賃貸住宅の更新料の相場はいくら?
入居前に支払いタイミングや注意点を知っておこう

アパートなどの賃貸住宅で契約満了が近づくと、住み続けるか引っ越すかで迷うこともあるでしょう。住み続ける場合に気になるのが、更新料がいくらかかるのかです。この記事では賃貸住宅の更新料の相場や支払うタイミングなど、更新時に役立つ情報を紹介します。
賃貸物件の更新料とは?

そもそも更新料とは、どのような意味合いのお金なのでしょうか。ここでは、更新料の基本について解説します。
更新料は賃貸住宅の大家に支払うお金
賃貸契約には契約期間があり、期間満了で契約を更新するときに入居者が大家に支払うお金が更新料です。アパートなどの賃貸契約は定められた契約期間が満了しても、大家と入居者の合意があれば更新が可能です。更新料は必ず発生するものではありませんが、契約書に明記されていれば有効となります。つまり、更新時に入居者は大家に更新料を支払う義務があるというわけです。
更新料には地域差がある
賃貸契約で更新料を徴収される割合には、地域差があります。国土交通省が2007年(平成19年)に行った、「民間賃貸住宅にかかる実態調査」の結果を紹介します。
都道府県 | 更新料を徴収する割合 |
---|---|
北海道 | 28.5% |
宮城県 | 0.2% |
東京都 | 65.0% |
神奈川県 | 90.1% |
埼玉県 | 61.6% |
千葉県 | 82.9% |
長野県 | 34.3% |
富山県 | 17.8% |
愛知県 | 40.6% |
京都府 | 55.1% |
大阪府 | 0% |
兵庫県 | 0% |
広島県 | 19.1% |
愛媛県 | 13.2% |
福岡県 | 23.3% |
沖縄県 | 40.4% |
出典:国土交通省「民間賃貸住宅にかかる実態調査」
更新料を徴収する割合が高いのは関東で、関西や愛媛県ではあまり徴収しない傾向がわかります。
大家が更新料を徴収する理由
大家が更新料を徴収する理由の上位には、以下のようなものがあります。
・一時金収入として見込んでいる
・長年の慣習
・家賃が低い分の収入を確保
・損耗を補修するための財源
賃貸物件の更新料の相場はいくら?
更新料は法律で定められたものではないため、入居者は賃貸契約で決められた金額を支払います。一般的な更新料の目安は、家賃の1ヶ月分から2ヶ月分です。更新料にも地域差があり、家賃の半月分など相場が低めの地域もあります。
更新料の支払いタイミングはいつ?
賃貸物件の更新料は、更新手続きの際に支払います。ほとんどの賃貸契約の期間は2年です。通常、契約期間の満了が近づくと、不動産管理会社などから契約満了の通知や更新の書類が届きます。そのまま住み続けたいのであれば、期間満了までに更新手続きが必要です。更新料は、支払期日までに口座引き落としや振込などの指定された方法で支払います。
更新料を支払わないとどうなる?

賃貸契約の更新料の支払いは法律で義務づけられていませんが、支払いの拒否はできるのでしょうか。
更新料の支払い義務は契約書を確認する
賃貸契約書に「契約更新時には入居者が家賃1ヶ月分の更新料を家主に支払う」などと明記されていれば、支払う義務があります。一方、契約書に更新料に関する記載がない、または更新料不要などの記載があれば支払う義務はありません。入居者が賃貸契約時に交わした内容を忘れているケースも多いので、契約満了が近づいたら契約書を見返してみましょう。
更新料を支払わないと強制退去のリスクも
契約書に更新料についての記載があるにもかかわらず支払わないと、退去を命じられるなどの可能性があります。アパートなどの賃貸契約では、大家と入居者双方が契約で決めた内容を全うする義務があるからです。入居者が決められた更新料を支払わないことは、大家側が契約解除をするための正当事由になると考えられます。大家からの契約解除が認められれば、入居者は物件を明け渡さなければなりません。更新の意思があるならば、期日までに更新料を支払いましょう。
賃貸契約の更新についての注意点

アパートなどの賃貸契約の期間満了が近づいたとき、更新するかどうかを判断します。ここでは、更新に関わる注意点について解説します。
更新料以外の費用がかかる場合もある
賃貸契約の更新の際には、更新料以外の費用がかかるケースもあります。
火災保険料
多くの賃貸契約では、入居者へ火災保険の加入が求められています。火災保険は、不動産会社が指定した保険会社で契約するケースが多いでしょう。しかし、火災保険の保険料は保険会社によって幅があるため、出費を抑えるには安い保険に乗り換えるのも選択肢となります。
保証料
家賃保証会社を利用している場合は、更新時に保証会社へ保証料の支払いが必要です。保証料は保証会社によって異なります。通常、家賃の滞納のなかった人が更新するケースでは、入居時の保証料より安くなります。
更新手数料
更新料は大家に支払うお金ですが、更新手数料は更新時に不動産会社へ支払います。通常、更新手続きは大家と入居者が直接行わず、不動産会社が仲介します。そこで、不動産会社に対する手数料が発生するというわけです。
不動産会社に費用を確認する
更新料やそのほかの更新に関連する費用を合計すると、まとまった金額が必要な場合もあります。家賃が高めの物件に住んでいる人は更新の費用も高額になるため、注意が必要です。更新にかかる費用の種類や金額を、不動産会社に確認しましょう。
更新が近づいたら更新と引っ越しを比較検討する
賃貸契約の更新は、引っ越しを検討するよいタイミングです。今の物件に不満があったり、より家賃の安い物件が見つかったりした場合は、引っ越しも有力な選択肢となります。通常、引っ越しには多くの費用がかかるため、出費の面では現契約を更新するほうが有利です。しかし、更新した直後に引っ越すと、更新の費用と引っ越し費用が二重にかかります。早めに検討して、結論を出すようにしましょう。引っ越しを決めた場合は、1ヶ月前までに不動産会社または大家へ退去の連絡が必要です。
更新料なしの賃貸住宅に注意する
最近では賃貸契約が自動更新されて、更新料がかからない契約もあります。更新料がかからないのは有利に思えますが、デメリットもあるため注意が必要です。
更新料がなくても有利とはいえないケースも
大阪府や兵庫県は更新料がかからない地域ですが、敷金や礼金が高めに設定される傾向があります。つまり、更新料以外でお金を徴収しているのです。また、長く空室が続く物件では、更新料や敷金・礼金などすべてを無料にしているケースもあります。費用が抑えられると喜んで入居したら、条件の悪い物件だったなどと後悔することになりかねません。賃貸契約を結ぶ際には、更新料だけでなく内容を詳しく確認するようにしましょう。
まとめ
アパートなどの賃貸契約の多くは2年契約で、更新時には更新料がかかるケースもあります。更新時にかかる費用はほかにもあるため、家賃が高めの物件では高額の出費になるかもしれません。更新が近づいたら支払う費用を確認し、早めに対策を考えることが大切です。直前になって慌てないようにしましょう。

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