保険の見直しのタイミングは?
見直すポイントと注意点もあわせて解説

加入中の保険をどのタイミングで見直したらよいかわからない人もいるのではないでしょうか。本記事では、保険の見直しのタイミングや見直す際の注意点などを説明します。正しく保険を見直し、家計の負担を抑えながら適正な保障を確保しましょう。
保険を見直したい3つのタイミング

保険に入った後、ずっと同じ保障内容で加入し続けるのではなく、適度なタイミングで見直すのがおすすめです。以下では、保険を見直したい代表的な3つのタイミングについて説明します。
ライフステージが変わるとき
ライフステージの変わり目には保険を見直して、保障額や受取人の変更を検討することがおすすめです。
人生には、就職、結婚、出産、子どもの独立、定年退職などのライフイベントがあります。ライフイベントによって区切られた各期間を、ライフステージと呼びます。
独身のときに自分にもしものことがあっても、周りに経済的ダメージを与えるケースは少ないでしょう。しかし、結婚した後は、万一の場合に家族への影響があります。子どもができたら、さらに保障を手厚くしなければなりません。保険を見直せば、ライフステージに合った保障を用意できます。
生活費を抑えたいとき
収入と支出のバランスが悪く、生活費を抑えたいときにも、保険を見直しましょう。保険料は毎月かかる固定費です。保険料を今より安くできれば、無理なく支出を減らせます。
過剰な保障を削減したり、不要な特約を外したりすれば、保険料の負担を減らせるでしょう。掛け捨て型やネット型の保険を選んで保険料を抑える方法もあります。
保険の更新のタイミング
保険の更新のタイミングでは、そのままの保障内容で継続してもよいかを確認しましょう。
定期保険や医療保険では、保険期間が満了したときに自動的に契約が更新されるタイプの商品もあります。保険料は契約時の年齢に応じて変わるため、更新時には保険料が上がる商品が多いです。更新のたびに保険料が上がる定期保険から、保険料が一定の終身保険に切り替えることも検討してみましょう。
保険見直しのポイント

保険を見直すときには、現在の保障内容や保険料を確認した上で、以下のような点をチェックしてみましょう。
必要な保障額を確保できるか
保険に入る目的は、万一のことがあった場合の経済的な損失をカバーするためです。保険に入っていても、受け取れる保険金の額が少なければ安心できません。ライフステージに合った保障額を確保できるかを確認しましょう。
保険料が家計を圧迫しないか
保険を選ぶときには、保障額と保険料のバランスがポイントになります。保険は万一のリスクに備えるものです。保険料の負担が不必要に大きいと、普段の生活が苦しくなってしまいます。優先順位を考えて、必要な保障を選びましょう。
たとえば、独身の人は家族などへの影響が少ないため、死亡保障を省ける可能性があります。医療保障は公的医療保険でもカバーされるため、優先順位を下げてもよいでしょう。保障を減らさなくても、保険料を半年払いや年払いにすれば負担を抑えられる場合もあります。
保障期間が適切か
保険は一生涯保障が続く終身型と、一定期間のみ保障が得られる定期型の2つに分かれています。終身型では一生涯の安心が得られるメリットがある反面、保険料が高くなってしまいます。定期型は加入時の保険料が安くても、更新時に保険料が上がることが多くなります。
定期型を選ぶ場合には、保障期間をいつまでにするかも重要です。ライフステージに合わせて見直しができるよう、保障期間を設定しておく必要があります。
掛け捨て型と貯蓄型のどちらにするか
掛け捨て型の保険は保障に特化した商品で、払った保険料は基本的に戻ってきません。定期保険、収入保障保険、医療保険などは主に掛け捨てとなっています。掛け捨て型のメリットは、保険料が安い点です。子育て中など一時的に保障を手厚くしたい場合には、掛け捨て型を活用するとよいでしょう。
貯蓄型の保険とは、保障と貯蓄の両方の機能を持つ商品で、終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険などが該当します。資産形成を兼ねて保険を選びたい場合には、貯蓄型の保険を選ぶとよいでしょう。
保険を見直すときの注意点

保険を見直す際には、気をつけなければならない点もあります。保険の見直しで失敗しないための注意点を説明します。
保険料は年齢が上がるほど高くなる
保険料を安くするために、保障を減らそうと考えることは多いでしょう。しかし、補償が十分でなく、あとで新たに入り直す場合、保険料が上がるケースがあります。保険料は契約時の年齢によって決まるため、若いときに契約した保険を継続したほうが安くすむことがあるのです。
新たな保険への加入を検討している場合には、保険料と保障額をシミュレーションし、現在加入中の保険と比較しましょう。定期保険に加入する場合には、更新時に保険料が上がることにも注意しておく必要があります。
希望する保険に入れるとは限らない
生命保険や医療保険に入るときには、健康状態や職業を告知しなければなりません。持病や過去の病歴によっては、希望する保険に入れない可能性があります。業務中に危険を伴うリスクが高い職業に就いている場合なども、保険加入が難しくなってしまいます。
新しい保険に加入できない場合には、今契約している保険を継続したほうがよいかもしれません。健康状態に自信がない人は、特に注意しておきましょう。
無保険期間を作らない
加入中の保険を解約して別の保険に入る場合、先に新しい保険の加入手続きをしてから古い保険を解約しましょう。古い保険の解約を先にしてしまうと、無保険期間ができてしまいます。その間に万一のことがあった場合に、保障が受けられません。
なお、保険商品によっては加入後一定期間は免責期間となっており、保障が受けられない場合があります。必ず免責期間について確認してから、古い保険を解約しましょう。
貯蓄型保険の解約は元本割れに注意
貯蓄型保険を解約する場合には、解約返戻金を受け取れます。ただし、中途解約の場合の解約返戻金は払い込んだ保険料を下回り、元本割れのリスクがあります。早期の解約では解約返戻金がほとんどないことも少なくありません。
貯蓄型保険を見直す場合には、解約返戻金の額を確認した上で、本当に解約したほうがよいかよく考えましょう。
まとめ
ライフステージが変わるタイミング、生活費を抑えたい場合、保険の更新のときなどには保険を見直しましょう。保険を見直すポイントは、保障額と保険料のバランスや保障期間の長さなどです。今の保険を解約する前に新しい保険に入るなどの注意点も知っておき、無駄のない保障を確保しましょう。

大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。