ディーラーローンと銀行ローンの違いは?
メリットとデメリットを知って賢く車を購入しよう

車の購入は、人生における大きな買い物のひとつです。多くの方がローンを利用しますが、ディーラーローンと銀行ローンのどちらがお得なのでしょうか。この記事では、それぞれのローンの特徴やメリット・デメリットを比較します。金利、審査、手続きの違いを理解し、最適な自動車ローンを選ぶための参考にしてみてください。
ディーラーローンと銀行ローンの違い

まずは、ディーラーローンと銀行ローンの違いを知っておきましょう。それぞれのローンにはメリットとデメリットがあり、金利、審査の難しさ、手続きのしやすさが異なります。
ディーラーローンの特徴
ディーラーローンは、自動車販売店で直接申し込めるローンです。車の購入と同時にローンを契約できるため、手間がかかりません。
主に自動車メーカーや販売店の関連金融会社が提供し、新車購入向けのプランが多く、頭金なしで契約できるものもあります。審査から契約まで、その場で完了することが多いのもディーラーローンの特徴です。なお、ディーラーローンでは、ローンを完済するまで車の所有権はディーラーにあります。
ディーラーローンの種類
ディーラーローンに2つの種類があり、ニーズに合わせて柔軟に選べます。
ローンの種類 | クレジット(通常のローン) | 残価設定型クレジット |
---|---|---|
支払い方法 | 毎月決まった額を支払う | 車両本体価格の一部を最後にまとめて支払う |
ローンの特徴 | 借入金額、金利、返済期間が決まっており、完済後に車の所有権が購入者に移る |
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ディーラーローンのプラン
近年、各自動車メーカーが独自のプランを提供し、選択肢が増えています。たとえば、「残額据え置き払い」は、購入時に頭金と手数料を支払い、最後に残価を支払うプランです。「5年契約3年乗り換えプラン」は、5年のローン契約ですが、3年後に新しい車に乗り換えられるオプションが付いています。
銀行ローンの特徴
銀行ローンは、銀行の窓口やオンラインで申し込めます。ディーラーローンと違い、車の購入とは別に手続きが必要です。
銀行や信用金庫などの金融機関が提供し、新車だけでなく、中古車や車検、修理費用への使用も可能です。借入額や返済期間の選択肢が多く、個人向けローンの審査基準が適用されます。
また、金利引き下げキャンペーンや、預金や住宅ローンなどとの連携サービスを提供する金融機関もあります。
ディーラーローンと銀行ローンの違い
ディーラーローンと銀行ローンも車を購入するための資金を借りる点は同じですが、提供元や金利、審査の厳しさ、手続きのしやすさが異なります。それぞれの特徴を理解すれば、自分の状況に合ったローンを選べるでしょう。
ディーラーローンと銀行ローンの違いを表にまとめました。
項目 | ディーラーローン | 銀行ローン |
---|---|---|
申込場所 | 自動車販売店 | 銀行の窓口やオンライン |
手続きの流れ | 車の購入と同時にローン手続きが可能 | 車の購入とは別に手続きが必要 |
融資の対象 | おもに新車購入に特化している | 新車や中古車の購入資金に加え、車検や修理費用などにも幅広く対応している |
金利の傾向 | 比較的高め | 比較的低め |
返済期間の柔軟性 | 比較的固定的な返済期間 | 返済期間の選択肢が多い傾向にある |
特別サービス | 特別金利キャンペーンなどの販促企画がよくある | 金利優遇キャンペーンや他の金融商品との連携サービスがある |
審査基準 | 車の購入を前提とした審査 | 一般的な個人向けローンとしての審査基準が適用される |
ディーラーローンと銀行ローンのどちらを選ぶかは、自分の状況や優先順位によって変わります。金利を重視するなら銀行ローン、手続きの簡単さを優先するならディーラーローンの利用を検討してみてください。
ディーラーローンのメリット・デメリット

ディーラーローンは手軽に利用できますが、金利が高いなどの注意点もあります。ディーラーローンのメリットとデメリットをしっかり確認して、利用を検討してください。
ディーラーローンのメリット
ディーラーローンは、手軽で審査が早いのが魅力です。最大のメリットは、車の購入とローンの手続きを同時にできることです。販売店で車を選び、その場でローンを相談できるため、金融機関を回る手間がかかりません。
また、ディーラーは自動車メーカーや金融会社と提携しており、特別金利などの優遇を受けられることがあります。ディーラーローンのプランを使えば、定期的に新車に乗り換えられるのもメリットです。
ディーラーローンのデメリット
ディーラーローンのデメリットは、金利が高めに設定されていることです。銀行ローンより金利が高いため、総支払額が増えることがあります。
また、ディーラー提携の金融機関のローンしか使えず、選択肢が限られるのもデメリットです。審査基準は銀行ローンより緩めですが、信用情報によっては厳しくなることもあります。
銀行ローンのメリット・デメリット

