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マネー 2020 年度税制改正

将来に備える 2 つのポイント

2020/06/02

2020年度の税制改正がスタート。今回の改正は、急速に進む人口減少や少子高齢化といった社会情勢の中で、経済成長を持続することを主旨としています。
個人投資の流れを作り出すために、NISAや確定拠出年金(DC)などの制度の見直しも行われました。これは、私たちの将来の資産形成にも影響してくる内容です。
そこで今回は、特に影響がありそうな、NISA と確定拠出年金(DC)の改正について、解説していきます。

税制改正って何?

私たちを取り巻く経済構造や社会情勢などは、時代によって常に変化しています。
そのため、税金についての制度である税制も、その時代にあわせて見直しや調整が必要となってきます。

税制改正とは、その時代の社会情勢などを考慮して、税金の制度を改正するために、年に1度行われる、税制の見直しのことです。

NISA 制度の見直しと延長

2020 年度の税制改正の 1 つとして、個人投資家のための税制優遇制度 NISA の見直しが行われました。

まず、現在の一般 NISA の新規投資枠が、2023 年 12 月 31 日で終了。かわりに新 NISA が創設され、投資期間も、これまでの 2023 年から 2028 年まで 5 年延長されます。

新 NISA には、新たに「積み立て枠」が設けられ、もともとの「投資枠」とあわせて、2 階建ての構造となります。 1 階部分となる、「積み立て枠」に投資した人が、2 階部分となる「投資枠」を使って、従来のように株式投資などができる仕組みです。
つまり原則として、株式投資をするためには、まずは「積み立て枠」への投資が必要となるのです。 ただし、株式投資の経験がある人には例外措置も設けられ、「積み立て枠」に投資しなくても株式投資ができるようになっています。その場合の非課税総額は 5 年間で最大 510 万円です。

「積み立て枠」で選べるのは、つみたて NISA の対象商品に限っています。これは比較的リスクの低い商品を使うことにより、安定した資産形成を促すためです。1 階と 2 階部分を合わせて年間最大 122 万円、5 年間で最大 610 万円の投資が非課税になります。

さらに 2037 年までだった、つみたて NISA の非課税措置の設定期間が、2042 年まで延長されました。これによって、今までつみたて NISA をやっていなかった人も、2023 年までに始めれば、最長20 年間の積立期間を確保できるようになったのです。

確定拠出年金(DC)の見直し

次に押さえておきたいのが、公的年金に上乗せする、確定拠出年金に関する見直しです。

確定拠出年金(DC)は、将来の資金形成を目的とした制度。公的年金である国民年金や厚生年金に対して、私的年金とも呼ばれています。

確定拠出年金(DC)は、大きく分けて企業型と個人型(iDeCo)の2種類があります。 どちらも掛け金が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されるほか、運用益も非課税になります。

さらに、受け取る時も控除が適用され、節税をしながら資産運用ができる、ありがたい制度です。今まではどちらも、加入期間が原則として 60 歳まででしたが、今回の改正によって、2022年5月から iDeCo は 65 歳、企業型は 70 歳までに延長されることになります。
さらに、60 歳から 70 歳までの間で、選択しなければならなかった受給開始年齢が、75歳までの間で選択できるようになります。

その他にも、「企業型」において、2022年5月からは労使の合意などがなくても、iDeCo への加入ができるように要件が緩和されます。

「企業型」を実施していない中小企業が、 iDeCo に加入している従業員の掛け金に上乗せできる「iDeCo+」についても、対象の範囲が、従業員 100 人以下の企業から、300 人以下の企業まで広げられます。

今回の見直しで、確定拠出年金(DC)の対象年齢が引き上げられ、一般的な定年退職年齢である60歳以上でも継続して加入できるため、将来の資産形成をしやすくなりました。また、すでに企業型 DCに加入している方も、 個人型であるiDeCo にも加入しやすくなることにより、将来の資産形成が、より身近になるのではないでしょうか。

税制改正を知って、賢く利用

2020 年度の改正には、その他にも地方を活性化するための税制上の優遇措置として、増える空き地の売却促進や、企業版ふるさと納税の 5 年間延長などが盛り込まれています。

税金や資産形成への影響など、私たちの生活にも関わってくる税制改正。きちんと知って賢く利用していきたいですね。

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