住宅購入後にかかる費用って?
6つの項目を押さえて事前に資金計画を立てておこう

住宅購入ではローンについて検討されますが、実際に住み始めてからも費用がかかります。毎月の住宅ローンの返済だけでなく住宅購入後の費用について考えると、家計が心配になることも多いでしょう。この記事では住宅購入後にかかる6つの費用と、資金計画を立てるポイントについて解説します。
住宅購入後にかかる6つの費用

住宅購入後にはローンの返済に加えて、税金や修繕費などさまざまな費用が必要です。まずは、住宅購入後にかかる6つの費用について解説します。
①不動産取得税
住宅購入後に1度だけかかる費用は、不動産取得税になります。不動産取得税の申告をしてから半年以内に納付書が届き、納める税金です。不動産取得税は課税標準額に税率をかけて算出します。
● 不動産取得税=課税標準額(固定資産税評価額)×税率(原則4%)
課税標準額は購入時の住宅価格ではなく、固定資産評価基準によって決定されるものです。不動産取得税の税率は原則4%ですが、2024年3月31日までは3%となります。購入した住宅の課税標準額を3,000万円とした場合、不動産取得税は90万円です。ただし、特例措置に該当する場合、住宅の課税標準と土地の税額は軽減されます。
②固定資産税
毎年1月1日の時点での土地や住宅の所有者に課せられる税金が固定資産税で、毎年かかる費用です。物件を購入した日付が年の途中であった場合、固定資産税を日割りで売主に支払います。
固定資産税の計算方法は、以下のとおりです。
● 固定資産税=課税標準額(固定資産評価額)×税率(1.4%)
固定資産評価額は3年に1度見直されるため、課税標準額は変動する可能性があります。新築で3年間(3階建て以上は5年間)は税額が半額となる特例措置があるため、その前後で大きく変動するため注意が必要です。
③都市計画税
住宅が市街化区域内に該当すると課税されるのが都市計画税で、毎年納税する必要があります。市街化区域外の場合、納税は不要です。市街化区域は、都市計画法によって定められた区域になります。物件のある地域の条例によっては市街化調整区域も都市計画税の対象となるため、納税が必要か確認しておきましょう。
都市計画税の計算方法は、以下のとおりです。
● 都市計画税=課税標準額(固定資産評価額)×税率(0.3%)
住宅の軽減措置はありませんが、一般住宅用土地では課税評価額が3分の2(小規模住宅用土地では3分の1)となります。
④火災保険と地震保険
住宅に関連する保険で毎年かかる費用は、火災保険や地震保険になります。住宅ローンを組む場合、火災保険への加入は必須です。地震保険は単体での加入ができないため、火災保険に付帯して契約します。地震保険への加入は任意ですが、必要性を十分に検討しておくことが大切です。
火災保険の保険料は、建物の構造(木造、コンクリート造)や耐火性能(火災への耐久性)、補償したい災害で異なります。火災保険では、水害や落雷、飛来物の衝突などにも備えられるため、自宅周辺の環境を考慮して必要な補償を選ぶことが大切です。
⑤修繕やリフォームの費用
持ち家では、内装や備え付け設備などの修繕やリフォームにかかる費用は自分で支払います。毎年かかる費用ではなく、5年や10年など一定期間ごとに必要となるものです。内装では壁紙やフローリング、仕切り扉などが汚損、劣化していると交換が必要になります。備え付け設備はキッチンや洗面所、浴室、エアコンなどです。
修繕やリフォームをする内装や設備によって、費用は異なります。修繕やリフォームではまとまったお金が必要になるため、事前に計画を立てておくことが大切です。
⑥住宅の種類別で購入後にかかる費用
戸建て住宅とマンションでは、購入後にかかる費用が異なります。住宅の種類別の特徴として知っておくことが大切です。
戸建て住宅
戸建て住宅は窓や玄関など、外部からの侵入経路が多いため、セキュリティ機器の設置や民間サービスを利用する費用が必要です。夜間に赤外線で反応する照明や簡易的な監視カメラであれば、自分で設置できます。自宅のインターネットと監視カメラを接続して、外出中に様子を確認できる機器を活用すると便利です。
窓ガラスを簡単に割られないよう、防犯ガラスにしたり防犯シートを張ったりする対策があります。警備会社のホームセキュリティであれば、遠隔での監視や緊急時に警備員が駆け付けるサービスを利用できて安心です。
マンション
マンションを購入した場合、管理費や修繕積立金、駐車場や駐輪場の費用が発生します。管理費はマンションのエントランスや廊下、ゴミ捨て場など、共用部分の掃除や管理に使われる費用です。修繕積立金は外壁や屋根、共用部分の修繕の際に必要となります。
管理費や修繕積立金は毎月支払う費用です。修繕積立金が不足している場合は一時金が必要となるため、管理組合などで積立て状況や修繕の計画を確認しておきましょう。
住宅購入後の資金計画を立てる

住宅購入後には毎月や毎年など定期的にかかる費用だけでなく一時的に必要なものもあるため、計画を立てることが大切です。ここからは、住宅購入後の資金計画を立てるポイントについて解説します。
毎年かかる費用を家計に含める
固定資産税と都市計画税、火災保険(地震保険)は毎年かかる費用のため、家計管理において毎月の積立てに含めておくと安心です。1年に1回の費用だったとしても、合計額が数10万円になることが多いため、直前になって準備するのは厳しい場合があります。
毎年かかる費用は住宅ローンを組む段階から返済額との合計で計算し、無理がない金額となるか検討しておくことが大切です。
一時的にかかる費用の準備をする
不動産取得税は住宅購入後の半年以内に納める必要があるため、購入前から費用として準備しておきましょう。頭金や住宅ローンの手続きなどにかかる費用と一緒に、物件価格を目安に不動産取得税を概算しておくと安心です。
修繕やリフォームなどで一時的にかかる費用は、一定年数ごとに必要となる金額を想定して計画しておきましょう。キッチンや洗面所、浴室などは一般的に、10年に1度は劣化による入れ替えが必要とされています。
住宅購入後にかかる費用を節約する
住宅ローン控除を活用すると年間の所得税が軽減されるため、控除された金額を他の税金や積立ての費用などに充てられます。また、利息の軽減や返済期間を短縮するためには、住宅ローンの繰り上げ返済が効果的です。新築の注文住宅の場合は、劣化しにくい上質な素材や耐久性の高い機器を選ぶと、修繕やリフォームにかかる費用を節約できます。
まとめ
住宅の購入後には税金や保険料、リフォームに向けた積立てなどで、毎年数10万円の費用が発生することがあります。住宅ローンの返済だけでなく、住んでいる期間で必要な費用を把握し、準備する計画を立てておくことが大切です。住宅購入後にかかる費用の金額、資金計画を立てるための参考にしてみてください。

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