子どもの医療保険は必要?
病気や入院への備え、選び方のポイントを紹介
「子どもの医療保険って本当に必要なの?」「何を基準に選べばいいの?」と悩んでいませんか? 子どもの医療保険は、手厚い公的制度の仕組みを理解したうえで「過不足のない保障内容を選び出すこと」が重要です。本記事では、自分にとって必要な保険を選ぶためのポイントを解説します。
子どもに医療保険は必要?
子どもの医療保険の必要性を正しく判断するためには、まずベースとなる「公的制度」を知り、そのうえで「民間保険が必要なケース」を理解することが大切です。
子どもの医療費を支える公的制度
日本の子どもたちは、世界的に見ても手厚い公的医療制度に守られています。
そのため、基本的には病院の窓口で過度な金銭的負担を求められることはありません。
日本の公的医療制度
- 乳幼児医療費助成制度(子ども医療費助成制度):各自治体が実施する制度で、子どもの医療費の自己負担を無料または1回数百円程度に軽減します。対象年齢などの条件は自治体ごとに異なります。
- 高額療養費制度:病気や大ケガで医療費が高額になった場合でも、1ヵ月あたりの自己負担額に上限を設ける制度です。
医療保険が必要と考えられるケース
これほど手厚い公的制度があってもなお、民間の医療保険が検討されるのは、治療費そのものよりも入院に伴う「収入の減少」や、公的制度ではカバーできないコストに備えるためです。
特に未就学児から小学校低学年の入院では、親の24時間付き添いが必要となるケースが少なくありません。もし親が自営業やフリーランスであれば、看病のために仕事を休んだ分だけ収入減に直結してしまいます。
こうした収入減のリスクや、看病に伴う諸々の実費を補う意味で、月々わずかな負担で備えられる民間の医療保険は、親にとって心強い選択肢となります。
子どもの医療保険に加入するメリット
民間の医療保険を賢く活用する、具体的なメリットを見ていきましょう。
病気や入院への備えができる
医療保険に加入するメリットの一つは、子どもの病気やケガによる入院・治療に備えられることです。
子どもは免疫機能が発達途中であり、肺炎やRSウイルス感染症、川崎病などで入院が必要になる場合があります。また、成長とともに活動範囲が広がることで、骨折などのケガをする可能性もあります。
民間の医療保険では、契約内容や支払条件を満たした場合に入院給付金などを受け取れます。医療費以外の支出が発生した際の経済的な負担を軽減できるため、治療や看病に専念しやすくなるでしょう。
公的制度でカバーできない費用に対応できる
自治体の子ども医療費助成制度は、健康保険が適用される医療費の自己負担分を助成する制度です。一方で、差額ベッド代や付き添い時の交通費・宿泊費、先進医療の技術料などは、公的医療保険や医療費助成制度の対象外となる場合があります。
医療保険に加入していれば、受け取った給付金をこうした費用に充てられるため、家計への負担を軽減できる可能性があります。特に、長期入院や遠方の医療機関で治療を受けるケースでは、医療費以外の支出への備えとして役立つでしょう。
子どもの医療保険が不要といわれる理由
子どもの医療保険については、加入を必要と考える人がいる一方で、公的制度や家計状況を踏まえて加入しない選択をする人もいます。加入しないと考える主な理由を見ていきましょう。
公的制度が充実しているため
子どもの医療保険が不要といわれる理由の一つに、公的な医療保障制度が充実していることが挙げられます。日本では公的医療保険制度に加え、多くの自治体で子ども医療費助成制度が設けられています。そのため、医療費の自己負担額が軽減されるケースが少なくありません。
こうした制度を活用できることから、医療保険の必要性は高くないと考える人もいます。
貯蓄で対応する考え方もある
保険ではなく貯蓄で備えるという考え方もあります。公益財団法人生命保険文化センターによると、0〜14歳の平均在院日数は7.6日です。入院期間が比較的短い傾向にあることから、医療費助成制度の対象外となる費用が発生した場合でも、貯蓄で対応できると考える家庭も少なくありません。
