車のローンの審査基準は?
通らない理由や対策をわかりやすく解説

車を購入する多くの方が直面するのが、ローン審査の壁です。審査では、財政状況や過去の信用履歴などが調査されます。この記事では、車のローン審査の基準や審査に通らない原因、対策方法や代替案を紹介します。マイカーを計画中の方だけでなく、審査に落ちてしまった方も、再挑戦のヒントを見つけましょう。
車のローン審査で見られる6つの基準

審査に通るかどうかは、いくつかの重要な判断材料によって決まります。まずは、車のローン審査で見られる主な基準について見ていきましょう。
年収
年収は審査の基本的な条件です。年収が高いほど、返済能力が高いと判断されます。多くの金融機関では、年収200万円以上が目安です。
ただし、他の借入状況や家族構成などによっても判断が変わるため、年収だけで結果が決まるわけではありません。
雇用形態
雇用形態として、正社員は審査で評価されやすい傾向があります。また、アルバイトやフリーランス、契約社員も、一定の収入が継続的に得られていることを証明できれば、審査に通る可能性は十分にあります。
勤続年数
同じ職場での勤務期間が長いほど、審査の際に好印象を与えられます。申込者が特定の専門職(医師や弁護士など)の場合、勤続年数が短くても審査で優遇される場合があります。
他の借入
すでに抱えている借金も審査対象で、総額は慎重にチェックされます。特に年収の3分の1を超える債務がある場合は、審査で不利になります。リボ払いやカードローンは高金利であるうえに審査にも影響するため、早めの完済を目指しましょう。
過去の返済履歴や信用情報
金融機関は信用情報機関を通じて、申込者の過去の金融取引履歴を把握しています。過去に延滞や滞納などの事故歴があると、約5年間はその影響が続きます。
年齢
若すぎる場合や、返済期間が定年を超える場合は、収入減少リスクが考慮され、より詳細な審査が行われます。
車ローンの審査に通りやすくするための対策

審査のポイントがわかったところで、次に気になるのは「どうすれば通りやすくなるか」という点ではないでしょうか。ここでは、審査を有利に進めるための具体的な対策を解説していきます。
頭金を増やす
頭金を増やすことは、借入額を減らすシンプルな対策です。300万円の車に頭金を100万円用意すれば、ローンは200万円になります。これにより月々の負担が軽減されるだけでなく、審査での印象も格段に向上します。
返済期間を長くする
返済期間を長くするほど月々の返済額は下がるため、返済能力に余裕があると判断されやすくなります。ただし、長期化すると支払う利息の総額は増えるため、最適なバランスを見つけることが大切です。
他の借り入れを返済しておく
新たな借入前に、既存の債務を減らしておくことは非常に効果的な対策です。高金利のリボ払いやカードローンを優先して返済することで、経済的なメリットもあります。
同時申込に注意が必要
短期間に複数の金融機関にローンを申し込むと、信用情報機関に多数の照会記録が残り、審査に悪影響を及ぼします。まずは1社に絞って、焦らず審査結果を待ちましょう。
車のローン審査に通らない原因

審査に通るための工夫をしても、思わぬ落とし穴がある場合もあります。そこで、審査に落ちてしまう代表的な理由について見ていきましょう。
収入が安定していない
不規則な収入パターンは将来の返済計画が立てづらく、金融機関から見ると「リスク」と映ります。そのため、安定した収入源を確保してから再チャレンジするのが賢明です。
信用情報に問題がある
過去の延滞記録は「信用スコア」を下げ、ローンが通らない要因になります。これらの情報は一定期間(通常5年)保持されるため、その間は審査に通りにくくなります。不安がある場合は、事前に信用情報機関に確認し、問題があれば時間をかけて信用回復に努めましょう。
借入額が高すぎる
現時点での借入残高が多い、もしくは希望する融資金額が収入に対して過大だと、審査の壁は高くなります。すでに年収の3分の1以上の借金を抱えている方や、予算オーバーの車を検討している場合は、要注意です。
たとえ審査を突破できたとしても、返済に追われる毎日では、憧れの車も重荷に変わってしまいます。手頃な車種への変更や頭金増額を検討し、余裕のあるカーライフを計画しましょう。
車のローン審査に落ちたときの対処法

審査に落ちたからといって、車を手に入れる手段がなくなったわけではありません。視点を変えれば、まだまだ多くの可能性があります。最後に、審査に落ちたときの対処法をわかりやすく紹介します。
別の車種やグレードの検討
より手頃な車への切り替えを検討し、借入総額を減らしましょう。トップグレードから標準モデルへ、普通車から軽自動車へと変更することで、大幅な費用削減が可能です。
中古車の検討
数年落ちの条件の良い中古車でも、新車価格の半額程度で手に入ることもあります。現代の中古車は品質が向上しており、適切に整備されていれば長く使用できます。整備記録や車検証の確認を忘れずに行い、信頼できる販売店で購入するのがポイントです。
リースの検討
所有ではなく「使用権」を得るリースは初期費用を抑えられ、審査基準も比較的緩やかです。定期的に新車に乗り換えたい方や、長期保有にこだわらない方に適しています。
カーシェアの検討
都市部を中心に急速に普及しているカーシェアは、所有コストゼロで必要なときだけ車を利用できる画期的なサービスです。週末だけのドライブや買い物など、限定的な用途なら経済的でスマートな選択肢です。
別の金融機関やローンを検討
実は金融機関によって、審査対象や基準には差があります。つまり、審査に通らなかった場合でも、別の金融機関では可能性が残っているのです。以下で主な選択肢をご紹介します。
銀行のカーローン
銀行のカーローンの審査のハードルはやや高いですが、金利が低めで、長期間の借入にも対応しています。安定した収入があり、信用履歴に問題がない方には適しています。
銀行カーローンの金利目安
- 1.5~4.0%程度
ディーラーローン
ディーラーローンは、自動車販売店が提供するローンです。金利は少し高めですが、審査はやや緩やかといえます。購入と同時に手続きができる手軽さも魅力です。セールス担当者との交渉次第で、金利優遇などの特典が得られることもあります。
ディーラーローンの金利目安
- 2.0~5.0%程度
自社ローン
中古車販売店などが独自に提供する自社ローンは、審査基準が緩やかです。ただし、金利が高いため、総支払額は増加します。他の選択肢がない場合の手段として検討しましょう。
自社ローンの金利目安
- 3.0~9.0%程度
まとめ
車のローン審査には、さまざまな要素が影響します。審査に通らない場合でも、車種の見直しや別の金融機関の検討など、代替案はたくさんあります。
車は生活を便利にする大切な道具ですが、ローンが生活の負担になっては意味がありません。計画的な資金準備と冷静な判断で、長く楽しいカーライフを送りましょう。

2023年にファイナンシャルプランナーとして独立。
商品販売は一切行わず、金融教育や投資の普及を目指し、特に学生や若い世代のマネーリテラシー向上に注力。
金融系メディア等で年間200本以上の執筆・監修に携わる。10代から投資経験を積み、資産運用分野を得意とする。