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リフォームのタイミングはいつ?
築年数・部位・目的別に紹介!

2023/08/24

リフォームのタイミングがわからず、「とりあえず修理が必要になったらリフォームしよう」と考えている方は多いのではないでしょうか。建物や設備には寿命があるため、まだ使えると思っていても老朽化している場合があります。リフォームのベストタイミングはいつなのか、築年数・部位・目的別に解説します。

リフォームはタイミングが重要

リフォームはタイミングが重要

家は新築してから時間が経つほど老朽化が進行します。老朽化していくスピードは部位によって違うため、適切なタイミングでリフォームをおこなうことが重要です。老朽化が深刻になる前に手を打てば、最小限のリフォームによって家を長持ちさせることができます。不具合や故障によるストレスがなくなるため、生活の質もアップするでしょう。

反対にリフォームのタイミングを逃すと修復が困難になり、リフォームも大がかりになっていきます。工事費用が高額になったり、住みながらのリフォームができなくなったりして、希望通りに進めることができません。コストを抑えて快適に暮らすためには、築年数・部位・目的に応じた定期的なリフォームが不可欠です。

築年数から考えるリフォームのタイミング

築年数から考えるリフォームのタイミング

不具合や故障が発生するたびにリフォームする方法は、何回も工事することになってしまい効率が悪いです。築年数ごとに計画的なリフォームをおこなえば、家の負担を減らし費用も圧縮できます。次の項目からは、築年数から考えるリフォームのタイミングについて解説します。

築5~10年のタイミングで必要なリフォーム

築5〜10年のタイミングは新築から時間が経っておらず、実際にまだ使えるものが多いです。しかし老朽化は少しずつ進行しているため、気になる部分だけでも小規模なリフォームやメンテナンスを施すと後々家が長持ちします。

たとえば内装や外壁は、破損や汚れが少し目につくようになるタイミングです。小型給湯器やシャワーヘッド、レンジフード、ビルトイン食洗機などの設備に不具合が出てくる可能性があります。必要に応じて内装の張り替えや、設備の買い替えを検討しましょう。

木造住宅の場合は、シロアリ防除を考えるべきタイミングです。シロアリ防除は5〜8年で切れるため、築5〜10年のタイミングで再処理が必要になります。

築10~15年のタイミングで必要なリフォーム

築10〜15年のタイミングでは、浴室・トイレ・洗面化粧台・キッチンなどの水回り設備を中心に不具合や故障が増えます。水回り設備の老朽化スピードが速いのは、使用頻度が高く、湿気にさらされているためです。

水回り設備を交換する場合は、周辺の壁紙やクッションフロアなど内装の張り替えも検討すると良いでしょう。古い設備とともに内装の一部も撤去しなければならない場合があるため、同時におこなえば手間が省け、費用もまとめることができます。

他にもビルトインガスコンロ、IHクッキングヒーター、ガス給湯器、エコキュート、太陽光発電システムのパワーコンディショナーなども買い替えが必要になる時期です。雨風にさらされている外壁や屋根も、築10年前後で塗り替え時期を迎えます。

築15~20年のタイミングで必要なリフォーム

築15〜20年経つと、給排水管や基礎部分など建物の見えない部分が劣化します。木造住宅の場合は、老朽化によるシロアリ被害も懸念されます。システムキッチンやユニットバスなどの主要な水回り設備も劣化してくる時期です。

システムキッチンやユニットバスはまるごと新しいものに交換するため、リフォームは大がかりなものになります。同時に内装の張り替えも検討すると、効率性がアップするでしょう。築15〜20年は大規模なリフォームを検討すべき一つの節目といえます。

天井に雨漏りのシミがないかも日ごろからチェックしておきましょう。築15年~20年経過すると屋根の劣化も進んでいる可能性が高くなります。少しでも長持ちさせるために、築20年を迎える前から定期的にメンテナンスしておくと安心です。

築20年のタイミングでリフォームする場合は、工事の前に住宅診断をしておくのがおすすめです。専門家に診断してもらえるため、家の状態を正しく把握することができます。不具合や劣化を洗い出して、適切なメンテナンスにつなげましょう。

築20~30年のタイミングで必要なリフォーム

築20〜30年は増改築レベルの大規模なリフォームを検討するタイミングです。住宅の耐用年数は30年程度といわれています。さらに新築から20〜30年経つと、居住者のライフスタイルが変化していることが多いです。現状の暮らしに合わせるために、間取り変更を伴うリフォームを検討する方も少なくありません。

