーサリアム(ETH)チャート)

私たち一般消費者が、メタバースに触れる場面、活用できる場はあるのでしょうか。

身近な所で言えば、メタバースを活用したゲームではないでしょうか。「The Sandbox」や「Decentraland(ディセントラランド)」など、有名なゲームは徐々にユーザー数を増やしています。「The Sandbox」や「Decentraland」では、メタバース上を探索したり、「LAND」と呼ばれるメタバース上の土地の上で創作活動を行うことができます。コインチェックが提供するNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」では、それぞれの「LAND」を取引することが可能です。

また、メタバースのビジネス活用も盛り上がっています。Metaからリリースされた「HorizonWorkrooms(ホライゾン・ワークルームス)」は、CGで作成された仮想空間上で会議やセミナーを開くことができるサービスです。コインチェックの役員会でも使用したことがあるのですが、従来のビデオ会議では実現できなかった「臨場感のあるコミュニケーション」が取れて、今後他の起業にも浸透していくことに期待を持ちました。

まずはエンターテインメントでの活用が主ですが、それ以外の分野にもメタバースは使用されていくでしょう。最終的には、現実世界と並列にある対等な生活空間として、浸透していくと考えています。



執筆者 天羽 健介

コインチェック株式会社 常務執行役員
大学卒業後、商社と株式会社リクルートを経て、2018年コインチェック株式会社入社。
日本の暗号資産交換業者初のNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」などの新規事業を創出。
2022年6月に同社の常務執行役員に就任。2021年にコインチェックテクノロジーズ株式会社の代表取締役に就任。
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)NFT部会長。

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