株式の配当金で生活できる?
おすすめの投資方法や運用のコツもあわせて紹介

投資や資産運用に興味があるけど、実際に配当金で生活ってできるの?と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。投資を始めたばかりのころは利益も少なく、配当生活は夢のまた夢のように感じてしまいます。本記事では、配当金で生活は可能なのか、おすすめの投資方法や運用のコツを紹介します。
配当生活とは?

配当生活とは、株式などの配当金だけで生活することです。どの株式を購入するかによりますが、配当は年二回ほど実施されるのが一般的です。
たとえば一株あたりの配当金が50円の場合、10,000株保有していれば50万円の配当金を受け取れます。配当金だけで生活していくには、より多くの株を保有したり、複数の株を組み合わせたりといった工夫が必要です。
経済的自立を指す言葉「FIRE」が広まるにつれて、配当生活にチャレンジする方も増えています。労働ではなく購入した株の配当金で生活がしたい方は、この配当生活の考え方やメリット、デメリットをしっかり理解していきましょう。
配当生活のメリット
配当生活のメリットは、不労所得である配当金で生活をまかなえることです。毎日仕事に追われて自分の時間がない方や、家族との時間を作れずお悩みの方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
病気やけがで働けなくなっても、配当金があればこれまでの生活を続けながら治療に専念することもできるかもしれません。最近は突然会社が倒産したり解雇されたりといったリスクもありますが、配当金があれば精神的な余裕も生まれ、仕事だけに縛られない毎日を送ることが可能です。
配当生活のデメリット
配当生活のデメリットは、配当金が減るリスクや配当金がなくなるリスクに注意が必要な点です。配当金は、企業の業績が悪化すると減ることがあります。また、業界全体の景気が悪くなると、期待したよりも配当金が少なくなることもあります。
複数の企業の株を購入することでリスクを分散できますが、常に株価の動向に注目する必要があったり、期待どおりの配当金を受け取れるか不安になったりなど、精神的な負担も大きくなることは理解しておきましょう。
株式の配当で生活するための運用のコツ

株式の配当だけで生活するためには、どのような点を抑えておけばいいのかを解説します。まずはいくらの配当金が必要なのかから考え、明確な数値を決定していきましょう。
配当生活に必要な金額を設定する
まずは配当生活を送るうえでいくらが必要なのか、目標金額を明確にしましょう。総務省統計局の家計調査によると、2023年の一か月の平均の支出は247,322円(総世帯)でした。なお、単身世帯の平均支出は167,620円でした 。
これらはあくまでも平均値で、住んでいるエリアや生活水準によって自身の毎月の支出を把握する必要があります。毎月の支出が少なければ少ないほど配当生活に手が届きやすくなるので、節約できるポイントや無駄遣いがないか、家計を見直すことも大切です。
配当利回りから必要資金を算出する
次に、配当生活を送るために必要な資金を配当利回りから考えてみましょう。配当利回りは、購入した株に対してもらえる配当金の割合のことです。
当然配当利回りが高ければ高いほうが、少ない資金で配当生活に近づくことが可能です。配当利回りは株式の銘柄によって大きく異なりますが、一般的には4%前後がおすすめです。
例えば、年間の生活費が240万円の場合、配当利回り4%で240万円を配当金で補うには6,000万円の資金が必要です。また、配当利回りを高く設定しすぎた場合、企業の業績悪化や減配のリスクが高まることが多く、安定性に欠ける可能性がある、という点は覚えておきましょう。
目標に到達するための資金を増やす
6000万円と聞くと配当生活は多くの人にとって遠い存在のように思えます。しかし、諦めずに資金を増やす方法に目を向けましょう。
収入を増やしたうえで生活水準を上げなければ、おのずと貯金もしやすくなります。また、資産は節約や貯金だけでなく、投資をして増やすという方法もおすすめです。配当金を全額再投資に回して、複利の効果を利用すれば、貯金よりも早く資産を増やせるでしょう。
配当生活のためにおすすめの投資方法

配当生活を送るためには、生活費に見合った金額の配当を得るだけの株式を購入する必要があります。ですが、リスクを避けて配当生活を目指すには工夫が必要です。
配当生活のためにできるおすすめの投資方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
購入する株式の銘柄や購入時期を分散する
株を購入する際は、株式の銘柄や購入時期を分散することが大切です。例えばIT企業一社にのみ投資をしていると、その企業の業績悪化やIT業界全体の成長停滞により、株主への配当が減る可能性があります。
また、一度に大量購入すると、不景気に突入した際に得られる利益が少なくなります。
業界や銘柄、さらに購入のタイミングをずらすことでリスクを分散でき、配当生活に一歩近づくことが可能です。分散投資には各業界や株価全体のリサーチが必須です。リスクを避けるためにも、慎重に投資をしていきましょう。
長期投資を前提として購入する
長期投資を前提として投資することで、配当生活を送りやすくなります。投資と聞くと短期間での売買をおこなうイメージを持つかもしれませんが、配当生活は基本的に長期投資が基本です。
株式投資の利益には、配当金と、株を売却した際の売却益の二種類があります。長期間保有することで、株価自体の価値が下がっても配当金での利益を得続けることが可能です。なかには株主優待を用意している企業もあり、上手に活用すれば現金のように生活費の足しにできるでしょう。
配当利回りが高く好業績の企業に投資する
少ない元手で多くの配当を得るには、配当利回りが高い企業に投資することが近道です。ただし、利回りが高くても業績が悪い企業は、将来的に配当金が減ったりなくなったりする可能性があります。
企業の業績は決算書や官報、証券会社が公開しているレポートなどからリサーチが可能です。知識が必要ですが、配当生活のために勉強しながら調査を進めましょう。
配当性向から理想の還元水準を見極める
配当性向とは、企業が得た利益をどれだけ株主に還元しているかを示す数字です。たとえば一年間で1,000万円の利益を出し、500万円を株主に還元する場合の配当性向は50%です。
配当性向を見れば、企業の利益からどれだけの還元を受けられそうかを把握しやすくなります。自分の配当生活のために必要な金額を得られるか、いくら投資したらいくらの配当を得られるかを算出し、投資に値する株かを考えましょう。
まとめ
株の配当金だけで生活する配当生活は、不労所得で生活したい方から注目を集めています。配当生活には多くの投資資金が必要で、もちろんリスクもあります。
いきなり配当金だけでの生活を目指すのではなく、少しずつ投資を始め、配当金による収入を増やしていくことが大切です。
官報などの公的な書類や証券会社が出しているレポートなどを比較して、より配当金を得やすい企業を探してみましょう。

広告代理店勤務を経て、フリーライターとして6年以上活動。自身の投資経験をきっかけにFP資格を取得。投資・金融・不動産・ビジネス関連の記事を多数執筆。現在はフリーランスの働き方・生き方に関する情報も発信中。