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NISAとiDeCoの違いとは?
メリットや注意点を比較してわかりやすく解説

2025/07/17
(提供元:Mattrz
NISAとiDeCoの違いとは?メリットや注意点を比較してわかりやすく解説

「NISAとiDeCoはどう違うの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。将来の資産形成に役立つNISAとiDeCoは、どちらも税制優遇のメリットがありますが、目的や使い方は大きく異なります。今回はNISAとiDeCoの違いや選び方のヒントを、初心者の方にもわかりやすく解説します。

NISAとiDeCo、制度の基本

NISAとiDeCo、制度の基本

NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)は、どちらも国が推奨する「資産形成を支援する制度」です。将来に向けてお金を増やすために使える仕組みで、特に税制面での優遇が大きな魅力といえます。
NISAやiDeCoは少額からスタートできるうえに、制度内容も比較的シンプルです。しかし、2つの制度は似ているようで大きな違いも存在するため、選び方には少しコツが必要です。
それぞれがどのような制度なのかを、比較しながら解説していきます。

NISAは投資の運用益が非課税になる制度

「少額投資非課税制度」であるNISAを簡単にいうと、投資で得た利益に税金がかからない制度です。通常、株式や投資信託で得た利益には、20.315%の税金がかかります。しかし、NISAを活用すれば税金がかからず、効率的な資産運用が可能です。
具体的には、毎年決まった上限額の範囲内で株や投資信託などに投資し、その利益が非課税となります。NISAは、投資初心者にとっても始めやすい制度です。

iDeCoは公的年金の上乗せ制度

「個人型確定拠出年金」と呼ばれるiDeCoは、公的年金に自分で上乗せできる、私的年金の制度です。毎月、自分で決めた金額を積み立てて、60歳以降に年金や一時金として受け取ります。
最大の特徴は、掛金が原則として全額、所得控除の対象になる点です。さらに、運用益も非課税で、受け取るときにも一定額までは退職所得控除・公的年金等控除が適用されるなど、非常に大きな節税メリットがあります。

表で比較!NISAとiDeCoの違いと共通点

表で比較!NISAとiDeCoの違いと共通点

NISAとiDeCoの主な違いと共通点を、項目ごとに比較していきます。以下の表で、それぞれの目的や使い方をより明確にしてみましょう。

NISAとiDeCoの違い
NISA iDeCo
目的 資産形成全般
(投資の普及を促す)
老後資金の準備
対象年齢 18歳以上 原則20歳以上65歳未満
税制優遇 運用益が非課税 運用益が非課税
掛金の全額が所得控除
受け取り時にも控除適用
資金の流動性 いつでも売却・出金が可能 原則60歳まで引き出し不可(例外を除く)
運用できる商品 株式・投資信託など 投資信託・定期預金・保険商品など
掛金上限 年間360万円
(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)
年間24万円~81.6万円
(職業や企業年金の有無などの条件により異なる)

「目的」に明確な違いがある

資産形成の心強い味方となるNISAとiDeCoですが、最終的な目的には根本的な違いがあります。

投資の普及を促すためのNISA

NISAの目的は、国民の安定的な資産形成を支援することです。老後資金に限らず、教育資金や住宅購入資金など、幅広い目的に使える柔軟な制度であり、自由度の高い資産形成を目指せます。

老後のための資金形成に特化したiDeCo

一方、iDeCoは「老後資金の準備」を目的とした制度です。60歳まで引き出せないという制約はあるものの、所得控除を受けながら長期的に積み立てていけば、老後に備えた確実な資産形成を実現できます。

共通点は「運用益が非課税」であること

NISAとiDeCo、どちらの制度にも共通する最大のメリットは「運用益が非課税になる」点です。通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、NISAやiDeCoではその税金が非課税となり、利益がそのまま手元に残ります。
例えば、10万円の利益が出た場合、通常なら約2万円が税金として引かれますが、NISAやiDeCoを使えば、この10万円全額を自分の資産として受け取れます。

iDeCoは資産の流動性に注意

iDeCoには、「加入すると原則60歳まで引き出せない」という特徴があります。たとえ急にお金が必要になっても、途中解約はできません。この流動性の低さは、若年層やライフイベントを控えた方にとっては大きな制約となる可能性があります。加入前にしっかり確認しましょう。

NISAとiDeCoで投資を始める!どちらを選ぶ?

NISAとiDeCoで投資を始める!どちらを選ぶ?

ここでは、「NISAとiDeCo、どちらを選べばいいの?」という疑問を持つ方に向けて、ライフステージや資産形成の目的に応じた選び方を紹介します。

NISAとiDeCoで投資を始める!どちらを選ぶ?

ライフイベントが控えている場合

20~30代の方で、結婚・出産・住宅購入といったライフイベントが今後ある方には、NISAの方が向いています。必要なときに自由に資金を引き出せるため、柔軟なお金の使い方ができます。
また、子どもの教育資金の準備にもNISAは便利です。10~15年といった中期的な運用に適しており、目的が明確であれば着実に備えられます。

まとまった資金を運用したい場合

「ボーナスなどでまとまったお金を投資に回したい」という方にも、NISAはおすすめです。年間最大360万円までの投資が非課税対象となるため、より効率的に資産を運用できます。
つみたて投資枠と成長投資枠の使い分けによって、ライフスタイルや目的に合わせた資産形成がしやすい点も魅力です。

老後資金の準備を本格的に始める場合

40代以降の方や、「老後のために確実に準備をしたい」と考えている方は、iDeCoへの加入が最適です。節税メリットを最大限活かしながら、計画的に資産形成に取り組めます。
特に、厚生年金がない個人事業主やフリーランスの方にとって、iDeCoは公的年金を補完する手段として非常に有効です。
資金を途中で使えないことは不便にも感じられますが、視点を変えれば老後まで確実に資金を確保できる安心感にもつながります。

NISAとiDeCoは併用可能

NISAとiDeCoは併用も可能です。それぞれの制度の特徴を活かせば、「中期の資産形成(NISA)」と「老後資金の準備(iDeCo)」という2つの目的を同時に叶えられます。
例えば、まずはNISAから始めて投資に慣れ、資産運用の経験を積んだうえでiDeCoに取り組む、というステップもおすすめです。段階的に制度を取り入れると、賢く将来に備えられます。
ただし、それぞれの制度には異なる条件や制限もあるため、注意点をしっかり確認しながら併用していきましょう。

まとめ

ライフステージに合った制度の選び方を知ることが、後悔のない資産形成につながります。どちらを選ぶか迷った場合は、まずは柔軟性の高いNISAから始め、慣れてきたらiDeCoとの併用もおすすめです。2つの制度の違いを理解し、自分の目的やライフプランに応じた制度で、無理なく資産形成を始めてみましょう。



著者プロフィール

著者 青山 和絵

2級FP技能士

12年間の医療事務勤務を経てフリーライターとして活動。資産形成や家計管理をテーマに、専門用語をかみ砕いたわかりやすい金融記事を執筆。NISAとiDeCoを活用した資産運用経験は7年目。整理収納アドバイザーとしての知見も活かし「お金と暮らしを整え、心にゆとりを生み出す」情報を発信している。

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