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ブロックチェーンとは?
気になるその仕組みや活用が期待されている分野を解説

2023/07/06

そもそもブロックチェーンとは?暗号資産やNFTとの違いは何か

ブロックチェーンは一言でいうと、インターネット上で情報を安全に記録・管理するための特別な技術です。取引データなどの情報をひとまとまり(ブロック)にして、それを鎖(チェーン)のように繋げていく構造からブロックチェーンという名称がつきました。

ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)を初めとする暗号資産やNFT(Non-Fungible-Token)について、よくブロックチェーンとまとめて議論されることが多いことから、それぞれの意味や役割を曖昧に捉えてしまう人も少なくないです。ですので、暗号資産やNFTに少しでも興味を持たれてる方は、以下の記事を参考にそれぞれの意味や役割を理解しておきましょう。

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ブロックチェーンの4つの特徴

情報の改ざんやハッキングなどに対する耐久性の高さで注目を集めているブロックチェーンですが、実際に世界で初めて開発されたビットコイン(BTC)で活用されているブロックチェーンは、これまで1度もハッキング被害を受けたことがありません。

ここではブロックチェーンの安全性や利便性の高さを裏付ける4つの特徴についてご紹介します。

① P2P(ピアツーピア)ネットワーク

(ブロックチェーンとは?特徴やメリット・デメリットを基礎からわかりやすく解説|Coincheck column)

まず1つ目の特徴として、ブロックチェーンでは、情報管理に安全性が高いP2Pネットワークを採用している点が挙げられます。P2Pネットワークとは、複数の※ノード(node)がデータを分散して情報共有するシステムのことです。

従来のクライアントサーバーシステムでは、中央サーバーがダウンすると、システム全体が停止してしまうという問題がありました。しかしP2Pネットワークでは、複数のノードがデータを分散して管理しているため、たとえサーバーの1つがハッカーによる攻撃によってダウンしたとしても、システム全体には影響を及ぼしません。
またハッカーによってデータのファイルが失われた場合でも、他のサーバにデータが保管されているため、再び復元することも可能です。多くのノードにデータが分散して保存されることで、リスクも1カ所に集中せずに分散することができるのです。

P2Pネットワークを採用することで、ブロックチェーンはノードが相互に監視しあう分散型のシステムになっており、これまでの中央集権型の情報管理システムとは異なる特徴とされています。

※ ノード・・「ビットコインなど、特定の暗号資産のネットワークに接続したコンピュータ端末」のことで、peer(ピア)とも呼ばれる。

② 暗号技術

次に挙げられるブロックチェーンの特徴は、暗号技術が導入されている点です。
暗号技術とは、データの内容を第三者にわからない形式に変換し、その変換したデータを元に戻すための技術です。暗号技術は、公開鍵と秘密鍵の2つのペアとなる鍵を利用してデータのやり取りを行い、暗号化したデータはこの2つがないと複号できない仕組みになっています。

公開鍵は第三者にも公開されますが、暗号の解除は秘密鍵がないと行うことができません。そのため、秘密鍵さえ盗まれなければ、暗号資産の高い安全性を確保することが可能になるのです。

③ コンセンサスアルゴリズム

3つ目の特徴は、コンセンサスアルゴリズムと呼ばれる取引データの正確性を担保する仕組みです。
ブロックチェーンは取引データをブロックという単位で管理し、新しい取引データはコンセンサスアルゴリズムという任意の基準に基づいて、正しいと判断された時に初めてブロックチェーンの最後尾に追加されます。
コンセンサスアルゴリズムにはいくつかの種類が存在しますが、ここでは最も代表的なアルゴリズムである「PoW(Proof of Work)」を紹介します。

PoWとは、ビットコイン(BTC)に使用されるアルゴリズムであり、新しいブロックを追加するには難解な計算問題を解く必要があります。この計算作業(取引の承認作業)のことをマイニングと呼び、マイニングが最初に成功した人には、報酬としてビットコインが与えられる仕組みになっています。

膨大な計算をしないと承認できない仕組みにすることで、PoWは不正を防いでいます。

コンセンサスアルゴリズムの種類

  • PoW(Proof of Work)
  • PoS(Proof of Stake)
  • Pol(Proof of Importance)
  • PoC(Proof of Consensus)
  • DPoS(Delegate Proof of Stake)

④ スマートコントラクト

(スマートコントラクトとは?仕組みやイーサリアム(ETH)との関係を解説!|Coincheck column)

4つ目の特徴は、スマートコントラクトという仕組みです。
スマートコントラクトとは、イーサリアム(ETH)を初めとする暗号資産に備わっている「人の手を介さずに契約内容を自動で実行してくれる仕組み」で、契約成立の条件と成果を明文化して事前に実行コードとして共有しておくことで、全ノードによる監視の下、公平にプログラムが自動で実行することができます。
第三者を介さずに契約プロセスを自動化できるので、取引期間の短縮化や人件費の削減などを実現できるのが、スマートコントラクトの最大のメリットです。

ブロックチェーンの活用が期待される3つの分野

金融

暗号資産による送金は、金融機関を介さないため手数料が非常に低く、しかも24時間機能しますので、すでに海外為替取引などに活用された実例もあります。
株券などの有価証券を電子データ化し、ブロックチェーン上で管理すれば、高いセキュリティを維持したまま運用コストを下げることができます。

エンターテインメント

エンターテイメント、特にゲームの世界は、ブロックチェーンの活用が大きく期待されている分野の1つです。例えば、個性的なキャラクターをペットとして育てる「CryptoKitties」というNFTゲームでは、スマートコントラクトによる課金システムがとられており、その機能を使って育てたキャラクターをNFTとして個人間で売買することができます。
また、理論上はゲーム内で稼いだ暗号資産をドルや円といった法定通貨に換えることも可能となります。

不動産

ブロックチェーンの持つ非改ざん性、安定性、信頼性、さらにスマートコントラクトによる高効率な自動契約機能は、各種のデータ管理や登記の自動化に適しています。車の登録や土地の登記、債権の売買なども、仲介者の手を借りず、自動的かつ確実に契約が実行されることで、時間とコストの削減効果は非常に大きいといえます。
さらにはホテルに宿泊する権利や、そこで行われるイベントへの参加権を組み合わせたメンバーシップNFTとして販売するなど、不動産業界へのブロックチェーンの新たな活用方法も広がっています。

まとめ

暗号資産やNFTの根幹を支える技術、ブロックチェーンについて解説してきました。
ブロックチェーンを活用したサービスは日々生み出されて、従来の作業がより効率化され、同時に新たな価値も生み出されています。ブロックチェーンはまさに、将来を変える可能性を秘めているテクノロジーと言えるでしょう。



監修 大塚 雄介

コインチェック株式会社 執行役員
早稲田大学大学院修了。株式会社ネクスウェイを経て、コインチェック株式会社に参画。 現在は執行役員として、マーケティングや広報、株主総会支援事業などを統括をするかたわら、暗号資産の啓蒙や業界トレンドの発信などの活動も行う。著書に最新 いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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