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火災保険の補償内容は?
建物・家財に分けて対象になるものを詳しく紹介

2024/12/26
(提供元:CyberKnot
火災保険の補償内容は?建物・家財に分けて対象になるものを詳しく紹介

火災保険は住宅が損害を被った場合に備える保険ですが、建物と家財で補償される範囲は異なります。火事や自然災害による損害はもちろん突発的な事故まで、補償範囲は広くなることが多い一方で、補償対象外となるケースもあります。この記事では、加入前に知っておくべき補償内容のポイントを、建物と家財に分けてわかりやすく解説します。建物保険と家財保険、それぞれの特徴や注意点を理解して、保険選びに役立てましょう。

火災保険の補償範囲と対象となる建物

火災保険の補償範囲と対象となる建物

火災保険で建物のどこまでが補償されるのか、「建物」とは具体的に何を指すのか、知らない方は多いのではないでしょうか。ここでは、戸建て住宅やマンションの違いも踏まえながら、建物の補償内容をわかりやすく解説していきます。

補償範囲

火災保険の建物に対する補償範囲は、一般的に次のようなケースで補償されます。

補償項目 具体例
火災、落雷、破裂・爆発
  • 調理中のガス機器の突発的な故障により出火し、建物が焼失
  • 隣家からの延焼により建物が損傷
  • 落雷により建物の電気設備や外壁が損傷
  • ガス漏れによる爆発で建物が損傷
風災、雹災(ひょうさい)、雪災
  • 台風や暴風による建物の損壊
  • 強風で飛んできた物が家屋を直撃
  • 屋根に穴が開く被害
  • 豪雪や雪崩による建物の損壊
水災
  • 台風や暴風雨などの土砂崩れで自宅が全壊
  • 台風や暴風雨により川が氾濫して床上浸水
外部からの物体の衝突、水ぬれ、騒擾(そうじょう)など
  • 自動車が建物に衝突して外壁が損傷
  • 上階からの水漏れで天井や壁が損傷
  • 集団行動等に伴う破壊行為による損害
破損・汚損など
  • 子供が投げたボールが窓ガラスに当たって破損
  • 日常生活での予期せぬ事故による建物の破損や汚損
  • 模様替え中の家具による建物破損

保険会社によっては、「外部からの物体の衝突」や「破損・汚損」などを対象外として保険料を抑えるプランもあります。

また、上記は一例であり、状況によっては補償の対象外となることもあります。たとえば、火災であっても、十分に気を付けていれば防げると判断された場合は、補償の対象外となることがあり、注意が必要です。

建物の補償対象

火災保険における建物の補償対象は、建物の種類によって範囲が異なります。一戸建ての場合は、被保険者が所有している建物本体に加えて、門、塀、垣根などの付属工作物やカーポート、物置なども補償の対象となります。土地自体は補償の対象外です。

マンションの場合は、被保険者の所有する専有部分が補償されます。バルコニーは専用使用権のある共用部分であるため、マンションの管理規約によって補償対象から除外される場合があります。

共用部分については、マンションの管理組合が加入する保険でカバーされるため、個人の火災保険では対象外です。

一般的に、補償対象となる建物の範囲は次のとおりです。

  • 畳、建具、スプリンクラーなどの建物に付属する設備
  • 建物に固着された給湯設備、ガス設備、浴槽、便所
  • 建物に固着された冷暖房設備、ガス設備、湯沸器
  • 門、塀、垣などの屋外工作物
  • カーポート、物置、車庫などの付属建物
  • 専有部分の電気配線、配管設備

以上も一例であり、契約内容により異なるケースがあります。詳しくは、契約されている火災保険の内容をご確認ください。

補償の対象外となるケース

火災保険で補償の対象外となるケースも把握しておく必要があります。

たとえば、建物の経年劣化による雨漏りは補償の対象外となります。これは、突発的な事故ではなく、時間の経過とともに徐々に進行するためです。

また、保険金を受け取る目的で放火されたと判断されると、故意による損害として補償されません。調理中に目を離して火事が発生した場合も、補償の対象外となる可能性がありますので注意しましょう。

地震による火災で建物が焼失した場合も、火災保険では補償されません。地震・噴火・津波による損害に備えるためには、火災保険とセットで地震保険に加入する必要があります。

