【年代別】資産1,000万の割合を紹介!
20代・30代・40代で超えたらどうする?

資産1,000万円は資産形成における大きな節目です。同年代で到達している人の割合が気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、年代別の資産1,000万円保有者の割合と、到達後の効果的な運用方法を詳しく解説します。あなたの年代に合った資産運用戦略を確認し、今後の資産形成に役立てましょう。
【年代別】資産1,000万円保有者の割合

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」を元に、単身世帯と二人以上世帯を合わせた総世帯での、資産1,000万円以上保有者の割合を見ていきましょう。
20代の資産1,000万円保有割合
20代で資産1,000万円を保有している人の割合は4.5%と、全年代のなかで最も低い水準です。社会人になって間もない20代は年収がまだそれほど高くないため、資産を増やすには先取り貯金を意識することがコツです。
30代の資産1,000万円保有割合
30代になると、資産1,000万円を保有している人の割合は16.5%まで上昇します。収入が安定し、キャリアも築いてきた30代は、計画的な資産形成を行いやすい年代です。
ただし、結婚や住宅購入、子育てなど、ライフイベントによる支出が多い時期でもあるため、独身時代とは異なるバランスの取れた資産運用が求められます。
40代の資産1,000万円保有割合
40代では、23.3%(約4人に1人)が資産1,000万円を超えています。年収が増加しやすい40代は、本格的な資産形成の絶好の時期です。子どもの教育費がかかる一方で、老後資金の準備も視野に入れる必要があるため、戦略的な運用が重要になります。
資産1,000万円を超えたらどうする?年代別活用法

資産1,000万円を築いたあとに重要なのは、ただ貯め続けるのではなく、年代に合わせてどう活用するかを考えることです。ここでは、年代別に効果的な活用法を紹介します。
20代で資産1,000万円を超えたら
社会人としてのキャリアが始まったばかりの20代で資産1,000万円を築くのは、大きな成果です。長期の投資期間を確保できる点が、最大の強みとなります。
複利効果を活用した運用戦略
複利効果は時間とともに大きくなるため、積極的な運用で資産拡大を目指しましょう。NISAやiDeCoなどの税制優遇を活用することで、将来受け取る利益を増やせます。NISAはいつでも売却ができるため柔軟性があり、iDeCoは原則60歳まで引き出せないため老後資金として確実な資産形成が可能です。
リスク許容度を活かした積極運用
20代は今後長期間にわたって収入が見込めるため、万が一投資で損失が生じても毎月の収入でカバーできる安心感があります。このリスク許容度の高さを活かし、リターンを求めた積極的な投資にも挑戦できます。
30代で資産1,000万円を超えたら
ライフイベントが増える30代は、資産1,000万円をどう配分するかが大切になります。将来のために増やしつつ、必要な時に使える資金を確保しましょう。
ライフプランに合わせた資産配分
30代は人生の大きな変化が多い年代です。結婚、住宅購入、出産などのライフイベントを見据えて、流動性の高い資産と長期運用資産のバランスを考慮した配分がポイントです。緊急時に備えて200万~400万円程度を預貯金で保有し、残りを運用に回すなど、メリハリのある資産管理を心がけましょう。
教育資金と老後資金のバランス
子どもがいる場合は、大学卒業までの教育費を見据えながら、老後資金の形成も並行して進める必要があります。教育資金は短期〜中期のため安全性を重視し、老後資金は長期のため成長性を重視するなど、目的に応じた運用戦略が効果的です。
不動産購入の検討タイミング
30代で資産1,000万円に到達した方は、マイホームの購入を検討できる十分な頭金を確保した状態です。頭金が多いほど月々のローン返済額を抑えられるため、家族構成やライフプランに合わせて、慎重に検討しましょう。
40代で資産1,000万円を超えたら
老後までの時間が限られてくる40代では、資産1,000万円を「どう守りながら増やすか」が重要なテーマです。教育費や老後資金を見据えた、リスクと安定のバランスがカギとなります。
老後資金形成への本格移行
40代は老後まで約20年という限られた期間での資産形成となるため、より計画的で効率的な運用が求められる時期です。現在の1,000万円をいかに効率よく増やしていくかが重要なポイントになります。
安全性重視の運用への転換
20代・30代と比べて投資期間が短くなるため、リスクの取りすぎには注意が必要です。リスク資産のバランスを見直し、徐々に安全性を重視した運用へとシフトしていきましょう。
なお、リスク資産の目安には「100-年齢=リスク資産の割合」という計算式がよく知られています。40歳なら株式60%・債券40%程度の配分になります。
資産1,000万円を効率的に増やす運用方法

資産1,000万円を築いたあとは、持っているだけでは資産価値が目減りしてしまう可能性があります。効率よく運用し、リスクを抑えながら着実に増やしていくことが大切です。ここでは、代表的な運用の考え方を紹介します。
守りながら増やす分散投資
資産1,000万円という大きな金額を運用する際は、リスク分散が重要です。以下のような分散投資を心がけましょう。
分散投資の方法
- 地域分散:国内・海外・新興国など、投資地域の分散で特定地域の経済リスクを軽減
- 資産分散:株式・債券・コモディティなど、異なる資産クラスに分散し、市場変動に対する耐性を高める
- 時間分散:積立投資を併用することで、購入タイミングによるリスクを分散
税制優遇制度の活用
NISAの年間投資枠360万円を効果的に活用しましょう。つみたて投資枠(年間120万円)は定期積立、成長投資枠(年間240万円)は一括投資やスポット投資として使い分けることで、投資機会を最大化できます。
iDeCoの掛金は全額所得控除となるため、この節税分も含めて運用に回すことで、複利効果をさらに高められます。
「積立」と「一括」で差をつける
資産1,000万円を運用する際は、積立投資と一括投資を使い分けることで、より効率的な資産運用が可能です。
積立投資の活用場面
- 市場の先行きが不透明な時期
- ドルコスト平均法により、価格変動リスクを抑えたい場合
- 定期的な収入から継続的に投資したい場合
一括投資の活用場面
- 市場が大きく下落したタイミング
- 金利上昇前の投資機会を逃したくない場合
- まとまった資金(ボーナスや退職金など)を効率的に運用したい場合
資産の定期的なリバランス
投資を継続していると、市場の変動により当初の資産配分が崩れることがあります。年に1〜2回程度、ポートフォリオを見直し、目標とする資産配分に戻す「リバランス」を行いましょう。
リバランスとは、リスクを取りすぎていないかを確認し、資産全体を健全な状態に保つためのメンテナンスです。
まとめ
資産1,000万円の保有者割合は年代とともに上昇し、40代では約4人に1人という結果でした。この大台を超えた場合、年代に応じた戦略的な運用により、さらなる資産成長を目指せます。
20代なら時間と複利効果を活用し、30代はライフプランとのバランスを重視し、40代は安全性を考慮した運用へとシフトすることが求められます。本記事で紹介した年代別のポイントを参考に、ご自身のライフスタイルに合った資産形成プランを立ててみてください。

2023年にファイナンシャルプランナーとして独立。
商品販売は一切行わず、金融教育や投資の普及を目指し、特に学生や若い世代のマネーリテラシー向上に注力。
金融系メディア等で年間200本以上の執筆・監修に携わる。10代から投資経験を積み、資産運用分野を得意とする。