電気自動車(EV)の補助金まとめ!
交付の条件や申請方法などを紹介

電気自動車(EV)などのクリーンエネルギー自動車を購入予定の人は、補助金額や申請方法、受付期間などが気になるのではないでしょうか。この記事では、電気自動車(EV)を購入予定の人向けに、補助金について詳しく解説します。
CEV(Clean Energy Vehicle)補助金

CEV補助金とは、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金のことで、環境に配慮した一定の自動車を購入した場合に、補助金が支払われます。電気自動車(EV)も補助金の対象で、2023年度の補正予算により、CEV補助金の申請受付が2024年3月28日から始まっています。
補助対象車両の種類と補助金額
電気自動車の補助金額の上限は85万円で、グレードや型式によって異なります。ただし、中古車や事業用自動車は補助金の対象外です。
補助金額は、「車種・グレードごとの補助金交付上限額」か「(車両購入価格ー基準額)×補助率」のいずれか低いほうです。
以下に、2024年4月1日以降の登録(届出)分について、一般社団法人 次世代自動車振興センターの資料に基づき、車両の種類ごとの補助金額の範囲をまとめました。
2024年4月1日以降の登録(届出)分
車両の種類 | 補助金額 |
---|---|
電気自動車(EV) | 12万円~85万円 |
プラグインハイブリッド自動車(PHEV) | 12万円~55万円 |
燃料電池車(FCV) | 136.3万円~232万円 |
超小型モビリティ | 25万円・35万円 |
ミニカー | 20万円・30万円 |
側車付二輪自動車・原動機付自動車 | 2.3万円~12万円 |
出典:一般社団法人 次世代自動車振興センター「補助対象車両一覧」
- ※補助金額は、車名・グレード・型式によって異なります。
- ※上記の補助金額は、実際の車種等ごとの補助金額をまとめたものです。
電気自動車の補助金額の一例
電気自動車の補助金額は、85万円を上限に、車種・グレードにより異なります。
ここでは、電気自動車の補助金額について、上限額85万円を受け取れる車種・グレードの一部を紹介します。
自動車 | 補助金額 |
---|---|
トヨタ bZ4X G(2WD)/Z(2WD)(型式:ZAA-XEAM10) トヨタ bZ4X G(4WD)/Z(4WD)(型式:ZAA-XEAM15) |
85万円 |
日産 アリア B6(limited)/B9(limited)(型式:ZAA-FE0) 日産 リーフ S(型式:ZAA-ZE1) |
85万円 |
レクサス UX 300e Version C(型式:ZAA-KMA10) レクサス RZ 450e Version L(型式:ZAA-KMA15) |
85万円 |
テスラ モデル3 AWD ロングレンジ(型式:ZAA-3L23T) | 85万円 |
出典:一般社団法人 次世代自動車振興センター「補助対象車両一覧」
補助金額は、ジャガー(I-PACE)12万円、アウディ(Q8)36万円などさまざまです。補助金額は適宜更新されますので、申請する際には最新の情報を確認してみてください。
CEV補助金の交付条件と申請方法

CEV補助金の申請受付は始まっており、対象となる車両を購入した(購入予定の)場合は、交付条件や申請方法を確認しておく必要があります。
ここでは、CEV補助金の交付条件と申請方法について解説します。
交付条件
CEV補助金を受け取るためには、交付条件を満たす必要があります。自動車を購入する前に、対象となる車両を確認しておくといいでしょう。CEV補助金を受けるための主な条件は、次のとおりです。
CEV補助金のおもな交付条件
- 一定期間内に新車のEVなどを購入すること
- 補助金交付申請前に、登録(届出)と支払いを済ませること
- 購入したEV車などを3年または4年間保有すること
- J-クレジット事業実施団体に入会する
二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを減らすために、省エネルギー機器の導入による排出削減量と、森林経営などによる吸収量を「クレジット」として国が認証する制度をJ-クレジット制度といいます。J-クレジット事業実施団体は、CO2排出削減量のクレジット化事業を推進しています。
このJ-クレジット事業実施団体「J-グリーン・リンケージ倶楽部」への入会も、交付条件です。入会手続き自体は、一般社団法人 次世代自動車振興センターが行います。なお、プラグインハイブリッド自動車(トヨタ・プリウス PHV、三菱・アウトランダーPHEV)の場合は、入会不要です。
上記のほか、予算の消化状況によっては、受付期間が短縮されます。申請期間にも注視しておきましょう。
申請方法と補助金交付までの流れ
申請方法には、紙申請とWeb申請があります。ここでは、全体的な手続きの流れを紹介します。
補助金交付までの流れ
- 事前確認:交付条件や申請期間、対象となる車両を確認する
- 車両購入:補助対象車両の購入と登録(届出)をし、車両代金を全額支払う
- 申請:補助金交付申請書類を提出する
- 審査:補助金交付申請書類が審査される
- 通知:補助金交付の決定と「交付決定兼確定通知書」が送付される
- 交付:補助金が交付される
- 交付後:車両を一定期間保有する
事前確認と車両購入について
まず、補助金交付を申請する前に条件を確認しましょう。対象となる車両が決まっており、交付条件を満たさなければ補助金を受け取れません。車両代金を全額支払う必要があり、ローンによる購入も対象です。
CEV補助金の対象となる車両の購入形態
自動車販売業者から購入 | ローン購入(所有権留保付) | |
---|---|---|
申請者 | 車両購入者 | 車両購入者 |
車検証上の所有者 | 車両購入者 | 車両購入者 |
車検証上の使用者 | 自動車販売業者またはローン会社 | 車両購入者 |
審査期間について
補助金交付申請書類を提出して、書類に不備がなければ審査に入ります。補助金交付申請書類の審査は1~2ヶ月程度で、混雑状況によっても異なります。審査状況は、一般社団法人次世代自動車振興センターのサイトで確認できます。
車両の一定期間保有について
自家用車両の乗用車・軽自動車は、4年間保有していなければなりません。原付2輪は3年間となります。
この期間を処分制限期間といい、期間内に事前承認なしで処分した場合は、補助金の全部または一部を、加算金(年10.95%)とともに返納を求められることがあります。不正な方法で補助金を受け取った場合も同様です。
なお、処分とは、「補助金の目的に反する使用」「譲渡」「交換」「貸付」「廃棄」「担保に供すること」を意味します。また、当該センターが、定期的に車両保有状況を調査しています。
まとめ
電気自動車(EV)などのクリーンエネルギー自動車は、補助金を受け取れる可能性があります。購入する前に、補助金を受け取れる車両かどうか、交付条件に当てはまるかどうかを確認しておきましょう。

2006年2月にファイナンシャルプランナー(FP)として独立、個人相談をはじめ、カルチャーセンター講師やFP資格講師・教材作成、サイト運営・執筆など、FPに関する業務に携わり15年以上経つ。商品販売をしない中立公正な立場で、相談者の夢や希望をお伺いし、ライフプランをもとにした住宅ローンや保険などの選び方や家計の見直しを得意とする。執筆でも、わかりやすく伝えることはもちろん、情報を精査し、消費者・生活者側の目線で書くことにこだわる。