自動車を所有すると自動車税が課されますが、いつまでに払えばよいのかわからない人もいるでしょう。また、自動車重量税や環境性能割など、自動車関連のその他の税についても気になるところです。今回は、自動車に関連する税の支払いタイミングや税負担を軽減する方法などを解説します。

自動車の税はいつ払う？

自動車を所有すると、さまざまな税が課税されます。毎年支払う自動車税（種別割）のほか、自動車重量税や環境性能割（取得課税）があります。ここでは、それぞれの税について支払うタイミングを解説します。

自動車税（軽自動車税）を払うタイミング

一部の自治体を除き、自動車税（軽自動車税）の納期は5月31日です。納付書は、4月1日時点の車検証に記載されている所有者に対して、5月上旬に送付されます。納付書を受け取ってから納期まであまり余裕はありませんので、早めにお金を準備しておきましょう。
自動車税の額は、自動車の種類、用途（自家用・営業用）、排気量などによって異なります。また、低公害車（グリーン化特例対象車）は税率が軽減される一方、一定年数を経過した古いディーゼル車やガソリン車の税率は高くなります。
たとえば、自家用の軽自動車（2019年10月1日以降に初回新規登録・1,000cc以下）の自動車税額は、25,000円です。グリーン化特例対象車（75％減）は6,500円まで減額されます。排気量1,500cc超2,000cc以下の自家用乗用車なら、自動車税額は36,000円（75％減で9,000円）です。
納税額は自治体のホームページに記載されていますので、気になる人は確認してみましょう。

自動車税の納税通知書が届かなかった場合

転居して住民票を移したとしても、車検証の住所が変わるわけではありません。納付書は車検証上の住所に送付されますので、納税書が届かないことがあります。
車検証の登録内容を変更したいときや、自動車税の税額又は納付のタイミングを確認したいときなどは、各都道府県にある自動車税事務所に問い合わせましょう。

自動車税を納期限までに支払わなかった場合

自動車税額が2,000円以上で、納期限までに納税しない場合には、延滞金が課せられます。延滞金の税率は、納期限の翌日から1ヶ月は2.4％、1ヶ月経過後は8.7％（令和4年1月1日～令和6年12月31日）になっています。
1ヶ月以上滞納すると税率が高くなるため、なるべく早く納めるようにしましょう。

自動車重量税を払うタイミング

自動車重量税は、車検時に自動車の重量に応じて課せられる国税です。車を新規登録するときや車検証の交付を受けるときに、車検の有効期間分をまとめて納めます。自動車車検証の交付などを受けるまでに、税額分の自動車重量税印紙を納付書に貼付して納付します。
車検（自家用乗用車）は、新車登録から3年、以降は2年ごとに受けなければなりません。

環境性能割（取得課税）を払うタイミング

環境性能割（取得課税）は、自動車の燃費性能等に応じて、自動車取得時に課税されます。新車購入時だけでなく、中古購入時や譲り受けたときにも課せられるものです。燃費のよい、環境負荷の小さい自動車ほど税負担は軽減されます。
自家用車の場合、税率は非課税、1％、2％、3％のいずれかで、自動車の取得価格に乗じて税額が計算されます。税率などは自治体のホームページで公開されています。

自動車税の手続き

自動車税は4月1日時点の車検証に基づいて課税されます。車検証や自動車の所有者に変更がある場合などでは、自動車税の手続きが必要です。ここではケース別に、手続きや課税の仕組みについて解説します。

名字や住所が変わったら

結婚で名字が変わったり、引越しで住所が変わったりした場合、婚姻届や住民票の転居手続きとは別に、車検証の変更が必要になります。届出方法には、インターネットや書面、電話などがあります。自動車税事務所やコールセンターに確認してから、最適な方法を選ぶとよいでしょう。

自営業の人

自営業も会社員と同様、70歳未満であれば医療費は3割負担です。しかし、会社員や公務員と比較した場合、有給休暇制度はなく、傷病手当金はありません。病気やケガで働けなくなった場合の影響は、会社員よりも大きくなる恐れがあります。

ほかの都道府県ナンバーに変わったら

年度の途中で、ほかの都道府県ナンバーに変わることもあります。自動車税は、4月1日時点での都道府県ナンバーで1年分が課税されます。

自動車を売却したら

自動車を売却したり譲ったりした場合、相手が名義変更をして自動車税事務所に申告します。名義変更・申告を怠ると、元の所有者が負担しなければなりませんので、注意が必要です。また、年度途中での売却や譲渡の場合でも、4月1日時点の所有者に1年分が課せられます。

自動車を廃車にしたら

自動車を廃車する場合は、抹消登録から3月31日までの自動車税額が減額されます。廃車処理を業者に依頼した時点ではないため、注意が必要です。

自動車に関連する税金を抑えるポイント

自動車には、ガソリン代や駐車場代、自動車保険料などさまざまな維持費がかかります。自動車に関連する税だけでも軽減できれば、維持費の負担を抑えられます。ここではエコカー減税や環境性能割などについて解説します。

減税制度を利用する

自動車の税制には減税制度があります。排出ガス性能と燃費性能に優れた自動車には、その性能に応じて自動車重量税を免税・軽減する「エコカー減税」や自動車税（軽自動車税）を軽減する「グリーン化特例」があります。
減税制度の条件に合った電気自動車（EV）や燃料電池自動車（FCV）、天然ガス自動車（NGV）など環境性能が高い自動車を選択しましょう。

環境性能割の税率が低い自動車を購入する

環境性能割は自動車取得税の代わりに採用された、環境負荷に応じて課せられる税金です。環境性能割は、2030年度燃料基準などを達成している自動車に対しては、非課税になる場合もあります。
環境性能割は、取得価格に税率をかけて求めるものです。取得価格は、課税標準基準額とオプション品価格の合計で、金額が大きいほど税金は高くなります。課税標準基準額は新車価格の約90％で、車種やグレードによって異なります。そのため、車体価格を抑え、オプション品を控えるなどによっても税金を軽減できるでしょう。
これから自動車を購入する予定の人は、環境性能の高い自動車を検討してみてください。

まとめ

自動車の税にはさまざまあり、それぞれ支払うタイミングが異なります。自動車は取得価格よりも維持費の方がかかりますが、減税制度を利用することで負担を軽減できるでしょう。
税金は期日以内に支払わなければ、延滞金が発生してしまいます。いつ税金を払うか確認し、変更が必要な場合は適切な対応をしましょう。