火災保険の補償範囲と対象となる家財

火災保険の補償範囲と対象となる家財

家財の火災保険は、家具や家電だけでなく、日常生活で使用するさまざまなモノが補償対象となります。家財の補償範囲や対象物について、具体例を交えて詳しく見ていきます。

補償範囲

火災保険で家財について補償される主な範囲は、以下のとおりです。

補償項目 具体例
火災、落雷、破裂・爆発
  • 電気的事故による家電製品の焼損
  • 隣家からの延焼により家具が焼失
  • 落雷によるテレビ等の家電製品の故障
  • ガス漏れによる爆発で家具が損傷
風災、雹災(ひょうさい)、雪災
  • 台風で窓ガラスが割れ、室内の家具が損傷
  • 強風で飛んできた物で家財が破損
  • 雹が室内に入り込み、家電製品が破損
  • 雪の重みで建物が破損し、室内の家財が水ぬれ
水災
  • 豪雨による河川氾濫で家財が水没
  • 台風による高潮で家財が損傷
  • 集中豪雨による床上浸水で家財が使用不能
外部からの物体の衝突、水ぬれ、騒擾(そうじょう)など
  • 給排水設備の事故による水漏れで家具が水ぬれ
  • 暴動により家財が破壊される
  • 上階からの水漏れで電化製品が故障
盗難
  • 泥棒の侵入により現金や貴金属が盗まれる
  • 家財が盗まれる
  • 強盗により家財が損壊
破損・汚損など
  • 誤って家具を倒して破損
  • 来客が誤って高価な花瓶を落として破損

正確な範囲を知りたい方は、加入されている火災保険の契約内容でご確認ください。

家財の補償対象

火災保険における「家財」とは、保険の対象となる建物(住宅)内にある、被保険者または被保険者と生計を共にする親族が所有するものを指します。

一戸建てやマンションのいずれの場合でも、家具や家電、衣類など日常生活に使用するものが補償の対象となります。なお、家財の買い換えには想定以上の費用がかかることがあるため、適切な保険金額を設定することが大切です。

補償対象となる、おもな家財は次のとおりです。

  • 家具・家電製品(ソファ、テレビ、パソコンなど)
  • 家庭用の電化製品(冷蔵庫、洗濯機など)
  • 衣類、寝具などの生活用品
  • 食器類、調理器具などの日用品
  • バッグ、アクセサリーなどの身の回り品
  • 書籍、CD、DVDなどの教養娯楽用品
  • 自転車、125cc以下の原動機付自転車
  • 庭、物置、車庫内に収容される家財

明記物件に該当する家財

火災保険では、高額な貴金属類や重要書類などの特定の家財については、「明記物件」として保険契約時に申込書に記載する必要があります。1個(または1組)あたりの価額が30万円を超える家財が対象です。明記がない場合、補償の対象外となります。

明記が必要なおもな家財は、次のとおりです。

  • 貴金属、宝玉、宝石
  • 書画、骨董品
  • 彫刻物などの美術品
  • 稿本(原稿)
  • 設計書
  • 図案
  • 証書
  • 帳簿などの重要書類

近年、明記物件の取り扱いについて保険会社によって異なります。保険会社によっては、明記物件ではなく、「高額な貴金属等」や「貴金属・稿本等」という表現にしているケースもあります。

補償内容もさまざまで、「30万円を上限とする」「支払限度額を500万円または1000万円まで増額できる」「1000万円を超える場合に申告する」など多様化しています。高額な家財を保有している場合は、契約内容をよく確認しておきましょう。

補償の対象外となるケース

建物の補償と同様に、故意・重大な過失による家財の損害や、地震・噴火・津波による損害は補償されません。また、日常的な使用による損耗や汚れ、すり傷などは補償の対象外です。たとえば、ソファの日常使用による生地の擦れや、家具の経年による色あせなどは補償されません。

また、次のような家財も補償の対象外となります。

  • 自動車(125cc超のバイクを含む)や船舶
  • 通貨・有価証券、クレジットカード
  • 商品・製品等の営業用の動産
  • 動物・植物等の生き物
  • プログラムやデータ等の無体物
  • 不法に所持する物

生活用通貨・預貯金証書については、盗難の補償をつけていれば、盗難時の損害は補償されるなど細かな規定があります。

まとめ

自宅の火災保険の補償範囲を、建物と家財に分けて詳しく解説しました。火災保険という名称ですが、火事に限らず、水災や風災、盗難などさまざまな被害に対応しています。

火災保険は、以前と比べると、保険会社による違いが大きくなっています。火災保険に加入する前に、複数の保険を比較・検討し、自分に合った保険を選ぶようにしましょう。



著者プロフィール

著者 藤 孝憲

CFP®・宅地建物取引士(未登録)・住宅ローンアドバイザー・証券外務員2種・DCプランナー2級・エクセルVBAエキスパートなど

2006年2月にファイナンシャルプランナー(FP)として独立、個人相談をはじめ、カルチャーセンター講師やFP資格講師・教材作成、サイト運営・執筆など、FPに関する業務に携わり15年以上経つ。商品販売をしない中立公正な立場で、相談者の夢や希望をお伺いし、ライフプランをもとにした住宅ローンや保険などの選び方や家計の見直しを得意とする。執筆でも、わかりやすく伝えることはもちろん、情報を精査し、消費者・生活者側の目線で書くことにこだわる。

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