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新卒の平均手取りは?
年収や大卒・高卒の違いをわかりやすく解説

2026/01/13
(提供元:Mattrz
新卒の平均手取りは?年収や大卒・高卒の違いをわかりやすく解説

「新卒はいくらもらえるのか」「大卒と高卒では手取りに差があるのか」と、給与について不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。社会人としてのスタートを切った際、総支給額と手取り額の違いに戸惑う新卒者は少なくありません。本記事では、新卒の手取り額の平均をはじめ、学歴による違いや給与から天引きされるお金の内訳について、分かりやすく解説します。

新卒の手取り平均はいくら?

新卒の手取り平均はいくら?

まずは、新卒の手取り平均を把握しましょう。

新卒の平均年収と手取り額の目安

厚生労働省の調査によると、新卒の初任給の平均は、大卒が23万7,300円、高卒が18万6,800円となっています。前年と比較すると、大卒は3.9%、高卒は3.1%と、いずれも増加傾向にあります。

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

これらを踏まえた新卒の平均的な手取り額の目安は、次のとおりです。

新卒の平均手取り額

  • 【大卒】約17万7,000円〜20万1,000円
  • 【高卒】約14万〜15万8,000円

手取り額は社会保険料や税額、ボーナスの有無によって前後しますが、年収に換算すると、おおむね250万円〜350万円程度が平均的な水準といえるでしょう。

月給と手取りの違いを理解しよう

これから初任給を受け取るにあたっては、「月給」と「手取り」の違いを正しく理解しておくことが大切です。月給とは、基本給に残業代や通勤手当などの各種手当を加えた「総支給額」を指します。一方、手取りは、総支給額から社会保険料や税金などが差し引かれ、実際に銀行口座へ振り込まれる金額のことです。

月給として提示されている金額をそのまま受け取れるわけではない点を、あらかじめ念頭に置いておきましょう。

大卒と高卒で手取りはどれくらい違う?

大卒と高卒で手取りはどれくらい違う?

会社によっても異なりますが、大卒と高卒では初任給に差が生まれるのが一般的です。

大卒新卒の年収・手取りの目安

大卒新卒の初任給は以下のとおりです。

男女計 23万7,300円
24万300円
23万4,300円

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

手取り額は、約17万7,000円〜20万1,705円が目安です。

高卒新卒の年収・手取りの目安

続いて、高卒新卒の初任給を紹介します。

男女計 18万6,800円
18万9,000円
18万3,200円

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

高卒新卒の手取り額は、約14万円〜15万8,000円が目安です。

新卒の手取りから引かれるお金の内訳

新卒の手取りから引かれるお金の内訳

手取り額は、月給(総支給額)の約75%〜85%が目安となります。「月給から何が、どのくらい差し引かれるのか」と疑問に感じる人も多いでしょう。ここからは、月給から天引きされるお金の内訳について詳しく解説します。

所得税・雇用保険料の仕組み

所得税とは、国に納める税金で、毎月の給与から源泉徴収として天引きされます。年末調整によって1年間の税額が確定し、払い過ぎていた場合は還付されます。

所得税は収入に応じて計算されるため、収入が増えるほど税額も高くなる仕組みです。雇用保険は、失業手当や育児休業給付などの財源となる制度で、給与総額の0.6%前後が原則として本人負担となります。

また、社会人2年目からは住民税の天引きが始まるため、「1年目のほうが手取りが多かったのはなぜ?」と疑問に感じる人も少なくありません。

社会保険料と手当の関係

手取り額を大きく減らす要因の一つが、「社会保険料」です。「せっかく給与が支給されても、こんなに引かれるのか」とマイナスに感じる人もいるかもしれませんが、社会保険料は安心して生活するために欠かせないコストでもあります。

たとえば、病気やけがをした際に医療費の自己負担が3割で済むのは健康保険のおかげであり、厚生年金保険は将来の老後生活を支えるための基盤となる制度です。これらの保険料は、会社と従業員が折半して負担します。

また、役職手当や住宅手当などの各種手当が支給されることも、手取り額が減る要因の一つです。これは、社会保険料や所得税を計算する際に、これらの手当も給与として含まれ、課税・保険料の対象となるためです。

なお、一定額までであれば課税や保険料算定の対象外となる手当もあります。手当の扱いは内容によって異なるため、給与明細や会社の規定を確認しておくとよいでしょう。

手取り額は残業や働き方で変わる

手取り額は残業や働き方で変わる

残業や働き方次第で、手取り額を増やすことは可能です。

残業代が手取りに与える影響

もっとも手軽に手取り額を増やす方法の一つが、残業をして残業代を受け取ることです。残業代は、原則として「1時間あたりの賃金×1.25以上」で計算されるため、通常の労働時間よりも効率よく収入を増やせる仕組みとなっています。たとえば、1時間あたりの賃金が1,200円の場合、残業1時間あたり1,500円が支給される計算です。

