ボーナスの平均手取り金額は?
【年代・業種別】計算方法や四国の賞与事情について

コロナ禍の影響でボーナスの支給額は減少傾向にあるといわれていますが、実際はどうなのでしょうか。自分のボーナスが平均より多いか少ないか、気になる人もいるかもしれません。この記事ではデータをもとに、年代や地域などのさまざまな切り口から最近のボーナス事情を紹介します。
データで見るボーナス(賞与)の支給額

ボーナスの統計調査の金額を年代や性別、業種などさまざまな視点で見ていきましょう。
年代別のボーナス(賞与)の平均支給額
最初に、2020年(令和2年)の年代別、男女別のボーナスの年間平均支給額を紹介します。
年代 | 男性 | 女性 | 全体 |
---|---|---|---|
19歳以下 | 14万1,500円 | 10万3,100円 | 12万7,000円 |
20歳~24歳 | 41万1,000円 | 34万2,100円 | 37万8,100円 |
25歳~29歳 | 71万6,100円 | 59万2,800円 | 68万5,100円 |
30歳~34歳 | 88万8,700円 | 62万800円 | 79万5,000円 |
35歳~39歳 | 105万7,800円 | 68万8,300円 | 93万5,400円 |
40歳~44歳 | 119万3,300円 | 72万4,600円 | 103万6,600円 |
45歳~49歳 | 133万1,100円 | 76万200円 | 113万3,100円 |
50歳~54歳 | 148万400円 | 74万4,000円 | 121万8,500円 |
55歳~59歳 | 144万5,700円 | 70万6,800円 | 119万200円 |
60歳~64歳 | 76万1,600円 | 46万2,100円 | 67万500円 |
65歳~69歳 | 39万4,600円 | 28万9,400円 | 36万3,400円 |
70歳以上 | 25万8,800円 | 30万6,300円 | 27万2,700円 |
全体平均 | 106万300円 | 62万8,400円 | 90万5,700円 |
出典:厚生労働省「2020年(令和2年)賃金構造基本統計調査」
年齢とともに評価が反映されるように
2020年(令和2年)の1年間のボーナスの平均支給額は全体で90万5,700円、毎月の給与に対する割合は2.73ヶ月分でした。年齢別では、35歳以降の男性の支給額の伸びが顕著です。30代以降は実績により、個人差が広がる傾向にあると考えられます。30代以降の女性の支給額が頭打ちになるのは、結婚や出産による休業で昇給しにくくなることなどが想定されます。
業種別のボーナス(賞与)の平均支給額
年代別と同じデータによる業種別の年間平均支給額は、以下のとおりです。
業種 | 賞与支給額 |
---|---|
鉱業・採石業・砂利採取業 | 126万3,500円 |
建設業 | 104万1,100円 |
製造業 | 103万5,700円 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 124万3,600円 |
情報通信業 | 130万2,100円 |
運輸業・郵便業 | 63万9,500円 |
卸・小売業 | 90万3,200円 |
金融・保険業 | 134万6,000円 |
不動産・物品賃貸業 | 109万7,600円 |
学術研究・専門技術サービス業 | 138万9,500円 |
宿泊・飲食サービス業 | 35万3,000円 |
生活関連サービス・娯楽業 | 45万400円 |
教育・学習支援業 | 124万8,500円 |
医療・福祉 | 73万500円 |
複合サービス事業 | 98万9,600円 |
サービス業(ほかに分類されないもの) | 55万1,900円 |
全体平均 | 90万5,700円 |
出典:厚生労働省「2020年(令和2年)賃金構造基本統計調査」
コロナ禍による影響も
業種別では、宿泊・飲食サービス業と生活関連サービス・娯楽業の支給額の低さが目立ちました。いずれも新型コロナウィルス感染症の影響が大きな業種で、ボーナスからも業績不振である様子がうかがえます。
ボーナス(賞与)の支給額の前年比の推移
ボーナスの支給額は、景気動向に左右されます。支給された会社での従業員一人あたりの平均支給額の、前年比の推移を紹介します。
夏賞与 | 冬賞与 | |
---|---|---|
2016年(平成28年) | +2.6% | +0.2% |
2017年(平成29年) | +0.4% | +3.0% |
2018年(平成30年) | +4.2% | +1.2% |
2019年(令和元年) | -1.5% | -0.1% |
2020年(令和2年) | +0.5% | -2.6% |
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2021年(令和3年)2月分結果速報等」
夏・冬ともに大きな変動があった5年間
前年比の推移では、2018年(平成30年)までは好調だったことがわかります。そこからマイナスに転じ、2020年(令和2年)の夏にやや回復したものの、減少傾向が続いています。
都道府県別のボーナス(賞与)の平均支給額はいくら?全国と四国を比較!

