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マネー ノートをつけるだけでは不十分

生前から遺産整理を意識しておこう

2019/05/30

昔は、自分の死後について具体的に考えることは縁起の悪いことだとためらわれがちだった。しかし、高齢化社会が訪れていることもあってか、近年はきちんと考えたうえであらかじめ手を打っておくことが家族に対するマナーだという意識が広まり、「終活」という言葉も生まれている。特に“備えあれば憂いなし”だといえるのがお金に関することだろう。

■ほとんど使っていない口座を整理しつつ、一覧にまとめておく

「終活」として多くの人が実践しているのがエンディングノートで、それに書き込むことの中でも特に重要なのが所有資産に関するものだ。いずれの金融機関にどれだけの資産を預けているのかを詳細に把握できるようにしておかなければ、遺族にかなりの手間をかけてしまう恐れがある。たとえば、多くの人はメインバンクのみならず、他にもいろいろと預貯金の口座を持っているのではないだろうか?

開設先と預入額が一覧化されていないと、遺族は遺品を整理しながら探し当てなければならない。そして、相続について申告する際にはそれぞれの残高証明が必要となるが、その手数料よりも少額の残高しか残っていない口座が出てくれば、遺族は矛盾を感じながら手続きを進めることになりそうだ。こうしたことを踏まえると、単に一覧を作成するだけにとどまらず、ほとんど使っていない(小銭しか預けていない)口座は「終活」の際に整理しておくのが無難だといえる。

■入ってくるお金、出ていくお金についても明確にしておく

なお、死亡届が提出された時点で、それを受理した自治体から故人の口座がある金融機関へその旨が連絡されることはない。ただ、故人が年金の受取先にしていた銀行には通知されるので、そこに開いている口座は凍結される可能性は高い。2019年の7月1日から新たな制度が創設され、遺産分割が終わる前でも一定の範囲内で預貯金の払い戻しが受けられるようになった。

もっとも、1つの金融機関でそれが可能なのは150万円までに制限されているのも事実だ。メインバンクを年金の受取先にしている人も多いだろう。そのため、各種支払いの自動引き落としを行っている人も多いのではないだろうか?もしも口座が凍結されて遺族がそのことに気づかないと、電気料金やガス料金、電話料金の支払いが滞ってしまう恐れが出てくる。

また、最近はインターネットバンキングや株式や投資信託のオンライン取引を利用している人も少なくない。取引の詳細が書面で郵送されないケースも増えているので、そのような場合は遺族が把握しづらくなる。そこで、そういったインターネット上の取引口座についても、それぞれのIDとパスワードがわかるようにしておきたい。

直接書き込んで悪用されるのが不安なら、配偶者や子どもなど、ごく近しい人だけがピンとくるヒントなどを書いておくといい。

■借入金・ローン、個人間のお金の融通についてもありのままを明記

本人としては抵抗があるかもしれないが、プラスの資産とともにマイナスの資産(借入金・ローン)についてもはっきりさせることが肝心だろう。

加えて、個人間でお金を融通し合っているケース(特にこちらが借りている場合)も死亡後、揉めごとに発展しかねない。誰とどんなやりとりがあって、返済状況がどうなっているのかを明記しておくのが無難だろう。

プラスの資産を超える借入金・ローンがあった場合、相続放棄を行うという手も考えられる。ただし、「相続人となった事実を知ってから3カ月以内」というタイムリミットがあるため注意が必要だ。他にも、不動産やゴルフの会員権、海外資産など、多岐に渡る資産を所有している人もいるだろう。

家族が一同に介した機会などを生かして、自分に関わるお金のことをきちんと伝えておくように心がけたいものだ。

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