大規模なリフォームをおこなわない場合も、設備の買い替えや外壁、窓、屋根の塗り替えや葺き替えなどが必要です。ガス給湯器やエコキュートは前回の買い替えから10年程度経過していれば、次の交換の時期を迎えます。シロアリ防除の再処理についても、5〜10年の定期的なサイクルでおこないましょう。

部位から考えるリフォームのタイミング

部位から考えるリフォームのタイミング

部位別のリフォームのタイミングの目安は、以下の通りです。

部位 リフォームのタイミングの目安
キッチン レンジフード・ビルトイン食洗機…約10~15年
ビルトインガスコンロ・IHクッキングヒーター…約10~15年
システムキッチン本体…約15~20年
お風呂・洗面 ガス給湯器、エコキュート…約10~15年
洗面化粧台…約10~15年
システムバス本体…約15~20年
トイレ シャワートイレ…約5~8年
トイレ本体…約10~15年
内装 フロアタイル・クッションフロア・畳…約6~10年
壁・天井クロス…約10~15年
フローリング…約15~20年
外壁・屋根 8~15年

次の項目からは、部位別のリフォームのタイミングの目安について詳しく解説します。

キッチンリフォーム

キッチンは10年前後で何らかの不具合が起きていることが多いです。とくに故障が見られなくても、10年〜15年周期で点検をおこない、リフォームを検討することが大切です。

キッチンのレンジフードやビルトイン食洗機は、8〜11年前後でリフォーム時期を迎えます。レンジフードの吸引力低下やビルトイン食洗機の水漏れは、寿命が近づいているサインです。

10〜15年前後でビルトインガスコンロ・IHクッキングヒーター、15〜20年前後でシステムキッチン本体の寿命が迫ってきます。水漏れや腐敗といった現象が見られる場合は、早めの段階でのリフォームをおすすめします。

お風呂・洗面リフォーム

浴室のリフォームのタイミングは、15〜20年前後が目安です。高温多湿な環境の浴室は一見綺麗でも、見えないところで劣化している可能性があります。とくにタイル張りの浴室は、ひび割れから水が浸み込みやすいため注意が必要です。構造体まで腐食が広がると、家全体を傷めてしまいます。

ガス給湯器、エコキュート、洗面化粧台は10〜15年経つと、不具合や劣化が目立つようになります。ガス給湯器やエコキュートは、お湯が出るのに時間がかかったり、温度が不安定になったりするのが不具合の兆候です。洗面化粧台は劣化により水漏れや陶器の割れなどの症状が見られるようになります。

トイレリフォーム

トイレ本体の交換目安は、10〜15年前後です。陶器の便器は長い間使い続けられますが、シャワートイレなどの部品が故障した場合や、便器が割れてしまった場合はリフォームが欠かせません。快適性を向上するために、汚れやニオイが気になるトイレを新しい製品に交換するケースもあります。

シャワートイレの寿命は5〜8年程度で、トイレ本体よりも早く交換の時期を迎えます。シャワートイレが温まりにくい場合や、リモコンの反応が悪い現象は故障のサインです。

トイレ本体の便器が割れてしまった場合は、水漏れやケガの危険性があるため、早急に修理を依頼しましょう。また、しつこい汚れやニオイが気になってきたら、買い替えの検討時期に差し掛かっています。

内装リフォーム

内装のリフォームは汚れが気になったタイミングでおこなうと良いです。フロアタイルやクッションフロアなどの床材は、6〜10年前後で変色や凹み、きしみなどが出る場合があります。湿気にさらされている水回りの床材は、とくに劣化スピードが速いためこまめな点検が必要です。

壁紙やクロスのリフォーム時期の目安は、10〜15年前後です。ただ、新築の家は木材の歪みによってクロスに隙間が発生することがあります。木材や壁紙が伸縮する自然現象のため、隙間ができても欠陥はありません。見た目を綺麗にしたいという場合は、早めの段階で壁紙やクロスを張り替えることもあります。

外壁・屋根リフォーム

外壁や屋根は10年前後で塗り替えるのが理想的です。外壁素材に窯業系や金属系サイディングを使っている場合は、窓周りや目地などのコーキング劣化が出てくるため、打ち直しが必要になります。

