リボ払いの年利はいくら?
手数料の仕組みや返済のコツもあわせて紹介

リボ払いは、クレジットカードの支払い方法の1つです。リボ払いの仕組みを理解することで、クレジットカードを賢く活用できるようになります。この記事では、リボ払いの年利や手数料の計算方法、返済を効率的に進めるためのポイントを詳しく解説します。
リボ払いとは?

リボ払いは毎月の支払い金額を一定にし、残債に応じて手数料が発生するクレジットカードの支払い方法の1つです。リボ払いへの理解を深めるために、リボ払いの仕組みやほかの支払い方法との違いについて詳しく解説します。
リボ払いの年利と仕組み
リボ払いを理解するためには、具体例を確認することが最適です。たとえば、リボ払いで3万円を借り入れ、毎月の返済額を1万円に設定しているケースを考えます。
次の表は、リボ払い返済のシミュレーションをした結果です。なお、リボ払いの年利は15%としているクレジットカードが一般的です。
リボ払いの完済までのシミュレーション
回数 | 元本残高 | 月々の返済額 | 金利手数料 | 元本返済額 |
---|---|---|---|---|
1 | 30,000円 | 10,000円 | 369円 | 9,631円 |
2 | 20,369円 | 10,000円 | 250円 | 9,750円 |
3 | 10,619円 | 10,000円 | 131円 | 9,869円 |
4 | 750円 | 750円 | 9円 | 741円 |
どのようにシミュレーションするか、一つひとつ確認します。
- リボ払いの金利手数料を計算する(1回目の金利手数料:30,000円×15%×30÷365=369円)
- 毎月の返済額から金利手数料を差し引く(1回目の元本返済額:10,000円-369円=9,631円)
- 1回目の返済後の残債を求める(1回目の返済後の残債(元本):30,000円-9,631円=20,369円)
- 2回目の金利手数料を計算する(2回目の金利手数料:20,369円×15%×30÷365=251円)
上記の1~3を繰り返し計算して、返済額や金利手数料を求めます。毎月の返済額は10,000円ですが、元本に充当されるのは金利手数料を除いた金額である点が、リボ払いの特徴です。
リボ払いと分割払いの違い
リボ払いと似たような支払い方法に、分割払いがあります。リボ払いと同じく、手数料率を15%としてシミュレーションした結果が、次の表です。
分割払いの完済までのシミュレーション
回数 | 元本残高 | 月々の返済額 | 手数料 | 元本返済額 |
---|---|---|---|---|
1 | 30,000円 | 11,500円 | 1,500円 | 10,000円 |
2 | 20,000円 | 11,500円 | 1,500円 | 10,000円 |
3 | 10,000円 | 11,500円 | 1,500円 | 10,000円 |
分割払いではリボ払いとは異なり、借入額(元本)を支払い回数で割った金額に手数料を加算して返済します。クレジットカードを重ねて利用すると、毎月の返済額は増えていきます。この点は、クレジットカードの利用を抑制できるメリットともいえます。
リボ払いと分割払いの特徴を以下でまとめましたので、参考にしてください。
リボ払い
- 毎月の支払い額を自由に設定できる
- 手数料は残債に対して発生するため、完済まで時間がかかる
- 支払い期間が長期化すると、手数料の総額は高くなる傾向にある
分割払い
- 支払い総額が最初から確定している
- 支払いが完了するまでの期間は比較的短い
- 重ねて利用すると毎月の返済額は増えるため、必要なときに利用しにくい
リボ払いは支払いの自由度が高い一方で、分割払いと比べて手数料の総額は高くなるリスクがあります。
そのほかの返済方法
クレジットカードの支払い方法には、一括払いやボーナス一括払いなどもあります。
一括払い
- 支払い金額を翌月にまとめて支払う方法
- 手数料がかからないため、お得に利用できる
ボーナス一括払い
- ボーナス支給月に、利用金額をまとめて支払う方法
- 通常の一括払いよりも支払い期間が長い
- ボーナス支給前の計画的な利用が可能
また、カード会社によっては、キャッシング機能を備えているものもあります。キャッシングは、カード会社から直接現金を借り入れる方法です。リボ払いよりも金利が高いケースが多いため、利用の際は注意しましょう。
リボ払いを返済するコツ

