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財形貯蓄はやめたほうがいいの?
利点と注意点、種類などをわかりやすく解説

2024/1/25
(提供元:CyberKnot
財形貯蓄はやめたほうがいいの?利点と注意点、種類などをわかりやすく解説

財形貯蓄を検討していると、「やめたほうがいい」と言われたことのある人もいるでしょう。財形貯蓄に不安を感じてしまうかもしれませんが、利点や注意点を理解できれば利用するかどうか判断しやすくなります。今回は、財形貯蓄の種類や利点などを解説します。本当にやめたほうがいいのか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

財形貯蓄の種類

財形貯蓄の種類

財形貯蓄は、福利厚生の制度として導入している企業の従業員が活用できる制度です。財形貯蓄には、一般財形貯蓄、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄の3種類があります。それぞれの特徴や違いなど、基本的な特徴を解説します。

一般財形貯蓄

一般財形貯蓄は、資金の利用目的が限定されない貯蓄です。利用における年齢制限はなく、払い出し時期の条件もありません。最低3年間積み立てれば、引き出す事が可能です。財形年金貯蓄や財形住宅貯蓄は一人一口のみと制限されていますが、一般財形貯蓄では複数の契約を締結することが可能です。
なお、非課税などの優遇措置はないため、元本にかかる利子には税金が発生します。

財形年金貯蓄

財形年金貯蓄は、老後の生活資金を上積みするための貯蓄で、満55歳未満の人が対象です。
積み立て期間は5年以上で、60歳以降に年金形式で受け取れます。老後の生活資金を目的として払い出しを受ければ、元利合計550万円(保険商品の場合は払込総額385万円)までの利息(財形住宅貯蓄と合算)が非課税になります。
また、財形年金貯蓄の場合は年金受取時も非課税措置が継続されるため、税金の心配は不要です。

財形住宅貯蓄

財形住宅貯蓄は、新築・住宅購入・リフォームのための貯蓄で、対象者は満55歳未満の人です。5年以上の積み立て期間が必要で、住宅取得やリフォーム目的であれば、元利合計550万円(保険商品の場合は払込総額550万円)までの利息(財形住宅貯蓄と合算)が非課税になります。

財形貯蓄には貯蓄型と保険型がある

財形貯蓄には、貯蓄型と保険型があります。勤め先の企業が契約する金融機関によって、選べる商品は異なります。銀行や証券会社などの財形なら貯蓄型、保険会社の財形なら保険型です。
選べる商品は、以下のとおりです。

● 貯蓄型:定期預金、国債、公社債投信、株式投信など

● 保険型:積立保険、財形傷害保険など

投資信託を選択した場合、損失により元本を下回る可能性があるため、注意が必要です。また、保険型には死亡保障・高度障害保障が付帯されるなど、商品によって様々な特徴があります。

財形貯蓄の利点と注意点

財形貯蓄の利点と注意点

財形貯蓄をやめたほうがいいのかを判断するためには、利点と注意点を理解しておくことも大切です。

財形貯蓄を活用する利点

財形貯蓄には、おもに次のような利点があります。

● 財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄について、一定額までは利息が非課税となる。

● 給与・賞与から天引きされるため、入金や引き落としなどの手続きは不要。安定した資産形成が可能である。

● 転職した場合でも財形貯蓄を導入している企業であれば、積み立てを継続できる。

● 財形貯蓄を1年以上続け、財形貯蓄残高が50万円以上あるなどの条件を満たせば、財形住宅融資(住宅ローン)を活用できる。

財形貯蓄の積み立て額は、商品によって異なりますが、「1,000円以上1,000円単位」「5,000円以上1,000円単位」など無理のない範囲で積み立てられます。例えば財形住宅融資の場合、毎月1万円、賞与で8万円積み立てることで、3年弱で残高50万円以上の利用条件を満たします。
財形貯蓄は福利厚生のひとつとして、気軽に利用できるでしょう。貯蓄が苦手で、手元にお金があると使ってしまう人にとって、天引きで積み立てできる点に魅力があります。財形貯蓄を導入している企業に勤めている人は、検討してみてください。

財形貯蓄を利用する際の注意点

財形貯蓄を検討する場合、特に注意しておきたい点を紹介します。

財形貯蓄の注意点

● 低金利の時期は、非課税制度の恩恵が小さい。

● 一般財形貯蓄で3年以上の財形貯蓄を保有している場合に限り、ほかの金融機関の財形商品に預け替えられる。

● 財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄では保有期間に関係なく、ほかの金融機関の財形商品に預け替えられない。

● 目的外で引き出した場合、利息が非課税にならない。

利息の非課税は財形貯蓄の利点ですが、低金利時代では大きなメリットを期待できません。特に定期保険を選択する場合には、過度な期待はしないようにしましょう。給与や賞与からの天引きで、確実に貯蓄できる点に注目してみてください。

財形貯蓄はやめたほうがいいの?

財形貯蓄はやめたほうがいいの?

財形貯蓄をやめたほうがいいかどうかは、人によります。財形貯蓄の特徴などから、財形貯蓄をやめたほうがいい人と活用したほうがいい人を紹介します。

財形貯蓄をやめたほうがいい人

老後の生活資金目的で活用できるiDeCoや、中長期的な資産形成が可能なNISAには、財形貯蓄にはない税制面での優遇があります。このため、iDeCoやNISAを利用した資産形成に抵抗がない人にとっては、財形貯蓄のメリットを感じられない可能性があります。
また資産運用面でみると、財形貯蓄は利息の非課税措置を受けられますが、低金利の状況で非課税の恩恵があまり得られません。そのため、資産形成を検討している人にとって、財形貯蓄はあまり魅力のない運用方法かもしれません。

財形貯蓄を活用したほうがいい人

財形貯蓄は、給与の天引きで積み立てられます。iDeCoでも勤め先によって異なりますが、NISAなどのほとんどの商品(口座)では天引きできません。
給与や賞与からの天引きであれば、無駄遣いせずに堅実的な積み立てが可能となります。計画的な貯蓄をしたい人にとっては、使い勝手がよい制度といえるでしょう。

まとめ

財形貯蓄にはさまざまな種類があり、やめたほうがいいかどうかは人によって異なります。運用による資産形成を希望している場合は、メリットを感じられないかもしれません。一方、計画的な貯蓄をしたい人は、財形貯蓄の利用がおすすめです。
自分にとって財形貯蓄がふさわしい選択かどうか迷った場合は、専門家に相談してみてください。



著者プロフィール

著者 藤 孝憲

CFP®・宅地建物取引士(未登録)・住宅ローンアドバイザー・証券外務員2種・DCプランナー2級・エクセルVBAエキスパートなど

2006年2月にファイナンシャルプランナー(FP)として独立、個人相談をはじめ、カルチャーセンター講師やFP資格講師・教材作成、サイト運営・執筆など、FPに関する業務に携わり15年以上経つ。商品販売をしない中立公正な立場で、相談者の夢や希望をお伺いし、ライフプランをもとにした住宅ローンや保険などの選び方や家計の見直しを得意とする。執筆でも、わかりやすく伝えることはもちろん、情報を精査し、消費者・生活者側の目線で書くことにこだわる。

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