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iDeCoの受け取り方は3パターン!
2026年改正「10年ルール」と税金で損しないための判断基準を解説

2026/09/24
(提供元:DYM)
iDeCoの受け取り方は3パターン!2026年改正「10年ルール」と税金で損しないための判断基準を解説

iDeCo(個人型確定拠出年金)の魅力は、長年積み立ててきたお金を、税制優遇を受けながら60歳以降に受け取れることです。

受け取り方には「一時金」「年金」「一時金と年金の併用」の3パターンに加えて、すぐに受け取らず運用を続ける選択肢もあり、どれを選ぶかで手取り額が変わる可能性があります。

2026年(令和8年)1月1日以後に支払を受けるべきiDeCoの一時金と退職金について、受け取り間隔に関するルールが「5年ルール」から「10年ルール」へ改正され、受け取り方の設計はこれまで以上に重要になりました。「会社の退職金と近い時期に受け取るとどうなるのか」「一時金と年金では、税金面でどちらが有利なのか」などと判断に迷うケースが想定されます。

この記事では、iDeCoを受け取れる時期と加入期間の関係、受け取り方の仕組み、受け取り時に使える2つの控除、2026年改正の「10年ルール」、そして自分に向いている受け取り方を見極める判断の枠組みと手続きの流れまでを、わかりやすく解説します。

iDeCoはいつから受け取れる?60歳〜75歳までの受給ルールと加入期間の関係

iDeCoはいつから受け取れる?60歳〜75歳までの受給ルールと加入期間の関係

まずは、iDeCoをいつから受け取れるのかを説明します。

受け取りを開始できる時期は、加入期間によって変わることがあるため、注意が必要です。

受け取り開始は原則60歳から75歳までの間で選べる

iDeCoの老齢給付金は、原則60歳から受け取りを開始でき、最長75歳まで遅らせることができます。受け取りを開始するまでの間は、積み立てた資産の運用を続けることが可能です。

なお、60歳以降も掛金を積み立てるには、国民年金の被保険者であることが条件です。会社員や公務員として厚生年金に加入している方、国民年金に任意加入している方などが該当します。

参照:iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)

加入期間が10年未満だと受給開始年齢が繰り下がる

60歳から受け取るには、60歳時点で通算加入者等期間(加入期間)が10年以上あることが必要です。

10年に満たない場合は、期間に応じて受給開始年齢が次のように繰り下がります。

加入期間 受給開始年齢
10年以上 60歳から
8年以上10年未満 61歳から
6年以上8年未満 62歳から
4年以上6年未満 63歳から
2年以上4年未満 64歳から
1か月以上2年未満 65歳から

「iDeCoは50代から始めても遅くない」と言われる一方で、始める時期によって受け取り開始が遅延する可能性がある点は、事前に把握しておきましょう。

なお、60歳以降に新たに加入した場合は、加入から5年を経過した日から受け取りを開始できます。

障害・死亡など例外的に早く受け取れるケース

iDeCoの老齢給付金を受け取れるのは原則60歳以降ですが、例外もあります。

政令で定める高度障害の状態になった場合の「障害給付金」、加入者が亡くなった場合に遺族が受け取る「死亡一時金」、一定の要件を満たした場合の「脱退一時金」は、60歳前でも受け取れます。

iDeCoの受け取り方は3パターン+1|それぞれの仕組みと特徴

iDeCoの受け取り方は3パターン+1|それぞれの仕組みと特徴

次に、受け取り方の選択肢を見ていきます。基本の3パターンに、「すぐには受け取らない」という選択肢を加えた4つです。

受け取り方①:一時金(一括受け取り)

積み立てた資産を、1度にまとめて受け取る方法です。税制上は退職金と同じ「退職所得」として扱われ、後述する退職所得控除が使えるため、一定額までは税金がかかりません。

住宅ローンの完済や自宅のリフォーム、子どもの独立支援など、まとまった資金の使い道がある方に向いています。

厚生労働省の資料によれば、2018〜2022年度にiDeCoの受け取りを開始した方のうち、約9割が一時金を選んでいます。

参照:厚生労働省|社会保障審議会企業年金・個人年金部会(第37回)参考資料

受け取り方②:年金(分割受け取り)

