投資しない方がいい人がいる?
特徴やリスク回避のコツなどを紹介

投資はお金を増やす手段として注目されていますが、リスクや失敗への不安から「投資しない方がいい」と考える人も少なくありません。まずは自分が「投資に向かないタイプ」に該当しないか確認し、資産運用の基本やリスクを理解しておくことが大切です。この記事では、投資しない方がいい人の特徴と、リスクを抑えるための考え方を解説します。
投資しない方がいい人の特徴

資産運用の方法や商品を調べる前に、投資しない方がいい人に該当しないか確認しておきましょう。投資しない方がいい人に該当する場合は、その原因や問題を解消してから投資を始めると安心です。
生活防衛資金などが十分にない
生活防衛資金などが十分にない状態で投資すると、急な出費や収入減少で生活費が不足して資産を取り崩すことになります。目標の金額や期間の到達前に取り崩してしまうと損失になったり、将来必要な資金が不足したりする可能性が高いです。
投資するお金の元本は、普段の収入から必要な支出を差し引いた金額になります。家族や家計の状況をもとに、生活防衛費を十分に準備してから投資を始めましょう。
投資の目的や資産の使途が決まっていない
商品の選択や売買するタイミングを判断するためには、投資の目的や資産の使途を決めていることが重要です。投資の目的は、運用期間や目標利回り、最終的な資産額などの大まかな方向性を決めておくことになります。
また、投資の目的に応じて許容できるリスクの幅を確認しておくことも大切です。最近話題になることが多いからと何となく投資を始めようとすると、思いがけないところで損をする可能性があります。まずは、投資の目的や資産の使途を明確にすることから始めましょう。
世の中の情報や他人の話に流されやすい
ニュースやテレビ、SNS、友人など他人の話に流されやすいと、リスクが高すぎたり不必要な投資になる可能性があります。世の中の情報や他人の話に流されやすい人は、資産が目減りしたり詐欺に遭ったりする危険性があるため、投資しない方がよいです。周りからいいと見聞きした情報だけを頼りにせず、自分が投資する目的や必要な資産額に応じて、冷静に考えるようにしましょう。
既に投資している場合、噂話や感情に振り回されないように、経済や市場の状況を元に判断することが大切です。
短期的に簡単に利益を得たい
一般的に投資は長期的なほど低いリスクで運用できるものであるため、短期的に簡単に利益を得たい人は投資しない方がよいです。短期的であるほどリスクが高くなる傾向にあり、大きな利益を得られる可能性があっても損をする場合もあります。
基本的にリスクとリターンは連動するので、簡単に利益を得られるという話には注意が必要です。投資は長期的に小さく利益を積み上げていく、ローリスクローリターンの考えを持っておくと不安は解消されやすいでしょう。
投資のリスクとは

ここからは、投資のリスクについて解説します。
投資のリスクとはリターンの変動
投資のリスクとは、得られる利益や損失の振れ幅の大きさを意味するもので、危険性や失敗を示すだけではありません。投資による損益の振れ幅が大きいほどリスクが高い、小さいほど低いという表現になるのです。
リスクとリターンは必ず連動する性質があるため、どちらか一方の情報やデータに着目せず、両方をバランスよく見て判断することが大切になります。
投資での主なリスク
投資で想定されるリスクについて、代表的なものを解説します。
株価変動リスク
株式の価格(株価)が上下して変動する可能性を「株価変動リスク」といいます。株価は企業の業績や景気、国内外のさまざまな情勢が要因となって変動するものです。
信用リスク
株式や債券などを発行している企業や国・自治体が債務不履行になってしまう可能性を「信用リスク」といいます。株式を保有している場合、企業が倒産すると元本は戻りません。
流動性リスク
資産を換金する容易さや市場に出回っている数の多さを「流動性リスク」といいます。最も流動性リスクが低い資産は現金、高いのは不動産などの高額資産です。
金利変動リスク
債券への投資において、金利の上下によって債券価格が影響を受ける可能性を「金利変動リスク」といいます。一般的に債券は金利に連動して逆の値動きをするもので、金利が上がると債券価格が下がるというものです。
為替変動リスク
資産そのものの価値は同じでも、為替の変動によって価値が目減りしたり割高になったりすることを「為替変動リスク」といいます。例えば、日本円でドル建ての商品を運用していると、円安や円高の影響を受けて円換算での価値が変動するのです。
投資しないことのリスク
投資には必ずリスクが伴いますが、資産運用をしなければ何も抱えることはないという意味ではありません。現金や貯金のみで資産を保有していて、20~30年経ってインフレになっていると、当初の価値から目減りしてしまうのです。
例えば、500円で買えていたものが物価上昇で1000円になっていると、現金の資産価値が半分になっています。投資せずに現金のみで保有している状態でも、資産価値が変動するリスクはあると理解しておきましょう。
リスク回避しながら投資するコツ

ここからは、リスクを回避しながら投資するコツについて解説します。
分散投資でリターンの変動幅を抑える
投資するタイミングや商品を分散させ、資産全体で値動きの変動を小さくしてリスクを抑える方法が分散投資です。株式と債券を組み合わせる、複数の国・地域・通貨を含めるなどの方法があります。
長期投資で複利効果を高める
生活防衛費や直近数年で必要になる資金は用意したうえで、長期間で複利効果を高める方法が長期投資です。一般的に市場は短期的には値上がりや値下がりがあっても、長期的にみると価値が上がっていく可能性が高くなります。
積立投資で購入価格を平均化する
一定間隔で一定額を投資して価格が安いときには多く、高いときには少なく購入し、購入価格を平均化する方法が積立投資です。最初に購入商品と金額を設定すれば、短期的な価格変動や感情に左右されにくくなります。定期的に運用状況を確認したり見直したりしながら、長期的に資産を増やす運用方法です。
無理に投資する必要はない
投資しない方がいい人に該当していない場合でも、無理に投資する必要はありません。投資は将来に必要な資金を準備するための手段です。目的や資金が十分でも、すべてを投資に向けるのではなく、金融商品の性質やリスクを理解して冷静に判断するようにしましょう。
まとめ
投資はお金を増やす手段として効率的ですが、誰もが必ずやるべきことではありません。資産運用には必ず伴うリスクを確認したうえで、冷静で慎重に投資することが大切です。投資しない方がいい人の特徴や、リスク回避をするコツについて参考にしてみてください。

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