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年金の最高額はいくら受け取れる?
受給額を減らさない条件や安心できる老後計画を知ろう

2025/05/26
(提供元:Mattrz
年金の最高額はいくら?制度の仕組みと受け取る条件、計算方法を紹介

年金の最高額を知るためには、年金制度の基本的な仕組みを理解する必要があります。そのため、最高額に関する疑問を抱くことは、年金の仕組みを知るいいきっかけです。この記事では、年金の最高額を紹介するとともに、受給額を減らさない方法と増やす方法を解説し、計画的に老後資金を準備するための考え方をまとめます。

年金の基本的な仕組みを理解しよう

年金の基本的な仕組みを理解しよう

年金の最高額を紹介する前に、日本の年金制度の基本的な仕組みについて解説します。年金受給額を最大化するための知識を整理しておきましょう。

公的年金の種類と特徴

日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の二階建てです。国民年金はすべての国民が加入する制度です。国民年金保険料を納付することで、将来、老齢基礎年金を受け取れます。
一方、厚生年金は会社員や公務員が加入する年金制度です。収入に応じて厚生年金保険料が決まり、納付した保険料の額によって、将来受け取れる老齢厚生年金の受給額が変わります。

年金受給のタイミングと金額の関係

年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、個人の事情に応じて柔軟に調整できます。
60歳から早めに受給を始める「繰上げ受給」や、75歳まで受給を遅らせる「繰下げ受給」が可能です。繰上げ受給を選ぶと、生涯にわたって減額された年金を受け取ることになり、繰下げ受給を選ぶと、受給開始が遅れる分、増額された年金を生涯受け取れます。

年金の最高額を受け取るための条件

年金の最高額を受け取るための条件

公的年金の老齢厚生年金と老齢基礎年金の最高額を求めるために、年金制度の仕組みや条件について解説します。理論上の最高額で現実的ではないかもしれませんが、年金の仕組みを理解するヒントになるでしょう。

厚生年金の最高額を決める要素

老齢厚生年金の受給条件と加入期間

会社員は厚生年金保険料を納めることで、将来、老齢厚生年金を受け取れます。老齢厚生年金の受給額は加入期間と標準報酬月額で決まり、長期間保険料を支払うほど受給額が増えます。

厚生年金の適用事業所に入社すると、自動的に厚生年金に加入します。老齢厚生年金の最高額を受け取るには、16歳から70歳までの54年間、加入し続ける必要があります。

標準報酬月額

厚生年金保険料は、標準報酬月額をもとに計算されます。月収65万円なら標準報酬月額は63.5万円~、62万円~65万円未満なら60.5万円~63.5万円です。標準報酬月額の上限は65万円のため、月収63.5万円以上を維持する必要があります。

賞与

賞与にも厚生年金保険料がかかります。厚生年金の対象となる賞与は、年3回までで最大150万円です。つまり、賞与の最大影響額は450万円(150万円×3回)です。
賞与の場合、450万円がそのまま標準賞与額となります。

老齢厚生年金の最高額の計算方法

加入期間と標準報酬額をもとに、次の式で老齢厚生年金の最高額を算出してみましょう。

  • 標準報酬額:65万円 + 450万円 ÷ 12ヶ月 = 102.5万円
  • 102.5万円 × 5.481/1,000 × 648ヶ月(54年×12ヶ月) = 3,640,480.2円

年間約364万円を受け取れる計算ですが、16歳から月収63.5万円以上で54年間働くのは現実的には難しいかもしれません。

国民年金(基礎年金)の満額条件

老齢基礎年金の満額を受け取るには、40年間の保険料を納める必要があります。保険料の未納期間があると年金額が減るため、できるだけ全期間にわたって納めることが大切です。
2024年の老齢基礎年金の満額は、月額6万8,000円、年額81万6,000円です。老齢厚生年金と合わせると、年金の最高額は約445万円となります。

年金額を減らさない・増やすためのポイント

年金額を減らさない・増やすためのポイント

着実に老後資金を準備するためには、自分に合った方法を選択することが大切です。ここでは、年金制度を最大限に活用するためのポイントを解説します。

年金受給額を減らさないための注意点

年金受給額を減らさないためには、未納期間を作らないようにしてください。なぜなら、未納期間があると年金額が減ってしまうためです。

厚生年金はできるだけ長く加入し、転職時の空白期間を作らずに収入を下げないことが大切です。国民年金は、会社員や公務員なら自動的に納付されますが、転職や扶養から外れたときは加入手続きを忘れないようにしましょう。

年金受給額を増やすための方法

年金受給額を増やすには、長く加入して保険料を継続的に納めることが基本です。
「繰下げ受給」を利用して受取開始を75歳まで遅らせると、最大84%増額された年金を受け取れます。70歳から受け取ると、42%増額されます。65歳以降は自由に受取開始年齢を選べるため、無理のない範囲で検討しましょう。

また、確定拠出年金やiDeCoなどの私的年金を活用すれば、公的年金に上乗せできます。

老後を安心して過ごすための計画

年金受給額を増やすには、事前に計画を立てて不足額を算出し、目標を決めて準備することが大切です。ライフプランを作り、自分の生活スタイルに合った方法を選ぶことで、無理なく資産形成を続けられます。
年金額を増やすだけでなく、医療費や生活費など老後の支出を予測し、将来に備えることが大切です。

まとめ

年金受給額を増やすには、公的年金の仕組みを理解し、ライフプランに合った方法を選ぶことが大切です。昇給で保険料を多く納付する、加入期間を延ばす、繰下げ受給や確定拠出年金を活用するなどの方法があります。無理のない範囲で活用しましょう。
老後の資金準備は早いほど負担が軽くなります。この記事を参考に、今から始めてみましょう。



著者プロフィール

著者 藤 孝憲

CFP®・宅地建物取引士(未登録)・住宅ローンアドバイザー・証券外務員2種・DCプランナー2級・エクセルVBAエキスパートなど

2006年2月にファイナンシャルプランナー(FP)として独立、個人相談をはじめ、カルチャーセンター講師やFP資格講師・教材作成、サイト運営・執筆など、FPに関する業務に携わり15年以上経つ。商品販売をしない中立公正な立場で、相談者の夢や希望をお伺いし、ライフプランをもとにした住宅ローンや保険などの選び方や家計の見直しを得意とする。執筆でも、わかりやすく伝えることはもちろん、情報を精査し、消費者・生活者側の目線で書くことにこだわる。

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