リボ払いを効果的に返済するためには、いくつかのコツがあります。ここでは、リボ払いを上手に活用するためのヒントを紹介します。
返済方法を使い分ける
リボ払いの返済額を必要最小限に設定している人は、多いのではないでしょうか。元本の返済額が少ないと返済額に含まれる金利手数料の割合が多くなり、なかなか完済できません。そこで、任意にリボ払いの支払い額を増やしたりボーナス時に一括で返済したりするなど、返済方法を使い分けることで、効率的に残債を減らすことが可能です。
また、リボ払いから分割払いへの変更を検討する方法もあります。クレジットカードによっては支払い方法の変更ができない場合があるため、事前に確認しておくといいでしょう。
利用限度額を設定する
リボ払いの利用限度額を適切に設定することは、返済を管理するうえで重要なポイントです。利用限度額に関する3つの方法を紹介します。
利用限度額を自分の収入に合わせて、抑え目に設定する
利用限度額は、自分の収入に合わせて抑え目に設定します。月々の返済額が収入の一定割合を超えないようにすることが大切です。ただし、返済額が少なすぎると完済まで時間がかかりますので、自分に合った返済額を見極めなければなりません。
クレジットカード会社に限度額の変更を申し入れる
必要に応じて、クレジットカード会社に限度額の変更を申し入れます。使いすぎてしまう人は特に、限度額を最小限にとどめておきます。状況の変化に合わせて、限度額を調整することも賢明な利用につながります。
複数のカードを持つ場合は、全体での限度額を意識する
複数のクレジットカードを持っている場合は各カードの限度額だけでなく、全体での利用限度額を意識することが重要です。
全てのカードの支払い方法をリボ払いにせず、「リボ払い+一括払い」や「リボ払い+分割払い」などの組み合わせで、借り過ぎを防ぎましょう。
リボ払いとの上手な付き合い方

リボ払いを上手に活用するためには、収入に応じた利用と支払い期限の徹底管理が欠かせません。最後に、リボ払いとの上手な付き合い方を紹介します。
収入に応じて利用する
毎月の収入と支出を把握し、リボ払いの利用額を適切に管理することが重要です。生活費やほかの支払い額を差し引いた金額の範囲内で、リボ払いの利用額を決定します。利用額が収入を上回らないよう、常に意識することが大切です。
支払い期限を徹底管理する
リボ払いの支払い期限を徹底的に管理することは、延滞を防ぐために不可欠です。カレンダーやスマートフォンのリマインダーを活用し、期限をあらかじめ設定しておきます。期限の10日前から意識し、口座への入金は余裕を持たせるようにしましょう。支払いが遅延すると高額な延滞手数料が発生するため、注意が必要です。
まとめ
リボ払いはクレジットカードの支払い方法の1つで、年利は一般的に15%程度です。手数料は残債に応じて発生するため、返済期間が長期化すると総返済額が高額になるかもしれません。リボ払いを上手に活用するには、返済方法の使い分けや利用限度額の設定、収入に応じた利用、支払い期限の管理などがポイントになります。これらを意識して計画的に返済することが、賢いリボ払いの利用につながります。

2006年2月にファイナンシャルプランナー(FP)として独立、個人相談をはじめ、カルチャーセンター講師やFP資格講師・教材作成、サイト運営・執筆など、FPに関する業務に携わり15年以上経つ。商品販売をしない中立公正な立場で、相談者の夢や希望をお伺いし、ライフプランをもとにした住宅ローンや保険などの選び方や家計の見直しを得意とする。執筆でも、わかりやすく伝えることはもちろん、情報を精査し、消費者・生活者側の目線で書くことにこだわる。