(提供元:コモンズ投信

マネー リラックス投資術

第4回:「2020年を起点に日本は変わる!その2」

2020/1/7

1.はじめに

前回のコラムで2020年は、日本にとって明治維新や戦後の高度成長と同様に大きな時代の節としての起点になる可能性があると書きました。そして、先日から2020年の東京オリンピック/パラリンピックの種目別の日程や開始時間などの発表も始まり、いよいよ、2020年に向けての準備が加速化しはじめました。

私は、仕事柄、多くの企業経営者とお会いします。大企業の経営者も東証マザーズの経営者も、また、上場を意識している未上場企業のベンチャー経営者にもお会いします。国民的にはまだ2020年で何が変わるの?と思われている方も多いかもしれませんが、企業経営者はこのイベントを飛躍につなげようと頑張っている方がとても多くなっています。

2. 1964年の東京オリンピックはイノベーションの機会だった

まず、前回の起点となった1964年の東京オリンピックを振り返ってみましょう。戦後復興のまさに起点となったこの大会は、1959年5月にアジア初のオリンピック開催が東京に決定したときから、さまざまなインフラ整備が進みました。1964年10月10日の開催の直前となる10月1日に東海道新幹線は全線開通しました。羽田空港からの東京モノレールも9月に開通、首都高速道路も地下鉄も急ピッチで整備されました。また、メイン会場となった国立代々木体育館は丹下健三氏が設計し、観客席に柱が1本もない新しいデザインに世界が驚きました。まさに、近代日本のインフラの骨格がこの時に整備されたわけです。

産業や企業の動向でも多くのイノベーションがありました。この東京オリンピックは「科学のオリンピック」と言われました。電子計算機が導入され競技判定や記録配信の電子化が一気に進んだからです。この電子計算機の導入にともない電子プリンターが世界的にも普及し、セイコーグループだった信州精機は、その後のミニプリンターの開発で社名をエプソンに変えるまでの成長を遂げました。そのセイコーも、オリンピックでは初めてスイスメーカー以外の計測時計として採用され大きく飛躍しました。ちなみに、水泳で使用されるようになったタッチ板でのタイム計測は、この時のセイコーから始まりました。また、当時、世界的にも警備は警察の仕事とされ産業にはなっていませんでしたが、1962年創業したセコムが選手村の警備を請け負ったところから、警備が産業になり始めました。今や警備業界は3兆円を超える市場規模となり、警備員を含め50万人を超える雇用を生み出しています。当時まさにベンチャー企業だったセコムは、オリンピックから10年後に株式上場し、40数年を経て現在、時価総額も約2兆円の大企業に発展しています。その他にも選手村のセントラルキッチン方式が、その後、ファミリーレストランで活用されました。海外から来られる多くの人の食に対応するために冷凍食品のノウハウもこの時に進みました。

このように1964年の東京オリンピックはイノベーションの宝庫となり、日本の技術やサービスが開花するきっかけにもなりました。

3.2020年を起点としたイノベーション

では、2020年は何の起点になるでしょうか?成熟した大都市東京で高度成長を期待するよりも今回はパラリンピックに注力するところにヒントがあると考えています。政府も東京都もパラリンピックに力を入れると表明しています。2020年の東京は推計では4人にひとりが65歳以上になっています。世界で最も高齢化が早い都市東京で、障がい者スポーツであるパラリンピックに力を入れることは、障がい者にとってのやさしい都市づくりの実現につながり、ひいては高齢者にもやさしい都市づくりにもなるはずです。今後、東京に限らずNY、ロンドン、パリ、そして北京でも高齢化は避けられません。世界でも高齢化にやさしい都市づくりはこれからなのです。今回のパラリンピックで、東京がそのモデル になる可能性も十分にありますし、そうなるべきだと考えています。

熱中症の対策としてヒートアイランドを防ぐために、さまざまな環境技術が進み始めています。多くのベンチャー企業もそれに挑戦しています。また、障がい者や高齢者をサポートする器具は、現在は成長産業になっていませんが、今後は成長産業となることでしょう。1964年を起点として日本は非連続な成長を遂げました。新しい産業として警備業界が誕生し、小型電子プリンターを世界的にヒットさせる企業も出てきました。それを支えたのは、起業家精神に溢れるベンチャー企業経営者だったと思います。

今、多くの経営者と会う中で、2020年を起点として日本は再び大きな進化を遂げることが出来ると思うようになりました。そして、日本の大企業もベンチャー企業と組むオープンイノベーションで大きく変化をはじめていますし、メルカリなどに代表される起業家精神に溢れイノベーションを起こす新しい企業も次々と上場してきています。

読者の皆さんが、長期的な資産形成を考えるとき、こうした日本企業に株式や投資信託を通じて投資することは、単にニュースを聞いて知ること以上に体感できる機会となり、自らもその変化に参加している感じが持てるのではないかと思っています。長期投資の面白味はそんなところにあるのです。

以上

著者プロフィール

(著者プロフィール)

1984年山一證券に入社、営業企画部に約9年間在籍し、マーケティング、商品戦略など担当。その後、メリルリンチ日本証券(現三菱UFJモルガン・ スタンレー. PB証券)をへて、2008年9月よりコモンズ投信代表取締役に就任、2012年7月より最高運用責任者を兼務。著書に『「普通の人」が「日本株」で年7%のリターンを得るただひとつの方法』(講談社)、『「市場」ではなく「企業」を買う株式投資』(共著、金融財政事情研究会)、『価値向上のための対話』(共著、日本経済新聞出版社)がある。

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