外壁や屋根をリフォームせずに放っておくと、建物の構造材に水が入り込んでしまう恐れがあります。そうなると大規模な修繕をしなければならず、経済的な負担も大きいです。

外壁や屋根が劣化しているサインは、色あせやひび割れなどです。劣化サインが見られてからリフォームを検討しても、すでに手遅れになっていることがあります。10〜15年周期で塗り直しをおこなえば、防水機能を維持できるでしょう。

目的から考えるリフォームのタイミング

目的から考えるリフォームのタイミング

国土交通省の「令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、リフォームの動機としてもっとも多いのは「住宅がいたんだり汚れたりしていた」でしたが、リフォームをおこなう理由は家の老朽化だけではありません。「家族や自分の老後に備えるため」や「子どもの成長に備えるため」といった回答も見られます。次の項目では、目的から考えるリフォームのタイミングについて解説します。

快適に暮らすためのリフォーム

「令和3年度住宅市場動向調査報告書」のリフォームの動機を見ると、「家を長持ちさせるため」という回答が27.5%を占め2番目に多いです。さらに「不満はなかったが良い住宅にしたかった」という回答は12.6%を占めています。自分好みの家にしたい、長く快適に暮らしたいというニーズは少なくありません。

床暖房の設置や、和室から洋室に変更するリフォームは、快適に暮らすためのリフォームの代表例です。他にもシステムキッチンやオール電化の導入なども人気を集めています。家の快適性を向上させるリフォームは、10年後、20年後を見据えた長期的な目線が必要です。

老後に備えるリフォーム

老後に備えて家をバリアフリー仕様にするリフォームです。高齢になったときに、事故を防止したり家族の介護負担を軽減したりする効果があります。たとえば事故防止のためのバリアフリー工事は、転倒防止目的の手すり設置や段差解消、ヒートショック防止のための断熱材や床暖房設置などが挙げられます。

老後に備えるリフォームを考えるタイミングは、子どもが独立した直後の50代頃がおすすめです。高齢になってからのリフォームは負担がかかるうえ、慣れるまで時間がかかることが多いです。まだ気力と体力があるうちに考えておくと、後々の負担を減らすことができるでしょう。キッチン・お風呂・洗面・トイレなど水回りのリフォームと同時に、バリアフリーリフォームをおこなう方法もあります。

子どもの成長に備えるリフォーム

子どもの成長に備えるためにリフォームをする方も多いです。子どもが生まれる前のタイミングでリフォームをおこなっておけば、子育てにスムーズに移行できます。

子どもが小さいうちは、親の目が行き届く空間づくりがポイントになります。片づけしやすい収納や家族が目を配れる動線は、とくに重要です。その後も小学校入学など成長の過程に応じて、子ども部屋の使い方は変化します。思春期になると、兄弟で部屋を分けるなどレイアウトの変更なども発生するでしょう。

家族の人数変化に対応するリフォーム

家族の人数変化がきっかけで、リフォームをおこなう場合もあります。子どもの独立など、同居する家族が減った場合は部屋が空いてしまいます。子ども部屋を有効活用するために、趣味部屋やゲストルームなどに変更するのも手です。

使わなくなった部屋を撤去したり、2階建てを平屋に変更したりする減築リフォームも選択肢の一つです。大がかりな工事ですが、床面積を減らすことで維持管理や水光熱費の負担が軽くなります。庭を広げて緑を増やし、豊かに暮らすこともできるでしょう。

リフォームの流れ

リフォームの流れ

家のリフォームを実施するときは、以下の流れで進めます。

  • リフォーム会社選び
  • 現地調査・見積もり
  • リフォームローン
  • 工事請負契約
  • リフォーム工事
  • 工事代金支払い
  • 登記

次の項目からは、流れごとに手続きの内容を詳しく解説します。

リフォーム会社選び

リフォームしたい内容が決まったら、リフォーム会社選びから始めます。リフォームを手掛ける会社の種類は、工務店、リフォーム専門会社、ハウスメーカーの系列会社などさまざまです。リフォーム会社ごとに得意分野が異なります。たとえばデザインが得意な会社もあれば、価格の安さを売りにしている会社もあります。自分の希望条件にマッチした会社を選びましょう。

そして何よりも、信頼できる会社に依頼することが肝心です。施工体制や保有資格などは、必ずチェックしておきたいポイントです。パンフレットやホームページなどを見て、建設業許可番号や一級建築士がいるかどうか確認しましょう。やりとりをする営業担当者の知識や人柄なども重要です。

