家族4人の生活費は?
子どもの年齢別の平均と節約のポイントを解説

家族が増えるのは嬉しいことですが、生活費の負担が増えて心配なこともあるでしょう。本記事では、家族4人の家庭でどれくらいの生活費がかかるのかを説明します。子どもの年齢が上がるとかかる金額が変わってくることも知っておき、必要なお金を準備できるようにしておきましょう。
4人家族の生活費の平均は約30万円

4人家族では生活費がどれくらいかかるのか、総務省の「2022年度家計調査(家計収支編・二人以上の世帯)」から見てみましょう。
4人家族の生活費の内訳
2022年度家計調査では、世帯人員4人の世帯の消費支出の平均額が33万4,572円となっています。 4人家族の生活費の内訳は、次のとおりです。
項目 | 金額 |
食料 | 8万6,807円 |
住居 | 1万6,250円 (住宅ローン返済 5万1,834円) |
光熱・水道 | 2万5,219円 |
家具・家事用品 | 1万4,051円 |
被服及び履物 | 1万3,442円 |
保健医療 | 1万3,221円 |
交通・通信 | 5万1,164円 |
教育 | 3万1,840円 |
教養娯楽 | 3万3,460円 |
その他の消費支出 | 4万9,118円 |
消費支出合計 | 33万4,572円 |
出典元:総務省「2022年度家計調査(家計収支編・二人以上の世帯)」
上の表の住居費1万6,250円は、家賃や設備修繕費の平均額です。住宅ローン(土地家屋借金返済・平均額5万1,834円)は非消費支出として計上されているため、消費支出には含まれていません。4人家族では住宅ローンを除き、生活費として30万円程度かかると考えておきましょう。
食費や教育費の負担が大きい
生活費の中で特に割合が大きいのは食費です。4人家族では、毎月9万円程度の食費がかかっています。その他には、交通・通信費や教養娯楽費、教育費の負担が大きくなっています。教育費は平均で約3万円ですが、子どもの年齢によって金額は大きく変わるものです。
その他の消費支出には、理美容サービスや理美容用品、こづかい、交際費、仕送り金などが含まれます。一般的な生活費以外の支出でも、4人家族ではトータル5万円近くになっていることが分かります。
子どもの年齢別・かかるお金の平均は?

子どもがいる家庭では、子育て費用がかかります。子育て費用の中でも特に負担が大きいのが教育費です。教育費は、子どもの成長に合わせて上がります。子どもの年齢別に、かかる教育費の目安を知っておきましょう。
子育て中は教育費の負担が大きい
子育て費用は、養育費と教育費に分かれます。養育費とは食費や日用品費、服飾雑貨費や医療費などです。一方、教育費とは子どもの教育にかかる費用で、学校教育のほか、塾や習い事にかかる費用も含まれます。
子育て中の負担が大きいのは教育費です。教育費は幼い頃はそれほどかかりませんが、年齢が上がるにつれて増大していきます。子どもが2人なら教育費も2倍になるため、負担はますます大きくなるでしょう。
幼稚園から高校までにかかる教育費
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校までのそれぞれで年間にかかる学習費(学校教育費、学校給食費、学校外活動費)は、次の表のとおりです。
公立 | 私立 | |
幼稚園 | 16万5,126円 | 30万8,909円 |
小学校 | 35万2,566円 | 166万6,949円 |
中学校 | 53万8,799円 | 143万6,353円 |
高等学校(全日制) | 51万2,971円 | 105万4,444円 |
出典元:文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」
学校が公立か私立かで、教育費の金額は大きく変わります。仮に幼稚園から高校まですべて公立と仮定した場合、1ヶ月あたりの教育費は次のようになります。
学校 | 1ヶ月あたりの教育費 |
幼稚園 | 1万3,760円 |
小学校 | 2万9,380円 |
中学校 | 4万4,900円 |
高校 | 4万2,748円 |
出典元:文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」をもとに筆者作成
子ども2人がいる4人家族を例に考えてみましょう。子ども2人が小学生の場合、1ヶ月あたりの教育費は約6万円です。上の子が高校生、下の子が中学生になると、月9万円近くがかかります。もしも子どもが私立の学校に行けば、さらに費用がかかるでしょう。高校は授業料が無償化されている地域もありますが、授業料以外の出費も発生します。
大学の進学費用は貯蓄が必要
子どもが大学に進学する場合には、大学の学費も必要です。大学の学費は、国公立と私立で次のように大きな違いがあります。
入学金 | 授業料 | 施設設備費 | |
国立大学 | 28万2,000円 | 53万5,800円 | - |
公立大学 | 37万4,371円 | 53万6,191円 | - |
私立大学 | 24万806円 | 95万9,205円 | 16万5,271円 |
出典元:「国立私立大学の授業料等の推移」「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
授業料、施設設備費は年間の平均額です。公立大学の入学金は地域内か地域外かで変わりますが、表は地域外からの入学者の平均額のため高めになっています。
国公立大学の授業料だけであれば、公立中学や公立高校でかかる教育費とそれほど変わりません。しかし、大学入学時には入学金のほか前期分の授業料を一括して払う必要があるため、払う金額が大きくなります。私立大学では施設設備費もあり、かかる費用は国公立大学の倍以上です。
大学の学費を毎月の家計から出すのは困難です。子どもが2人いれば、2人分の学費を用意しておかなければなりません。奨学金を利用する方法もありますが、奨学金をもらえるのは入学後のため、入学前に支払う費用は立て替える必要があります。大学進学費用は、あらかじめ貯蓄しておくことが大切です。
生活費を節約して貯蓄するポイント

