100万円で始めるほったらかし投資
メリットや売却タイミング、注意点をわかりやすく解説

「100万円を投資に使いたいけれど、日々の値動きに時間を割けない」と悩む人もいるでしょう。そんな人におすすめなのが、ほったらかし投資です。この記事では、100万円という資金を上手に活用して運用する方法を解説します。おすすめの金融商品や売却のタイミング、注意点にも触れるため、参考にしてください。
100万円を運用するメリット

100万円というまとまった資金があれば、選べる金融商品の幅が広がり、効率よく資産運用をスタートできます。少額では難しい複数資産への分散投資も実現しやすく、一つの銘柄に集中することなく、リスクを抑えて安定したリターンを目指せる点が魅力です。例えば、株式・投資信託・債券・外貨など、複数の資産クラスを組み合わせることで、相場の変動にも柔軟に対応できます。
また、100万円をほったらかし投資に回すことで、日々の値動きを気にすることなく、長期的に資産を育てられます。積立NISAやiDeCoの非課税制度と併用すれば、税制優遇の恩恵を受けながら効率的に資産を育てることも可能です。
忙しくて投資に時間を割けない人でも、工夫次第で無理なく運用に取り組めるちょうどよい金額といえるでしょう。
100万円ほったらかし投資するのにおすすめの金融商品

ここでは、100万円で行うほったらかし投資におすすめの金融商品を紹介します。
リスクを抑えたいなら債券
「とにかくリスクを抑えて運用したい」という人におすすめなのは、債券です。債券とは、国や企業にお金を貸し、利子を受け取る仕組みの金融商品です。値動きが緩やかなため、その他の金融商品に比べてリスクを抑えた運用ができます。
特に日本が発行している個人向け国債は元本が保証されているため、リスクを最小限に抑えたい人に向いています。
運用をプロに任せたいなら投資信託
投資初心者や「プロに運用してほしい」という人におすすめなのは、投資信託です。投資信託は、投資のプロが代わりに運用してくれる金融商品です。
複数の株式や債券にバランスよく分散投資してくれるのが特徴です。
投資信託には、以下3つの手数料が発生します。
投資信託の手数料
- 購入時手数料
- 運用管理費用(信託報酬)
- 売却時手数料(換金時の費用)
自分の代わりに運用してくれるため、まさにほったらかしで投資できる金融商品です。
積極的にリターンを狙うなら株式
「リスクをとっても積極的にリターンを狙いたい」という人には、株式が向いています。株式は値動きが激しいため、短期間で大きなリターンを得られる可能性もあります。
しかし、短期間で大きなリスクを負う可能性があることも忘れてはなりません。情報収集や分配の見直しを行い、慎重に投資先を選択しましょう。
100万円を一括投資した場合の運用収益

100万円を一括投資した場合の運用収益シミュレーションは以下のとおりです。
年利 | 運用期間 | 予想収益 |
3% | 10年 | 1,343,916円 |
3% | 20年 | 1,806,111円 |
5% | 10年 | 1,628,895円 |
5% | 20年 | 2,653,298円 |
これはあくまでシミュレーションですが、複利効果によって時間が経つほど収益が伸びていくことがわかります。特に20年の長期運用では、元本が2倍以上になるケースもあり、資産形成の力強い味方になるでしょう。
一括投資は最初にまとめて投資するため、時間を味方につけやすいという利点があります。毎月の積立とは異なり、早い段階から複利効果を最大限に活用できるのが特徴です。もちろん、市場の状況によっては元本割れのリスクもありますが、分散投資や長期保有を組み合わせれば、そのリスクを抑えながら安定したリターンを狙うことが可能です。
100万円一括投資するなら売却のタイミングがカギ

ほったらかし投資とはいえ、売却するタイミングは重要です。
一時的な下落に焦って売ってしまうと、本来得られたはずの利益を逃したり、損失を出してしまうこともあります。早めに手放すべきか、保有したまま様子を見るべきか慎重に判断しましょう。
結婚、住宅購入、子どもの教育費などのライフイベントを見据えながら、売却のタイミングを見極めることが大切です。
100万円でほったらかし投資する際の注意点

「100万円をほったらかし投資する場合、どんなことに気をつければいいの?」という人に向けて、ここからは注意点を紹介します。投資を始める前に、理解しておきましょう。
元本割れのリスクがある
選ぶ金融商品によっては、元本割れのリスクがあることを理解しておきましょう。特に株式や投資信託は、市場の影響を受けやすい金融商品です。市場動向や金利の変動、世界情勢などによって、価格が変動します。「一時的な下落はあるもの」と思い、冷静に判断する心構えが必要です。
元本割れのリスクをどうしても避けたい人は、元本保証のある個人向け国債を選ぶといいでしょう。
売却するタイミングを見極める必要がある
「ほったらかし投資」とはいえ、売却するタイミングを見極める必要はあります。価値が上昇しているときに売却をすれば、大きなリターンが狙えるチャンスです。しかし、下落しているときに焦って売却してしまうと、投資した金額よりも下回って、損をする可能性があります。事前に「この金額になったら売却する」と決めておくことで、冷静に判断できるでしょう。
また、最低でも年に1度はポートフォリオを確認し、資産状況やライフスタイルの変化に合わせて適切に調整することが大切です。
100万円でほったらかし投資のコツ

ほったらかし投資で成果を上げるためには、放置するのではなく、戦略的に運用することが重要です。ここからは、大切な資産を守り育てていくためのコツを3つ紹介します。
長期・積立・分散を意識する
長期・積立・分散は投資の基本です。数年〜数十年という時間をかけることで複利効果が働き、資産が増えていきやすくなります。
また、100万円を一括投資するのではなく、複数回に分けて積み立てていくのもリスク軽減につながります。例えば、5万円ずつ、10万円ずつと分けて投資を行いましょう。
さらに分散投資も重要です。投資先を1つに絞らず複数の金融商品に分けることで、1つの金融商品が損失を出しても他でカバーできます。
投資する際は、長期・積立・分散を意識し、リスクを軽減しながら運用しましょう。
金融商品の特徴を理解する
さまざまな金融商品の特徴を理解することも大切です。「話題だから」「人気だから」という理由で選ぶのは避けましょう。金融商品ごとの特徴を理解し、どのようなリスクがあるのか、手数料などのコストはどれくらいかかるのかなどを、事前に確認することが重要です。
信頼できるプロに相談する
「自分の知識に自信がない」「どれを選んでいいかわからない」という人は自分だけで判断せず、信頼できるプロに相談するのがおすすめです。知識・経験豊富なプロに相談することで、新たな視点に気づき、自分の資産状況に合ったアドバイスを受けられるでしょう。
特に初心者の場合、プロの知見を活用することが、投資で成果を上げるコツになります。
まとめ
100万円というまとまった資金を有効に活用すれば、コツコツと増やしていくことが可能です。自分の希望に合った金融商品を選び、長期的な視点で運用していきましょう。それぞれの金融商品の特徴を理解して、長期・積立・分散を意識することが大切です。少しでも不安がある場合は、金融機関の窓口やファイナンシャルプランナーなど、信頼できる専門家に相談しましょう。

大手生命保険の営業を5年間経験し、FP2級を取得。現在は金融ライターとして資産運用、保険、節税に関する記事を執筆。200記事以上を手掛け、読者に信頼される情報提供を目指す。金融業界の知識と実務経験を活かし、わかりやすく実践的な内容を提供。