ボーナスの支給額の地域差は大きいのでしょうか。厚生労働省の「2020年(令和2年)賃金構造基本統計調査」をもとに、検証していきます。
都道府県別のボーナス(賞与)の支給額
最初に、主な都道府県のボーナスの支給額を紹介します。
都道府県 | 賞与支給額 |
---|---|
北海道 | 72万3,700円 |
宮城県 | 79万1,000円 |
東京都 | 119万6,800円 |
神奈川県 | 99万6,900円 |
愛知県 | 107万600円 |
大阪府 | 95万400円 |
福岡県 | 79万4,800円 |
愛媛県 | 69万2,000円 |
全国 | 90万5,700円 |
出典:厚生労働省「2020年(令和2年)賃金構造基本統計調査」
大都市ほど支給額は多い傾向に
賞与の支給額は、規模の大きな企業を擁する都道府県ほど高いことがわかります。しかし、大きな会社がある都会では収入は多くても物価が高く、生活が苦しい可能性もあります。
四国各県のボーナス(賞与)の支給額
都道府県 | 賞与支給額 |
---|---|
香川県 | 77万7,300円 |
徳島県 | 76万8,500円 |
愛媛県 | 69万2,000円 |
高知県 | 63万8,000円 |
出典:厚生労働省「2020年(令和2年)賃金構造基本統計調査」
四国のボーナス支給額は低め
全国平均と比べて、四国各県のボーナス支給額は低めです。ただし、全国平均を上回るのは7都府県にとどまり、支給額が高い地域と低い地域の格差が広がっている状況といえます。四国を含めボーナス支給額が低めの都道府県は労働人口が少ない傾向にあり、生産性の低さが要因の一つと考えられます。
ボーナスの支給額から手取りを計算する方法

ボーナスの手取りは、支給額から社会保険料や税金を差し引いたものです。ここでは、支給額から手取りを求める方法を解説します。
ボーナス(賞与)の支給額と手取りの違いとは?
支給額や手取りなど、お金を意味する言葉にはそれぞれ違いがあります。
支給額と手取りの意味
会社が支給するボーナスの額面と、従業員が受け取る手取りは異なります。一般的にボーナスの手取りは、支給額の約8割になるといわれています。
支給額と手取りの違い
- 支給額:会社が従業員に支給するボーナスの額面で、従業員にとっての収入金額
- 手取り:支給額から社会保険料や税金を差し引いた、従業員が実際に受け取る金額
毎月の給与は基本給に諸手当を加えたもの
ボーナスの支給額は給料の1.5ヶ月分のように、毎月の給与を基準にしている場合が多いです。給与とは、基本給に会社が定めた諸手当を含めたものです。しかし、一般的には賞与のもとになる給与には手当は含まれず、基本給部分をベースに計算します。
手取りを計算する方法
愛媛県の会社に勤務する30代・扶養家族2人のサラリーマンが、額面50万円のボーナスを支給された場合の手取りを試算します。なお、前月の給与は30万円、加入する健康保険組合は協会けんぽとします(雇用保険料は考慮しません)。
社会保険料
社会保険料の料率は、都道府県や加入している健康保険組合によって異なります。愛媛県の協会けんぽの場合、50万円ならば30等級に該当します(出典:全国健康保険協会「2021年(令和3年)度保険料額表」)。
社会保険料(30等級):健康保険料2万5,550円+厚生年金保険料4万5,750円=7万1,300円
所得税
ボーナスにかかる所得税の源泉徴収税率は、前月の給与から社会保険料を引いた額と扶養人数によって決まります(出典:国税庁「2022年(令和4年)分源泉徴収税額表」)。
所得税の計算手順
- 前月の社会保険料(料率22等級):健康保険料1万5,330円+厚生年金保険料2万7,450円=4万2,780円
- 社会保険料控除後の給与額:30万円-4万2,780円=25万7,220円→税率2.042%
- 所得税:(50万円-社会保険料7万1,300円)×2.042%=8,754円
ボーナスの手取り
手取り:50万円-(社会保険料7万1,300円+所得税8,754円)=41万9,946円
額面50万円のボーナスの手取りは約42万円となりました。
まとめ
日本の賞与の支給額には、業種や地域による差があります。四国各県の賞与の支給額は低めですが、それには労働人口の少なさが原因の一つです。しかし、昨今のテレワークの普及などで、自然豊かな地方への移住を考える人も増えました。今後は四国への移住による人口増や、産業の活性化が期待されるでしょう。

関連リンク

この記事が気にいったら
シェアしよう