現地調査・見積もり

気になるリフォーム会社が見つかったら、現地調査・見積もりを依頼します。最初から1社に絞り込まず、2〜3社に依頼して比較すると良いです。

現地調査当日はリフォーム会社の担当者が家に来て、家の現状を見てもらいます。現地調査での主な作業は部屋や設備の採寸です。そしてどのようなリフォームを希望しているのか、ヒアリングを受けます。2〜3社に依頼する場合は、別々の時間帯で来てもらいましょう。現地調査での内容を踏まえて見積書を作成してもらいます。

リフォームローン

リフォームローンとは、リフォーム工事のための資金を金融機関から借り入れるローンです。リフォームローンを利用して資金を確保する場合は、工事請負契約を結ぶ前に金融機関と融資契約を結ぶ必要があります。

リフォームローンも住宅ローンと同じように、仮審査・本審査を経て融資契約を結ぶ流れです。仮審査は郵送やインターネットで申し込みができます。仮審査に通ったら、本審査で正式な審査がおこなわれ、本審査通過後に金融機関と融資契約を結びます。

リフォームローンには抵当権が設定される有担保ローンと、担保を必要としない無担保ローンの2種類があります。無担保ローンのほうが審査に時間がかからず申し込み手続きが簡単です。ただ借入限度額が低めに設定されていて、融資期間が短い点や金利が高い点に注意しなければなりません。

工事請負契約

リフォームを依頼する会社とプランを詰めて最終的な金額が確定したタイミングで、工事請負契約を結びます。契約時点のプランに基づいて工事費用が決まるため、変更すると追加費用がかかる可能性が高いです。

必ず契約締結前に、契約書と見積書を照らし合わせて相違点がないか確認しましょう。金額が「一式」で表示されている場合は、仕上表やカタログ契約書などのチェックも欠かせません。契約書とあわせて目を通しておきたいのが、契約約款です。引き渡しが遅れた場合の補償など、トラブルを防ぐための重要な取り決めが示されています。

リフォーム工事

リフォーム工事を始める前に、近隣住民の方に挨拶しておきましょう。一戸建て住宅の場合は隣接する家にリフォームすることを伝えます。

大がかりなリフォームをおこなう場合は、居住者が住みながら工事を進めるのが難しいため、工事期間中に仮住まいへの引っ越しも必要です。仮住まいの手配も早めに済ませておくと、スムーズにリフォーム工事を始められます。

工事代金支払い

工事が終わって引き渡しが完了したら、工事代金を支払います。基本的には引き渡し後の一括払いが多いですが、2回・3回の分割払いになるケースも少なくありません。2回払いは契約時の着手金と引き渡し後の残金、3回払いは着手金・中間金・残金に分かれていることが多いです。

リフォームローンを利用する場合は、引き渡し後に融資実行となります。融資方法は契約者の口座に振り込まれる方法とリフォーム会社に直接振り込まれる方法の2種類です。

登記

基本的にはリフォームをおこなっても、登記は不要です。しかし一部のケースでは登記が必要になることがあります。

登記が必要なのは、建物の面積や用途が変わり、登記事項の表題部に変更が発生したリフォームです。たとえば増築や減築などで建物の面積が変わった場合や用途が居宅から店舗に変わった場合は、1か月以内に登記しなければなりません。登記申請を怠ると罰則があるため、注意しましょう。

まとめ

リフォームのタイミングを見極める際は、築年数や部位ごとのリフォーム時期を参考にしてみてください。計画的なリフォームをおこなえば、家の老朽化を防ぎつつ、コストも抑えることができます。

伊予銀行では、マイホームのリフォームを予定されている方向けに「まるごとリフォームローン」をご用意しております。また、大がかりなリフォーム(リノベーション)を予定している場合にリフォーム会社選びでお困りの方は、「住まいに関する相談所」にお任せください。中立的な立場でリフォーム会社を紹介できます。


住まいに関する相談所

著者プロフィール

監修 岩納 年成

一級建築士

大手ゼネコンや大手ハウスメーカーを経て、木造の高級注文住宅を主とするビルダーを設立。土地の目利きや打合せ、プランニング、資金計画、詳細設計、工事統括監理など完成まで一貫した品質管理を遂行し、住まいづくりの経験は20年以上。法人の技術顧問アドバイザーとしても活動しながら、個人の住まいコンサルテイングサービスも行っている。

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