ただし、病気やケガの程度によっては入院が数ヶ月に及ぶなど、予測が難しい長期化リスクも潜んでいます。
子どもの医療保険への加入を検討する際は、公的制度の内容や家計の状況、貯蓄額などを踏まえながら、必要性を判断することが大切です。
公益財団法人生命保険文化センター|リスクに備えるための生活設計
子どもの医療保険の選び方
実際に子どもの医療保険を選ぶ際、具体的にどこをチェックすればよいのでしょうか。失敗しないための選び方のステップを解説します。
保障内容を確認する
子どもの医療保険を設計する際は、大人のように特約を付けすぎず「シンプルな保障」を意識するのがおすすめです。
以下の3点に注目しましょう。
【子どもの医療保険】チェックすべき保障内容
- 入院給付日額:設定の目安は5,000円~10,000円が一般的です。公的制度の対象外となる差額ベッド代(個室代)や、付き添う親の食事代などをまかなえる金額を意識して設定しましょう。
- 手術給付金:盲腸や扁桃腺の手術をはじめ、日帰り手術でもまとまった一時金が受け取れるかどうか、事前の確認が大切です。
- 先進医療特約:公的医療保険の対象外となり、全額自己負担となる「先進医療」の技術料をカバーする特約です。月々数十円程度のわずかな負担で数千万円までの高額治療に備えられるため、付加するのがおすすめです。
終身型か定期型かを選ぶ
保障期間の長さによって、保険に加入する目的が大きく異なります。
定期型(18歳や20歳で満了)
- 「子ども医療費助成が受けられる期間だけ加入する」と割り切る選び方です。毎月の保険料を低く抑えながら、入院やケガのリスクに効率よく備えられます。
終身型(保障が一生涯継続)
- 「将来子どもが自立したあとも、途切れない安心を残す」という目的で加入する場合です。医療保険は加入年齢が低いほど、一生涯の保険料を安く抑えられるのが特徴です。若いうちに契約しておくことで、将来子どもが病気などで保険に加入しにくくなるリスクを防ぎ、割安な保険料のまま保障を子どもへ引き継ぐことができます。
加入前に確認したいポイント
契約書にサインする前に、以下の2点について必ず最終確認を行ってください。
保険料と保障のバランス
子どもの成長に伴い、教育費をはじめとするさまざまな支出が発生します。そのため、医療保険を検討する際は、毎月の保険料が家計に与える影響も考慮することが大切です。
保障内容が充実していても、保険料負担によって教育資金の準備や生活費に影響が出てしまっては本来の目的に合わない可能性があります。家計の状況や貯蓄額を踏まえながら、無理のない範囲で保障内容を検討しましょう。
加入年齢による違い
子ども向けの医療保険は0歳から加入できる商品がありますが、加入を検討する際は自治体の医療費助成制度の内容も確認しておきましょう。助成の対象年齢や自己負担額は自治体によって異なります。例えば、医療費助成の対象が未就学児までの場合は、小学校入学前後が加入を検討するタイミングの一つとなるでしょう。
一方で、高校卒業まで手厚い助成が受けられる自治体では、民間の医療保険への加入を急ぐ必要性が低い場合もあります。加入年齢や公的制度の内容、保険料と保障内容のバランスを踏まえながら、自身の家庭に合った医療保険を選ぶことが大切です。
まとめ
子どもの医療保険が必要かどうかは、家計の状況や貯蓄額、公的制度の内容によって異なります。まずは自治体の医療費助成制度や公的医療保険制度の内容を確認し、不足する部分を民間の医療保険で補う必要があるかを検討しましょう。
毎月の保険料と保障のバランスを考慮しながら、それぞれの家庭に最適な備え方を選択することが大切です。
大手生命保険の営業を5年間経験し、FP2級を取得。現在は金融ライターとして資産運用、保険、節税に関する記事を執筆。200記事以上を手掛け、読者に信頼される情報提供を目指す。金融業界の知識と実務経験を活かし、わかりやすく実践的な内容を提供。



