退職後に必要な手続きの順番は?
必要書類や期限、注意点をわかりやすく解説
会社を退職すると、健康保険や年金、雇用保険などの手続きが必要になります。期限に遅れないよう、事前に流れを把握しておくことが大切です。本記事では、退職後に必要な手続きを順番に確認できるよう、必要書類や期限、注意点をわかりやすく解説します。
退職後に必要な手続きとは?
会社を退職すると、健康保険や年金、雇用保険、税金などに関する手続きが必要になります。ただし、退職後すぐに再就職する場合と、しばらく再就職しない場合では、必要な手続きが異なります。まずは自分の状況に応じて、どのような手続きが必要なのかを確認しましょう。
退職後に必要な主な手続きは5つ
退職後に必要となる手続きは、次の順番で考えていくとスムーズです。
退職後に必要な手続きの順番
- 年金の切り替え
- 健康保険の切り替え
- 雇用保険(失業保険)の手続き
- 住民税の支払い
- 確定申告
特に健康保険や年金の切り替えには期限があるため、会社から受け取る書類を確認しながら順番に準備を進めましょう。
退職後の状況によって必要な手続きは異なる
退職後すぐに再就職する場合は、再就職先で健康保険や厚生年金の加入手続きが行われます。一方、再就職まで期間が空く場合や、自営業・フリーランスになる場合などは、自分で国民健康保険や国民年金への加入手続きが必要です。
また、失業保険を受給する予定があるかどうか、年内に再就職するかどうかによっても異なります。退職後の状況により、必要な手続きを確認しておきましょう。
退職直後に会社から必要書類を受け取る
退職後の手続きをスムーズに進めるためには、まず会社から必要書類を受け取ります。健康保険や年金、雇用保険などの手続きで使用するため、退職時に受け取る書類は大切に保管しておきましょう。
退職時に会社から受け取る主な書類
- 離職票
- 健康保険資格喪失証明書
- 源泉徴収票
- 年金手帳または基礎年金番号通知書(会社に預けていた場合)
以下、退職後に必要な手続きについて、順番に解説していきます。
退職後は年金の切り替え手続きを行う
厚生年金は、会社を退職すると加入資格を喪失します。退職後すぐに再就職する場合や配偶者の扶養に入る場合を除き、国民年金への切り替え手続きが必要です。
国民年金への切り替えが必要なケース
次のような人は国民年金への切り替えが必要になるため、退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区町村役場(またはマイナポータルからの電子申請)で手続きします。
国民年金への切り替えが必要な人
- 退職後に自営業やフリーランスになる人
- 退職後しばらく再就職せず、配偶者の扶養にも入らない人
退職後に配偶者の扶養に入る人は国民年金第3号被保険者となりますが、この場合には配偶者の勤務先を通じて手続きが行われます。
年金の切り替えに必要な書類
国民年金への切り替え手続きの際には、次のような書類が必要になります。
国民年金への切り替え手続きの必要書類
- マイナンバーまたは基礎年金番号の確認ができるもの
- 本人確認書類
- 健康保険・厚生年金保険の資格喪失日や離職日が記載されている書類
退職後は健康保険の切り替え手続きを行う
退職後すぐに再就職しない場合は、自分で健康保険を選択し、切り替え手続きを行う必要があります。
退職後の健康保険は3つの選択肢がある
退職後の状況によって、選択できる健康保険は異なります。選択肢は主に次の3つです。
任意継続制度を利用
任意継続制度とは、退職により健康保険の加入資格がなくなっても、最長2年間引き続き退職前の健康保険に加入できる制度です。保険料は会社負担がなくなるため、原則として全額自己負担となります。
家族の健康保険の扶養に入る
家族が勤務先の健康保険に加入している場合には、条件を満たしていれば、その家族の「被扶養者」になれます。被扶養者の保険料負担はないため、経済的なメリットが大きい選択肢です。
国民健康保険に加入
任意継続制度を利用せず、家族の健康保険の扶養にも入らない場合は、国民健康保険に加入する必要があります。国民健康保険は、自営業者やフリーランス、無職の人など、勤務先の健康保険などに加入していない人を対象とする制度です。保険料は所得や加入者数などに応じて決まります。
健康保険の切り替え期限と必要書類
