(提供元:コモンズ投信

マネー リラックス投資術

第6回:「ESG投資」

2020/3/10

1.投資にも社会性が高まる時代に

近年、投資の世界では急速に社会性が求められるようになってきました。この背景には、持続可能性の高い社会を築くためには投資の役割が重要であるとの認識がひろまってきたことがあります。その代表的な投資にESG投資と言われるものがあります。下記は、ESG投資について私たち国民の年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による説明です。GPIFは、ESG投資については世界的にも先導役を務めるようになっています。

ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉です。投資するために企業の価値を測る材料として、これまではキャッシュフローや利益率などの定量的な財務情報が主に使われてきました。それに加え、非財務情報であるESG要素を考慮する投資を「ESG投資」といいます。ESGに関する要素はさまざまですが、例えば「E」は地球温暖化対策、「S」は女性従業員の活躍、「G」は取締役の構成などが挙げられます。ESGという言葉が知られるようになったのは、2006年に国連のアナン事務総長(当時)が機関投資家に対し、ESGを投資プロセスに組み入れる「責任投資原則」(PRI、Principles for Responsible Investment)を提唱したことがきっかけです。2008年のリーマン・ショック後に資本市場で短期的な利益追求に対する批判が高まったこともPRIの署名機関増加につながり、2017年4月時点で1700を超える年金基金や運用会社などがPRIに署名しています。このうち年金基金などアセットオーナーの署名は346にのぼり、その運用資産残高の合計は17兆ドル(約1800兆円)近くに達しました。GPIFも2015年にPRIに署名しています。
【年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のHPより】

2.米国では銃規制にも

米国メディアの報道によると2019年2月に起きた米フロリダ州パークランド(Parkland)の高校銃乱射事件をきっかけに、全米各地で高校生が授業をボイコットしたり、銃規制強化を求める抗議デモが行われました。米国で行われた銃暴力に対する抗議行動としては近年最大の規模となったそうです。こうした機運に対応し、ペイパルやアップルペイでは銃の購入決済には使えないように規制をかけることにしているとのこと。また、運用資産額で650兆円を超える世界最大の運用会社ブラックロックは、銃メーカーや販売店の株式を排除した上場投信(ETF)への投資推奨や新たに銃関連投資回避に特化した株式指数の提供も検討していると表明しました(既にアクティブファンドでは関連企業への投資はしていない)。このように金融業界が社会的責任を果たすことが求められる時代となり、運用会社もその商品や運用において社会性を重視する投資姿勢に転じ始めています。

3.社会的責任投資

また、前述の運用会社ブラックロックの経営者は、投資先経営者に対して、「持続的に繁栄するためにも、すべての企業は財務的な業績の向上を目指すだけでなく、どのように社会貢献するのかを株主や社会に示さなければならない」、「企業は、株主、従業員、顧客およびそれらが活動する地域社会を含むすべてのステークホルダーに利益をもたらさらなければならない」との内容のレターを送り、ウォールストリートで話題となりました。つい最近まで、企業は株主のものとする株主資本主義が揶揄された米国でさえ、こうした傾向になってきているのです。

実は、コモンズ投信では約10年前に起業するにあたり、このブラックの経営者と同じことを日本の企業の経営者に伝えてきています。日本では、昔から近江商人の心得えとして、「売り手良し」、「買い手良し」、「世間良し」の三つの「良し」が大切であり、売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるしてきました。本来、日本企業には適した考え方であるはずです。

皆さんも、投資信託や企業を選ぶ際に、こうした社会性を考慮にいれてみると、投資に対する満足度が高まることにつながると思います。

コモンズ投信株式会社
代表取締役社長兼最高運用責任者
伊井 哲朗

以上

著者プロフィール

(著者プロフィール)

1984年山一證券に入社、営業企画部に約9年間在籍し、マーケティング、商品戦略など担当。その後、メリルリンチ日本証券(現三菱UFJモルガン・ スタンレー. PB証券)をへて、2008年9月よりコモンズ投信代表取締役に就任、2012年7月より最高運用責任者を兼務。コモンズ投信は、長期的な視点を大切に〝投資とは未来を信じる力″と考え、『一人ひとりの未来を信じる力を合わせて、次の時代を共に拓く』とのミッションを掲げる独立系の運用会社。
同社のコモンズ30ファンドは、つみたてNISAでも取り扱われている。また、同社は2018年3月時点での全金融機関の共通KPIでお客さまの97.7%がプラスのリターンを享受し、全ての金融機関でトップとなった。
著書に『「普通の人」が「日本株」で年7%のリターンを得るただひとつの方法』(講談社)、『「市場」ではなく「企業」を買う株式投資』(共著、金融財政事情研究会)、『価値向上のための対話』(共著、日本経済新聞出版社)、『97.7%の人が儲けている投資の成功法則』(日本実業出版社)がある。

当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的としてコモンズ投信が作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼性が高いと判断された情報等に基づいて作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。記載された内容は作成日時点のものであり、将来の株価等の動きやファンドの将来の運用成果を保証するものではありません。ご購入に際しては、必ず販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容をご確認いただき、ご自身でご判断ください。

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