5年以上20年以下の期間で、分割して定期的に受け取る方法です。年1回・2回・4回・6回・12回など、振込回数を選べるのが一般的です。

公的年金に上乗せして定期的な収入の柱を増やしたい方に向いており、受け取っている間も残りの資産の運用が続く点が特徴です。

ただし、注意点が2つあります。

1つは、振り込みのたびに給付手数料(1回あたり440円、2026年7月時点)がかかるため、回数を増やすほど手数料の負担も増えることです。
※金融機関等により改定される場合がある

もう1つは、受け取った年金が「雑所得」として課税対象になり、金額によっては国民健康保険料や介護保険料に影響する可能性があることです。

受け取り方③:一時金と年金の併用

資産の一部を一時金で、残りを年金で受け取る方法です。

「住宅ローンの残債を一時金で返済し、残りは年金として生活費に充てる」といった柔軟な使い方ができます。

ただし、併用に対応していない金融機関もあるため、加入中の運営管理機関への事前確認が必要です。

受け取り方+1:受け取らずに運用を続ける

60歳になってもすぐに受け取らず、運用を続けるという選択肢もあります。

受け取りの請求は75歳になるまでできるため、その間も、運用益が非課税のまま資産を運用できます。

「60代前半はまだ働く予定がある」「公的年金の繰り下げ受給と組み合わせたい」という方に向いています。

税金で損しないための2つの控除と【2026年改正】退職金との「10年ルール」

税金で損しないための2つの控除と【2026年改正】退職金との「10年ルール」

ここからは、受け取り時の税金の仕組みを整理します。どの控除が使えるかは受け取り方によって決まり、2026年の改正はこの控除の使い方に関わる変更です。

一時金で使える「退職所得控除」の仕組み

一時金で受け取る場合は「退職所得控除」が適用されます。iDeCoでは、原則として掛金の拠出期間などに基づく勤続期間を用いて、次の式で控除額を計算します。

  • 加入期間20年以下:40万円×加入期間(最低80万円)
  • 加入期間20年超:800万円+70万円×(加入期間−20年)

たとえば30年間積み立てた場合、控除額は800万円+70万円×10年=1,500万円です。ほかの退職金との調整がなく、一時金が退職所得控除額の範囲内であれば、原則として退職所得に対する税金はかからず、超えた場合も、超えた部分の2分の1にだけ課税される仕組みのため、税負担は比較的軽く抑えられます。

参照:国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

年金で使える「公的年金等控除」の仕組み

年金形式で受け取る場合は「雑所得」として扱われ、公的年金等控除が適用されます。控除額は最低でも、65歳未満で年間60万円、65歳以上で年間110万円です(※公的年金等以外の所得が一定額以下の場合)。

注意したいのは、この控除枠が老齢基礎年金・老齢厚生年金などの公的年金と合算で計算されることです。両方を受け取ると控除枠を超えやすく、所得が増えた分、所得税・住民税に加えて国民健康保険料や介護保険料が上がる可能性があります。

参照:国税庁|No.1600 公的年金等の課税関係

【2026年改正】退職金との「10年ルール」とは

退職所得控除は、勤続年数や積立年数が長いほど非課税で受け取れる枠が大きくなる仕組みです。ただし、iDeCoの加入期間と会社の勤続年数は同じ時期が重なっていることが多いため、一時金と退職金を近い時期に受け取ると、重複する期間の控除を2重には使えないよう調整されます。

2026年1月1日以後に受け取るiDeCoの一時金と退職金の受け取り間隔について、退職所得控除の調整に関するルールが5年から10年に改正されました。

改正前は、60歳でiDeCoの一時金を受け取り、5年空けて65歳で退職金を受け取れば、それぞれの控除を満額使えました。改正後に同じ受け取り方をすると、加入期間と勤続年数の重複分だけ退職金側の控除額が減り、その分税負担が増えることがあります。