健康保険の切り替え手続きは、選択する制度によって期限や必要書類が異なります。
| 手続き期限 | 手続きの窓口 | 主な必要書類 | |
|---|---|---|---|
| 任意継続 | 退職日の翌日から20日以内 | 加入していた健康保険(協会けんぽまたは健康保険組合) |
|
| 家族の扶養 | 期限なし(できるだけ早め) | 家族の勤務先 |
|
| 国民健康保険 | 退職日の翌日から14日以内 | 市区町村役場 |
|
期限や必要書類についての詳細は、加入先で直接確認するか、ホームページ等を参照してください。
離職票が届いたら雇用保険の手続きを行う
退職後、再就職する意思があるものの再就職先が決まっていない場合は、一定の要件を満たせば雇用保険の基本手当(失業保険)を受給できます。雇用保険の手続きをするためには、離職票が必要です。
失業保険を受給する場合はハローワークで申請する
離職票は退職後1~2週間程度で、元の勤務先から送られてきます。離職票が届いたら、住所地を管轄するハローワークで求職の申込みと受給手続きを行います。
雇用保険の手続きに必要な書類
失業保険の受給手続きには、主に次の書類が必要です。
雇用保険の手続きの必要書類
- 離職票(離職票-1、離職票-2)
- マイナンバーが確認できる書類
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
- 写真2枚(マイナンバーカード提示で省略可)
退職後の住民税や確定申告を確認する
退職後は、住民税や所得税についても注意が必要です。特に、退職時期や年内に再就職するかどうかによって、住民税の支払い方法や確定申告の必要性が変わることがあります。
退職時期によって住民税の支払い方法が異なる
住民税は前年の所得をもとに課税されるため、退職後も支払いが必要です。支払い方法は退職時期によって次のように異なります。
1月から5月に退職した場合
5月分までの住民税が、最後の給与・退職金から一括徴収されます。
6月から12月に退職した場合
退職した月の分までは最後の給与から天引きされ、残りの期間(翌年5月まで)の分については、後日、市区町村から届く納付書で支払います。ただし、本人が希望すれば、最後の給与や退職金から残りを一括徴収してもらうことも可能です。
年内に再就職しない場合は確定申告を確認する
退職後、年内に再就職しない場合には、年末調整を受ける機会がありません。そのままでは、源泉徴収された所得税が本来納めるべき税額より多くなっていることがあります。翌年1月1日以降に確定申告を行うことで、払い過ぎた所得税が還付される場合があります。
確定申告を行う際は、源泉徴収票が必要です。源泉徴収票は、原則として退職後1か月以内に前勤務先から交付されます。届かない場合は、前勤務先へ問い合わせてみましょう。
退職後の手続きで注意したいポイント
退職後の手続きは、期限が設けられているものも多くなっています。スムーズに手続きを進めるために注意しておきたい点を説明します。
再就職の時期に応じて必要な手続きを確認する
すぐに再就職する場合、新しい勤務先で健康保険や厚生年金の加入手続きが行われるため、自分で手続きをする必要は基本的にありません。一方、再就職まで期間が空く場合は、国民健康保険や国民年金への加入手続きなどを自分で行う必要があります。
退職が決まったら、自分に必要な手続きを確認しておきましょう。
税金や保険料の支払いに備える
退職後収入が減少したり途絶えたりしても、住民税や健康保険料、国民年金保険料などの支払いは発生する場合があります。退職後の生活費だけでなく、税金や保険料の支払いも見据えて資金を準備しておくことが大切です。
保険料や税金が払えない場合は、国民年金保険料の免除・納付猶予制度や、国民健康保険料の減免制度などを利用できる場合があります。支払いが難しいときはそのまま放置せず、早めに市区町村などの窓口へ相談しましょう。
まとめ
退職後は、年金や健康保険、雇用保険、税金などの手続きが必要です。ただし、必要な内容は退職後の状況によって異なります。全体の流れを把握して期限内に手続きを完了させ、安心して新生活をスタートさせましょう。
大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。



