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変動金利の特徴を理解しよう!
《住宅ローン》金利上昇リスクに備えるには?

2023/06/29
(提供元:CyberKnot

住宅ローンの変動金利はよく選ばれる方法ですが、金利上昇のリスクがあります。そのため、変動金利で本当に良いのか迷う人も多いでしょう。この記事では変動金利にするか迷っている人へ向けて、変動金利の特徴や金利上昇リスクへの備え方を紹介します。

住宅ローン変動金利の特徴

住宅ローン変動金利の特徴

住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンの変動金利を選択する人は全体の7割程度です。固定金利よりも圧倒的に選ばれていることが分かります。 それでは、変動金利にはどのようなメリットがあり、多くの人に選ばれているのでしょうか。固定金利との違いも含めて見ていきましょう。

出典:住宅ローン利用者の実態調査 (2022年10月調査)住宅金融支援機構

変動金利のメリット

変動金利の大きなメリットは、金利が低めに設定されていることです。
金利が低いため、固定金利に比べると返済総額を安く抑えられる傾向があります。返済総額を低く抑えられれば、返済期間を短くしたり毎月の返済額を少なくしたりできます。
このように金銭的負担を減らせることから、変動金利を選ぶ人も多いでしょう。
しかし金利上昇のリスクもあることから、安定的に返済したい人には固定金利が選ばれています。変動金利と固定金利の違いを見てみましょう。

変動金利・固定金利の違い

変動金利と固定金利の違いを分かりやすいよう一覧にしました。

  変動金利 固定金利
金利設定 低め 高め
金利の変動 変動する 変動しない
返済計画 立てにくい 立てやすい

変動金利は、市場動向に合わせて定期的に金利が見直されます。金利の変更に伴い返済総額が減ったり増えたりするため、返済計画が立てにくい面があるでしょう。
その一方で、固定金利は契約時から金利が変わりません。返済総額もそのまま変わらないため、計画的にコツコツ返済がしやすくおすすめです。ただし、変動金利に比べると金利設定が高く、返済総額が高くなりやすいのが特徴です。

変動金利で返済するリスクとは

変動金利で返済するリスクとは

多くの人に選ばれる変動金利ですが、定期的な金利の見直しがリスクにもなり得ます。金利の低さや返済総額の安さといった目先のメリットに気を取られていると、後から返済で苦労するかもしれません。変動金利のリスクを理解したうえで、適切に対処していくことが大切です。
ここでは、変動金利のリスクを紹介します。

金融政策の影響により金利上昇の可能性がある

今後の市場や経済の動向によって、金利が上昇する可能性があります。
2023年(令和4年)現在は大規模な金融緩和策(マイナス金利政策等)のもとで低金利の状況が続いておりますが、2022年12月の日本銀行の金融政策決定会合においてイールドカーブコントロール政策を修正(長期金利の許容変動幅が拡大された)ことにより、長期金利の水準が上昇しました。
足下では、経済・物価・金融情勢等を鑑み、当面は金融緩和の継続が妥当とし、イールドカーブコントロール政策の追加修正は見送られ、変動金利の水準は依然として低位な状況ですが、今後の政策修正には注視しておく必要があります。
もちろん金利動向について確実なことは言えませんが、将来的に金利が上がるリスクについては考えておくことが重要です。

125%ルールや5年ルールは元金が減りにくい

変動金利の「元利均等返済方式」では、125%ルールや5年ルールといったものがあります。125%ルールや5年ルールは、金利上昇によって月々の返済額が釣り上がるリスクに備えられます。
しかしその一方で、毎月返済しているのに元金がなかなか減らないという落とし穴があります。

そもそも1.25倍(または125%)ルール、5年ルールとは

まず5年ルールとは、金利が上がっても5年間は返済額が変わらない決まりです。変動金利は半年に1度金利を見直すのが一般的です。しかし5年ルールでは、金利が上昇した場合でも返済額をそのまま保ち、5年後にあらためて返済額を見直します。
1.25倍(または125%)ルールとは、金利が変動した場合でも返済額は1.25倍までしか上がらない決まりです。金利の見直しで利率が大きく上昇した場合、返済が困難になる可能性があります。そのため、返済額の上限を設けておくことで、返済に大きな狂いが出ないようにします。