4人家族になると、かかる生活費も多くなります。子どもの年齢が上がるほどお金もかかるようになり、なかなか貯蓄できないと感じることも多いでしょう。生活費を節約して貯蓄するポイントを説明します。
家計管理をして無駄を省く
生活費はきちんと管理することが大切です。何にいくら使っているかわからない状態では、節約もできません。家計簿をつけて支出の内訳を確認し、減らせる支出がないかを考えてみましょう。毎月かかる支出を把握した後は、項目別に予算を決めて管理します。
家計簿が続かないという人は、スマートフォンで簡単につけられる家計簿アプリの利用がおすすめです。家計簿アプリなら、レシートを写真に撮って入力したり、クレジットカードや電子マネーと連携させたりできます。家族で共有できる機能もあるため、夫婦で生活費を管理する場合にも便利です。
固定費の見直し
毎月かかる固定費の中で、減らせるものがないか考えてみましょう。固定費の削減は手続きをするだけですみ、節約の効果も大きい方法です。以下のような見直しをしてみましょう。
● 電気・ガスの契約先や契約プランの見直し
● スマートフォンを格安SIMに変更
● 不要なサブスクの解約
● 保険の見直し
食費・日用品費を抑える方法
食べ盛りの子どもがいる家庭では、なかなか食費は減らせないと思うかもしれません。しかし、無駄を減らしたり、買い物を工夫したりして、食費を減らすことは可能です。買い物の回数を減らし、予算内で買い物するようにしましょう。
ネットスーパーを利用すれば、カートに入れた商品の合計額を見ながら買い物できるため、予算内におさめやすくなります。ティッシュペーパーやトイレットペーパーのかさばる日用品も一緒に注文すれば、買い物にかかる労力も軽減できるでしょう。
貯蓄を自動化する
毎月の支出を把握し、項目別の予算を決めたら、毎月の貯金額を決めます。貯金する分は給料が出たらすぐに貯蓄専用の口座に移しましょう。「先取り貯金」をすることで、確実に貯められます。会社の財形貯蓄制度や銀行の自動積立定期預金を利用し、自動的に貯蓄できるよう設定しておくのがおすすめです。
まとめ
4人家族の場合、住宅ローンを除いても月30万円程度の生活費がかかります。子どもの年齢が上がると教育費の負担が増え、さらに生活費がかかってしまいます。将来のために貯金は必要です。節約できるところを見つけ、貯金できる家計にしましょう。確実に貯められるよう、貯金は自動化するのがおすすめです。

大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。