ただし、すべての方が影響を受けるわけではなく、そもそも勤務先に退職金がない方や、退職金が控除額の範囲内に収まる方には影響がありません。

また、「退職金が先、iDeCoの一時金が後」の順番の場合は、従来どおり前年以前19年以内に受け取った退職金との間で調整される「19年ルール」が適用されます。こちらは間隔を20年近く空けないと調整を避けられないため、退職金を先に受け取る場合は、控除の一部が重複調整される前提で計画するのが現実的です。

参照:財務省|令和7年度税制改正の大綱

あなたに向いている受け取り方は?判断の枠組みと手続きの流れ

あなたに向いている受け取り方は?判断の枠組みと手続きの流れ

最後に、自分に合った受け取り方の考え方と、実際の手続きの流れを見ていきましょう。

タイプ別に見る受け取り方の目安

ここまでの内容を踏まえて、受け取り方ごとに向いている方の特徴を整理します。

一時金が向いている方
  • 住宅ローンの完済などまとまった資金の使い道がある
  • 退職金が少なめで退職所得控除の枠に余裕がある
年金が向いている方
  • 公的年金だけでは毎月の生活費が不足する
  • 受取期間中も運用を続けたい
併用が向いている方
  • 直近で大きな出費があり、残りは定期的な収入として確保したい
  • 一時金部分を退職所得控除の枠内に収めたい
運用継続が向いている方
  • 60代前半も働く予定で当面の生活費に困らない
  • 公的年金の繰り下げ受給と組み合わせたい

どれが正解かは、退職金の有無や金額、公的年金の見込額、健康保険料への影響など、複数の要素の組み合わせで決まります。

受け取り手続きの流れと必要書類

受給開始が可能になる時期が近づくと、運営管理機関から案内書類が届きます(送付の時期は金融機関によって異なります)。手続きの基本的な流れは次のとおりです。

  • 案内書類を受け取る
  • 裁定請求書に必要事項を記入する
  • 添付書類をそろえて返送する
  • 裁定結果の通知が届く
  • 運用商品が売却・現金化される
  • 指定口座に振り込まれる

一時金で受け取る場合の主な必要書類は、老齢給付金裁定請求書(一時金用)、退職所得の受給に関する申告書、印鑑登録証明書(発行3か月以内の原本)、マイナンバーが確認できる書類と本人確認書類です。すでに退職金を受け取っている場合は、退職所得の源泉徴収票のコピーも必要になります。

年金で受け取る場合は、老齢給付金裁定請求書(年金用)のほか、印鑑登録証明書やマイナンバーが確認できる書類、本人確認書類などが必要です。

ただし、必要書類は金融機関によって異なるため、届いた案内に沿って準備しましょう。なお、退職金と同じ年に手続きをする場合は、退職金の源泉徴収票が手元に届いてから進めるとスムーズです。

判断に迷ったら専門家に相談を

受け取り方の判断には、退職金の額、公的年金の見込額、配偶者の収入、健康保険の加入区分など、多くの要素が関わります。

選び方によって手取りが数十万円単位で変わることもあるため、ご自身の選択に自信が持てない場合は、60歳が見えてきたタイミングで管轄の税務署や税理士等の専門家へご相談ください。

まとめ

iDeCoの受け取りは原則60歳から75歳までの間で開始でき、加入期間が10年未満の場合は受給開始年齢が繰り下がります。

受け取り方は一時金・年金・併用の3パターンに、受け取らずに運用を続ける選択肢を加えた実質4つで、それぞれ使える控除と向き不向きが異なります。

そして2026年1月以降は、退職金の受け取り間隔に「10年ルール」が適用されるため、受け取る順番とタイミングの設計がこれまで以上に重要になりました。

受け取り方に迷ったら、次の4ステップで整理すると動きやすくなります。

  1. 60歳まであと何年あるかを確認する
  2. 退職金の見込額と支給時期を勤務先に確認する
  3. 加入中の金融機関のサイトで、選べる受け取り方(併用の可否など)を確認する
  4. 不明点は金融機関に相談する

なお、税制は今後も変更される可能性があります。特に2026年1月の10年ルール施行以降の詳細は、国税庁や厚生労働省、加入先の運営管理機関で最新情報を確認してください。



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