日本のお金にはどんな歴史があるの?
円の誕生
明治4年(1871)に、今使われている「円」という単位の新しい貨幣が生まれました。円(えん)・銭(せん)・厘(りん)という10進法単位(じゅっしんぽうたんい)で、金貨が貨幣の基本となり、銀貨や銅貨は金貨を補うものでした。はじめ銀貨は貿易用につくられていました。だんだん使う量が多くなって、国内でも金貨と同じくらい使われるようになりました。
写真:日本銀行金融研究所貨幣博物館
明治4年(1871)に、今使われている「円」という単位の新しい貨幣が生まれました。円(えん)・銭(せん)・厘(りん)という10進法単位(じゅっしんぽうたんい)で、金貨が貨幣の基本となり、銀貨や銅貨は金貨を補うものでした。はじめ銀貨は貿易用につくられていました。だんだん使う量が多くなって、国内でも金貨と同じくらい使われるようになりました。
写真:日本銀行金融研究所貨幣博物館
産業が活発になると、全国に銀行をつくる必要性が高まってきて、全国に153の「国立銀行」がつくられました。これは、アメリカのナショナルバンクという銀行の仕組みを参考にし、お札のデザインなどもマネしてつくりました。国立銀行と言う名前ですが、民間銀行でした。その国立銀行で使われるためにつくられたのが「国立銀行紙幣」(こくりつぎんこうしへい)で、それぞれの銀行が後で名前を入れて使われました。明治15年(1882)に「日本銀行」(銀行の銀行)が開業すると、全国153の国立銀行は普通銀行にかわり、国立銀行紙幣も明治32年末(1899)に使われなくなりました。
写真:日本銀行金融研究所貨幣博物館
銀行の銀行として日本銀行は明治15年(1882)に日本の中央銀行としてつくられました。
写真:日本銀行金融研究所貨幣博物館
日本銀行が誕生して3年後に紙幣が発行されました。この「最初の日本銀行券」(十円券)は銀貨10枚とかえることができました。 紙幣の表に「銀貨と引きかえる」という意味の文字が書かれ、基本のお金となる銀貨10枚と同じ価値であることを示していました。
また、紙幣は福の神の大黒天(だいこくてん)の図案が使われていたので、「大黒札」と呼ばれており、拡大部分は「この券で銀貨10圓(えん)と交換できる」と書かれていました。またこの大黒札(だいこくさつ)は、ニセサツを防ぐ工夫もされていました。
写真:日本銀行金融研究所貨幣博物館
日本はアメリカやヨーロッパの国にならって、金貨をもとに交換するしくみを取り入れ、明治30年(1897)に法律をつくり、新しい紙幣をつくりました。「金貨と引きかえる」という意味の文字をいれ、「銀」の文字をなくしました。 明治32年(1899)には戦争の特別な時をのぞいて、日本銀行が発行する日本銀行券という紙幣だけにまとめられました。
写真:日本銀行金融研究所貨幣博物館