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老後の一人暮らしにかかる生活費を解説!
支出の平均と必要な資金の目安はいくら?

2023/10/24
(提供元:CyberKnot

老後を一人で過ごす予定の人は誰にも気兼ねなく暮らせる反面、お金の不安もあるのではないでしょうか。お金の不安を解消するには、早めに老後の必要資金を把握し、準備を始めることが大切です。今回は、老後の一人暮らしにかかる平均的な生活費や、準備すべき資金の目標について解説します。

老後の一人暮らしにかかる生活費はいくら?

老後の一人暮らしにかかる生活費はいくら?

シニア世代が一人で生活する場合に、生活費はいくらかかるのでしょうか。公的なデータから平均的な金額を紹介します。

老後に一人暮らしをする人の支出の平均

総務省の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上で無職の一人暮らし世帯の月あたりの支出は、以下のとおりです。

65歳以上で無職の一人暮らし世帯の月あたりの支出

● 消費支出:14万3,139円

● 非消費支出(税金や社会保険料):1万2,356円

● 合計:15万5,495円

老後に一人暮らしをする人の支出の平均

先述の月あたりの消費支出(生活費)の内訳は、以下のとおりです。

老後に一人暮らしをする人の生活費の内訳

● 食費:3万7,385円

● 住居費:1万2,746円

● 水道光熱費:1万4,704円

● 家具・家事用品費:5,956円

● 被服費:3,150円

● 保健医療費:8,128円

● 交通費・通信費:1万4,625円

● 教養娯楽費:1万4,473円

● 諸雑費:1万3,595円

● 交際費:1万7,893円

● 仕送り金:341円


65歳以上一人暮らしの持ち家率は?

住居費は、持ち家か賃貸かによって大きく異なります。内閣府「2021年(令和3年)版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らし高齢者の持ち家率は66.2%です。賃貸住宅で生活する場合、平均的なデータより住居費がかかることを想定しておきましょう。

老後の一人暮らしに向けて必要な資金の目安は?

老後の一人暮らしに向けて必要な資金の目安は?

ここからは、将来のために準備すべき資金額の求め方を解説します。

老齢年金の平均受給額は?

老後の主な収入源である公的年金の毎月の平均受給額を、厚生労働省の2021年(令和3年)度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」から紹介します。詳しい金額を見積もるには、ねんきん定期便やねんきんネットを活用してください。

老齢厚生年金の平均年金月額

現役時代に会社員・公務員だった人の年金額を見ていきます。65歳以上の老齢厚生年金受給者の平均年金月額(男女別)は、以下のとおりです。なお、年金額には国民年金(老齢基礎年金)分も含まれています。

老齢厚生年金の平均年金月額

● 男性:16万9,006円

● 女性:10万9,261円

厚生年金の受給額は現役時代の収入によって決まるため、男女で大きく差がついたと考えられます。

国民年金の平均年金月額

現役時代に個人事業主や農業だった人の年金額を紹介します。老齢基礎年金の平均年金月額(男女別)は、以下のとおりです。

国民年金の平均年金月額

● 男性:5万9,013円

● 女性:5万4,346円

国民年金の受給額は保険料の納付月数によって決まるため、年金額に大きな男女差はありません。いずれにしても、老齢基礎年金だけで老後の生活をまかなうのは難しいといえます。

老後の一人暮らしの家計収支は?

これまでの内容を踏まえ、老後の一人暮らしの家計収支を見積もってみましょう。それぞれの年金の受給額から平均支出の15万5,495円を差し引いて、収支を確認します。
たとえば、厚生年金に加入していた男性であれば、収支はプラス1万3,511円(16万9,006円-15万5,495円)です。年金の種類と男女別の収支は以下のようになります(▲はマイナスを表します)。

  男性 女性
厚生年金+国民年金 1万3,511円 ▲4万6,234円
国民年金 ▲9万6,482円 ▲10万1,149円

厚生年金に加入していた男性以外は、老後の収支が赤字だとわかります。実際の収支は現在の家計などから、現実的な数字を求めましょう。

老後の収支には物価の上昇を想定する

老後の家計の収支を見積もる場合、想定したいことに物価の上昇があります。総務省の「2020年基準消費者物価指数 全国 最新分」によると、総合指数は前年同月比3.3%の上昇でした。2022年(令和4年)7月から毎月、前年同月比で2.6%から4.3%の上昇が続く状況です。将来の収支を考える場合、物価の上昇を加味し、厳しめの見通しを立てたほうがよいでしょう。

