3人家族の生活費平均は?
年収別の支出や内訳、節約のコツを解説
3人家族の生活費の平均は約31万円ですが、年収や地域、夫婦の働き方、子どもの年齢などによって実際の金額は大きく異なります。本記事では、3人家族の平均的な生活費に加え、支出が変動する要因や、無理なく節約するコツを解説します。
3人家族の生活費の平均はいくら?
総務省が公表している「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)」によると、1か月あたりの3人家族の生活費の平均は約31万円です。この金額には、家賃や食費、水道光熱費、保険医療費、さらに教育費や娯楽費などが含まれています。
ただし、居住地域や働き方、家族構成によって支出額は大きく変動します。必ずしもこの金額内に収める必要はないため、あくまで目安として参考にするとよいでしょう。
全国平均と地方差
3人家族の生活費の平均は約31万円ですが、居住地域の物価水準によって差があります。
総務省が公表した「消費者物価地域差指数 2024年(令和6年)」によると、物価水準が高い地域は東京都、神奈川県、北海道などで、物価が低い地域は群馬県、鹿児島県、宮崎県、岐阜県などとされています。
物価が高い地域では食費や家賃などの支出が多くなる傾向があり、地方部ではそれらの比率が抑えられるケースが一般的です。
地域ごとの物価差を踏まえ、自分の居住地域が全国平均と比べてどの水準にあるかを把握しておくことが重要です。
共働き世帯と専業主婦世帯の違い
夫婦共働き世帯か、夫のみが働く専業主婦世帯かによっても、生活費には違いが見られます。総務省の「家計調査 家計収支編(二人以上の世帯・令和6年)」によると、共働き世帯の1ヶ月あたりの平均収入は71万4,686円、専業主婦世帯では69万2,906円となっています。働き方によって収入水準に差があるため、生活費にも違いが生じやすい傾向があります。
ただし、専業主婦世帯でも夫の収入が高いケースや、収入が多くなくても支出を抑えて貯蓄を重視している家庭もあります。収入の多さに合わせて生活水準を上げすぎないよう注意し、家計全体のバランスを意識することが大切です。
3人家族の生活費の内訳
ここからは、3人家族の生活費の内訳を詳しく見ていきましょう。食費や住居費、水道光熱費、保険医療費、教育費など、主な支出項目を確認することで、どの部分にお金を使いすぎているのかを把握しやすくなります。
また、子どもの年齢や成長段階によっても支出の内容や金額は変わるため、その点にも注目してみてください。
主要な支出項目と平均割合
総務省の家計調査による3人家族の平均生活費と支出項目は、以下のとおりです。
| 支出項目 | 平均額 |
|---|---|
| 食費 | 8万7,876円 |
| 住居費 | 1万9,278円 |
| 光熱・水道費 | 2万4,340円 |
| 家具・家事用品費 | 1万3,302円 |
| 被服及び履物費 | 9,970円 |
| 保健医療費 | 1万5,604円 |
| 交通・通信費 | 4万2,780円 |
| 教育費 | 1万2,216円 |
| 教養娯楽費 | 2万8,045円 |
| その他の消費支出 | 5万6,684円 |
住居費は、持ち家世帯や親と同居している世帯も平均に含まれるため、全体として金額が低めに出る点に注意が必要です。一方で、賃貸住宅に住んでいる場合や住宅ローンの返済がある場合には、平均よりも住居費の割合が高くなり、結果として生活費全体が増える傾向もあります。
子どもの年齢による支出の変化
同じ3人家族でも、子どもの年齢や成長段階によって支出の内容、金額は大きく変化します。一般的に出産直後や子どもが小さい時期は生活用品の購入費がかさみ、成長とともに教育費や娯楽費の割合が増加する傾向があります。
お小遣いやレジャー費、旅行代など、子どもの成長に伴って支出項目が増えるほか、食費が上昇するケースも多く見られます。学校によってはクラブ活動費や修学旅行の積立金などが生じることもあるため、生活費だけで家計が圧迫されないよう、将来を見据えた計画的なやりくりが大切です。