銀行ローンは金利が低いのが魅力ですが、審査が厳しく、手続きに時間がかかることがあります。銀行ローンのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
銀行ローンのメリット
銀行ローンの最大のメリットは、金利が低いことです。銀行や信用金庫のローンは、ディーラーローンより金利が低く、総支払額を抑えられます。
また、複数の金融機関から選べるため、自分の条件に合ったプランを見つけやすいのも魅力です。さらに、借入額や返済期間の選択肢が多く、ライフプランに合わせた返済ができます。
銀行ローンのデメリット
銀行ローンは銀行の窓口やオンラインで申し込んで審査を受ける必要があるため、ディーラーローンより手続きに時間がかかります。また、審査基準が厳しく、年収や信用情報によっては通らないこともあるでしょう。頭金が必要なこともあり、初期費用を準備する必要があります。
ディーラーローンと銀行ローンのコスト比較

では、ディーラーローンと銀行ローンのコストを比較してみましょう。以下の表は、車両価格300万円、借入期間5年(60ヶ月)で、ディーラーローン(金利5.0%)と銀行ローン(金利2.5%)を比較したものです。
項目 | ディーラーローン(5.0%) | 銀行ローン(2.5%) |
---|---|---|
月々の返済額 | 56,613円 | 53,242円 |
総返済額 | 3,396,780円 | 3,194,520円 |
総支払利息 | 396,780円 | 194,520円 |
ディーラーローンは銀行ローンより金利が高いため、月々の返済額、総返済額、総支払利息がすべて高くなります。2.5%の金利差でも総支払額に20万円以上の差が出るため、ローンを選ぶときは金利を重視することが大切です。
ローンを検討するときは、最初から選択肢を狭めずに幅広く比較することが大切です。
車のローンの選び方

車のローンは将来の経済状況に影響するため、慎重に選ぶことが大切です。ローン選びで後悔しないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
車のローン選びのポイント
車のローンを選ぶときは、最初に金利を比較することが大切です。年率だけでなく、保証料や手数料を含めた実質年率を確認し、有利な条件を選びましょう。
次に、返済期間を検討します。返済期間を短くすると総支払額は減りますが、毎月の負担は増えます。自分の収入や将来の計画に合わせて、無理のない返済期間を選んでください。
また、早期返済ができるかどうかも確認しましょう。追加返済や一括返済ができれば、将来の収入変化にも柔軟に対応できます。
車のローンの選び方
車のローンを選ぶときは、複数の選択肢を比較することが大切です。少なくとも3社のローンプランを比較し、金利や手数料、返済期間などの条件を確認しましょう。ディーラーローンと銀行ローンを比較すると、自分に合ったローンを選びやすくなります。
比較サイトやシミュレーターを使えば、手軽に複数のローンプランを比べられます。各ローンの総支払額を計算し、長期的に比較することが大切です。
車のローンを選ぶ際の注意点
車のローンを契約する前に、総支払額に影響する手数料や保証料、保険料がかかるかを確認することが大切です。金利が固定か変動かを確認し、将来のリスクを理解しておきます。
また、返済が遅れたときの遅延損害金や計算方法も確認しましょう。
まとめ
車の購入におけるローン選びは、ディーラーローンと銀行ローンという2つの選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。金利、手続きの利便性、審査の難易度などを比較検討し、自身の状況や優先順位に合わせて最適なローンを選ぶことが重要です。しっかりと情報収集を行い、賢い選択で理想のカーライフを実現しましょう。

2006年2月にファイナンシャルプランナー(FP)として独立、個人相談をはじめ、カルチャーセンター講師やFP資格講師・教材作成、サイト運営・執筆など、FPに関する業務に携わり15年以上経つ。商品販売をしない中立公正な立場で、相談者の夢や希望をお伺いし、ライフプランをもとにした住宅ローンや保険などの選び方や家計の見直しを得意とする。執筆でも、わかりやすく伝えることはもちろん、情報を精査し、消費者・生活者側の目線で書くことにこだわる。