老後の一人暮らしに必要な貯蓄額

老後の一人暮らしのために準備する資金の額は、毎月の家計収支の赤字分と一時的な支出の合計から準備済み資金と退職金を差し引いて求めます。毎月の家計の赤字分は平均寿命の伸びを考慮し、30年分で計算するとよいでしょう。
老後の一時的な支出には、以下のようなものが考えられます。

老後の一時的な支出

● 住宅ローンの繰り上げ返済

● 住宅のリフォーム

● 自動車の買い替え

● 入院費

● 高齢者施設への入居費用

● 趣味や旅行


老後の一人暮らしのために準備する資金の額の計算例

具体的な老後資金の目標額の計算例を見てみましょう。前提条件は以下のとおりです。

前提条件

● 老後の毎月の赤字額:5万円(30年分1,800万円)

● 退職金:1,000万円

● 現在の貯蓄:500万円

● 住宅のリフォーム費:100万円

● 老人ホームの入居費:200万円


老後のために準備する目標額:(1,800万円+100万円+200万円)-(1,000万円+500万円)= 600万円

この例では、リタイアまでに600万円の準備が必要とわかりました。

老後に向けた資金準備の方法

老後に向けた資金準備の方法

現役時代の限られた収入から老後資金を準備する場合、預貯金だけでまとまった金額を準備するのは大変です。無理のない範囲で投資を取り入れると、効率のよい資産形成が期待できます。ここでは、投資で老後資金準備を支援する制度を紹介します。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、公的年金に上乗せできる任意加入の年金制度です。加入者が支払う掛金を自分で運用し、60歳以降に受け取ります。iDeCoの加入者は、以下の3つの税制優遇を受けられます。

iDeCoの税制優遇

● 掛金拠出時:掛金全額が所得控除の対象になる

● 運用中:運用益に課税されない

● 受け取り時:年金・一時金いずれの場合も所得控除の対象になる


掛金が全額所得控除になるメリットについて

3つの税制優遇のうち特に有利なのが、掛金が全額所得控除の対象になる点です。たとえば、年収500万円の会社員が毎月2万円ずつiDeCoで積み立てると、1年間に所得税・住民税が4万8,000円も軽減されます(国民年金基金連合会「かんたん税制優遇シミュレーション」より)。運用成績は確定ではありませんが、所得控除は必ず受けられます。iDeCoは節税しながら老後資金を準備できる制度というわけです。
ただし、資金の引き出しは60歳までできません。家計を見直し、無理のない掛金で積み立てるとよいでしょう。

NISA(少額投資非課税制度)

NISAは投資で得られた利益が非課税になる、個人の資産形成を支援する制度です。NISAは2024年(令和6年)に抜本的に拡充され、老後資金の準備にいっそう使いやすい制度になります。
新しいNISAの主なポイントは、以下のとおりです。

新しいNISAの主なポイント

● 制度が恒久化され、非課税期間も無期限化

● つみたて投資枠(旧つみたてNISA)と成長投資枠(旧一般NISA)の併用が可能

● 年間投資枠の大幅な引き上げ(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円・合計360万円)

● 非課税保有限度枠1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)が新設され、売約後の非課税枠の再利用が可能に

NISAは引き出しが自由にできるため、途中でお金が必要になった場合でも安心です。新NISAでは非課税で投資できる金額が大きく増え、まとまった資金の準備に活用できます。
老後資金準備の必要性が高い一人暮らしの人は、iDeCoとNISAを併用するとより多くの資産を作れるでしょう。

まとめ

お金の不安なく一人暮らしの老後を迎えるには、健康で働けるうちの資金の準備が欠かせません。老後にどのような生活をしたいかを考え、必要な費用を見積もりましょう。積立は早く始めるほど月々の負担が少なくなります。大まかな計画を立て、実行に移しましょう。



著者プロフィール

著者 松田 聡子

群馬FP事務所代表、CFP®、証券外務員二種、DCアドバイザー

国内生保で法人コンサルティング営業を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoやNISAでの資産運用や確定拠出年金を有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングを行っている。

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