利息を優先して支払うため元金が減りにくい

これら2つのルールで注意したいのは、「元利均等返済方式は利息を優先して支払う」という特徴です。1.25倍(または125%)ルールや5年ルールで月々の返済額を抑えた場合、元金の返済にあてられる額が少なくなってしまうのです。 元金を減らすことが早期返済に繋がるため、元金を優先的に返済していく「元金均等返済方式」も検討してみましょう。

金利上昇リスクに備えるコツ

金利上昇リスクに備えるコツ

金利が上がった場合は返済総額も高くなり、住宅ローン返済に悩まされるかもしれません。そこで大切になってくるのが、金利上昇のリスクに備えておくことです。ここでは、変動金利の金利上昇に備える方法を紹介します。

借り入れ額はできる限り少なくする

住宅ローンの借り入れ額は、できる限り少なくするのがおすすめです。借り入れ額が多いほど、金利が上がったときに返済総額増加の影響を受けやすくなります。
上限額いっぱいまで借りるのではなく、できる限り余裕をもたせた金額を借りましょう。そのためには、頭金をしっかりと貯蓄してからマイホームを購入するのが理想的です。

繰上返済で元金を減らす

金利は元金に対してかかるため、繰上返済をして元金を減らしていきましょう。年収アップにあわせて月々の返済額を増やしたり、ボーナス時は多めに返済したりする方法があります。
なお、変動金利には「元金均等返済方式」と「元利均等返済方式」があります。元金を優先的に減らしていくには、元金均等返済方式を選びましょう。ただし、元金均等返済方式は借入当初の支払負担が大きくなりやすいため、しっかりと資金準備をしておくことが大切です。

返済額の増加に備えて貯蓄する

いざ金利が上昇し、返済額が増えても対処できるよう貯蓄しておきましょう。 貯蓄にはさまざまな方法がありますが、積立貯金であれば無理なくコツコツ貯めていけます。積立貯金は指定の普通預金口座から、積立口座へ毎月定額を入金する方法です。自動で積み立てるため、「貯金するのを忘れた」「貯金する額が余らなかった」という理由で貯金できなくなることを防ぎます。 金利上昇に備えて十分に貯蓄しておけば、いざというときも生活費から切り崩す必要がなく安心です。

変動金利・固定金利それぞれの向いている人

変動金利・固定金利それぞれの向いている人

ここまで変動金利のリスクや金利上昇に備えるコツを読み、自分にはどちらが向いているのかまだ悩んでいる人もいるでしょう。変動金利と固定金利の特徴を踏まえたうえで、それぞれに向いている人を紹介するので参考にしてみてください。

変動金利に向いている人

変動金利に向いているのは、次のような人です。

  • 借り入れ額が少ない人
  • 返済期間が短い人
  • 繰上返済を利用し、早く返済したい人
  • 共働きなど収入にある程度余裕がある人

変動金利を検討する際に大切なのが、「金利上昇に対応できるか」「金利上昇のリスクをいかに抑えられるか」という2点です。
借り入れ額が少ない人や返済期間が短い人は、金利上昇のリスクが弱まります。また、繰上返済を活用しながら早めに返済できれば、変動金利における低金利のメリットを享受しやすくなります。

固定金利に向いている人

固定金利に向いているのは、次のような人です。

  • 借り入れ額が多い人
  • 毎月同じ額をコツコツ返済したい人
  • 金利変動について心配したくない人
  • お金のやりくりを考えるのが苦手な人

お金の管理・やりくりが苦手であまり考えたくない場合は、固定金利が向いています。変動金利のように金利動向を気にしたり、返済総額が変わるたびに資金計画を考え直したりする必要がありません。 また、途中で返済総額が上がると支払いが困難になる場合も、固定金利を検討してみてください。

まとめ

変動金利はもとの金利設定が低く、返済額を抑えやすいのが特徴です。しかし定期的に金利を見直すため、将来的に返済額が増えるリスクもあります。そのため、コツコツ計画的に返済したい人や、金利上昇への不安を抱えたくない人は固定金利を選びましょう。



著者プロフィール

著者 澤田 真里奈

2級FP技能士

地方銀行へ入社し、貯金・ローンなど金融商品の販売に従事。 その後、不動産業界へ転職して社会保険や労務管理を担当しながらFP資格を取得。自身の経験から“お金を無駄にしないための”アドバイスをおこなう。

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