年収別に見る3人家族の生活費目安
年収別に、3人家族の生活費の目安を考えてみましょう。
生活費は、いわゆる「家計の黄金比」を基準に算出できます。これは、支出全体を次のような割合で調整する考え方です。
- 生活に必要な支出:50%(食費・住居費・水道光熱費など)
- ゆとり・娯楽などの費用:30%(外食・旅行・趣味など)
- 貯蓄・資産形成:20%(預貯金・投資・保険料など)
この「家計の黄金比」を年収別に当てはめると、以下のようになります。
| 手取り月収 | 生活費 | ゆとり・娯楽 | 貯蓄・資産形成 |
|---|---|---|---|
| 25万円 | 12万5,000円 | 7万5,000円 | 5万円 |
| 30万円 | 15万円 | 9万円 | 6万円 |
| 35万円 | 17万5,000円 | 10万5,000円 | 7万円 |
| 40万円 | 20万円 | 12万円 | 8万円 |
ただし、この黄金比は家族の人数や子どもの年齢、ライフステージなどを考慮していない一般的な目安です。各家庭の状況に合わせてゆとり費や貯蓄額のバランスを調整し、無理のない範囲で支出を管理しましょう。
特に、子育て期や教育費が増える時期には、一時的に貯蓄割合を減らすなど柔軟な対応も必要です。
生活費を節約するポイント
3人家族の生活費を効果的に節約するには、支出の可視化と優先順位づけが重要です。まずは、節約効果の大きい固定費(通信費・保険料・住宅ローンなど)から見直すのがおすすめです。
一方で、日用品や食費などの変動費は、購入頻度を減らしたり無駄遣いを防いだりすることで抑えられます。さらに、国や自治体の支援制度や補助金も積極的に活用し、無理のない範囲で家計全体の負担を軽減していきましょう。
固定費を見直す
毎月決まって支払う固定費は、節約効果が最も高いポイントです。スマートフォンの通信料金、サブスクリプションサービスの利用料、保険料、住宅ローンや家賃などは、家計支出の中でも大きな割合を占めます。まずは、格安SIMへの乗り換えや不要なサブスクの解約など、すぐに実行できる見直しから始めてみましょう。
また、住宅ローンも金利の見直しや借り換えによって、数十万円単位の節約効果が期待できます。さらに、電気・ガスといったエネルギー会社の料金プランを比較し、より安いプランに変更することも有効です。
自炊やまとめ買いで食費を抑える
食費は、家庭支出の中でも特に割合が大きい項目のひとつです。外食の回数を減らし、自炊を中心にすることで、月に数万円の節約も可能です。週末に食材をまとめ買いして冷凍保存や作り置きを活用すれば、食材ロスを防ぎながら調理の時短にもつながります。特売情報のチェックやスーパーのプライベートブランド商品の活用も効果的です。
また、キャッシュレス決済のポイント還元を利用すると、実質的な節約効果を得ることができます。
制度を利用して教育費・医療費の負担を軽減
子どもがいる家庭では、教育費や医療費の負担が大きくなりやすい傾向があります。そのため、国や自治体の支援制度を上手に活用することで、家計への負担を軽減しましょう。
例えば、児童手当や高校授業料無償化制度、就学援助制度などは、世帯年収に応じて適用されます。また、医療面では子ども医療費助成制度や高額療養費制度を利用すれば、自己負担額を抑えることが可能です。
これらの制度は、対象条件や申請方法が自治体によって異なるため、利用を検討する際は必ず自治体の公式サイトや窓口で最新情報を確認しておきましょう。
まとめ
3人家族の生活費は、収入や地域、子どもの年齢によって大きく変わります。大切なのは、平均額にとらわれず、自分たちの家計に合った支出バランスを見つけることです。固定費や食費など、見直せる部分から少しずつ整えて、将来を見据えた安心できる家計づくりを進めていきましょう。
広告代理店勤務を経て、フリーライターとして6年以上活動。自身の投資経験をきっかけにFP資格を取得。投資・金融・不動産・ビジネス関連の記事を多数執筆。現在はフリーランスの働き方・生き方に関する情報も発信中。