ただし、固定残業代(みなし残業代)が給与に含まれている場合は注意が必要です。「月20時間分の残業代を含む」といった契約内容の場合、契約で定められた時間数までは追加支給されず、超過分について別途残業代が支払われます。

転職や収入増加を考えるタイミング

「平均的な手取り額と大きくかけ離れている」「労働時間に対して手取り額が見合っていない」と感じる場合は、転職や収入アップを視野に入れることも一つの選択肢です。転職を検討するのであれば、第二新卒として評価されやすい入社3年目までが一つの目安といえるでしょう。

また、資格手当が支給される制度がある場合は、資格取得を目指すことで、比較的短期間で手取り額の増加を期待できるケースもあります。

新卒が手取り額を見るときの注意点

新卒が手取り額を見るときの注意点

平均よりも手取り額が多いのか、少ないのかは、誰しも気になるポイントでしょう。しかし、手取り額だけに注目してしまうと、判断を誤る可能性があります。

ここからは、新卒が手取り額を確認する際に押さえておきたい注意点を紹介します。

平均額はあくまで目安

平均の手取り額は、多くの人のデータをもとに算出された参考値であり、個々の状況をそのまま反映するものではありません。そのため、平均額を下回っているからといって、必ずしも不利な状態にあるとは限らない点を理解しておくことが重要です。

また、平均値は一部の高い数値や低い数値の影響を受けやすく、実際の分布とはズレが生じることもあります。多くの人が平均よりやや低い、あるいはやや高い水準に集中しているケースも少なくありません。

手取り額を評価する際は、平均との単純な比較ではなく、「現在の収入で無理なく生活できているか」「将来に向けて継続的に働けるか」といった視点を持つことが大切です。数字だけに振り回されず、冷静に受け止めましょう。

業界・企業規模・地域による差がある

金融業や保険業、電気・ガス・水道業などは、平均的な賃金水準が高い業界として知られています。安定した収益構造を持つ企業が多く、基本給が高めに設定されやすい点が特徴です。

一方で、飲食業や医療・福祉分野は、平均額だけを見るとやや低めに見える傾向があります。ただし、これらの業界では夜勤手当や残業手当、資格手当などが支給されるケースも多く、働き方次第で手取り額が大きく増える可能性を秘めています。

厚生労働省「第5-2 産業、性、年齢階級別賃金及び対前年増減率」

企業規模によっても、賃金水準には明確な差があります。厚生労働省の調査によると、企業規模別の平均賃金は以下のとおりです。

  大企業 中企業 小企業
男(全年齢) 38万6,700円 34万1,600円 31万9,800円
女(全年齢) 27万4,600円 26万2,500円 24万8,400円

厚生労働省「第4表 企業規模、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び企業規模間賃金格差」

この結果から、大企業と小企業では月あたり数万円の差が生じていることが分かります。

さらに、地域による賃金差も無視できません。都道府県別の平均賃金を見ると、もっとも高い東京都は36万8,500円、もっとも低い青森県は24万9,900円となっており、10万円以上の差があります。

ただし、東京都と地方では家賃や駐車場代などの固定費に大きな違いが生じます。そのため、手取り額の多寡だけで生活の余裕度を判断するのは適切ではないといえるでしょう。

厚生労働省「第7図 都道府県別賃金(男女計)」

自身の雇用条件を確認する

自身の雇用条件をもう一度見直すことも大切です。手取り額が低く見えても、賞与や福利厚生、各種手当を含めると実質的な待遇は良いケースもあります。

たとえば、住宅手当や社宅制度によって家賃負担が軽減されている場合、手取り額が平均より少なくても生活水準は高くなりやすいでしょう。

給与の数字だけで判断せず、全体の待遇を踏まえて考えることが重要です。

まとめ

新卒の手取り額は、おおむね月給(総支給額)の8割程度が目安です。大卒と高卒では手取り額に差がありますが、業界や企業規模、地域によっても金額は大きく異なります。

大切なのは、「手取りが少ないかどうか」だけで判断するのではなく、給与の内訳や福利厚生にも目を向け、自分にとって無理のない生活ができているかを総合的に考えることです。給与明細を毎月確認する習慣を身につけ、少しずつマネーリテラシーを高めていきましょう。



著者プロフィール

著者 一谷 千春

2級FP技能士

大手生命保険の営業を5年間経験し、FP2級を取得。現在は金融ライターとして資産運用、保険、節税に関する記事を執筆。200記事以上を手掛け、読者に信頼される情報提供を目指す。金融業界の知識と実務経験を活かし、わかりやすく実践的な内容を提供。

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