「大学時代、都会で初めての一人暮らしの中、不安を抱えながら入った銀行であたたかい対応に触れ、銀行員ってかっこいい」と思ったのが入行の動機と語る松本。現在は、営業係として個人のお客さまを担当。毎日5～10人のお客さまを訪問し、預金の管理から将来に向けてのサポートなどを一緒に考える。
「以前は窓口業務を担当していました。窓口では多くのお客さまを素早く対応できるよう幅広い商品知識が必要となります。一方で、営業係は一人ひとりのライフプランに沿った適切な提案が必要です。商品知識はもちろんですが、信頼関係を構築できるコミュニケーション能力や人間力が求められます」。ビジネスカジュアルを導入している伊予銀行。松本は、商談の内容によって洋服をコーディネートし、会話をしやすい場を演出するという。
松本には忘れられないお客さまがいる。「まずは、松本さんに相談しようと思って」ある高齢のお客さまからの突然の電話。不幸にも、普段、お金の管理を担っていた配偶者が亡くなられた。周囲には身内もいない。松本は困りごとをお聞きし、預金の引き出しや公共料金の引き落とし名義の変更手続きなど、自行で把握できる情報をもとにアドバイスし、お客さまに寄り添った。「お客さまから第一に相談される存在になりたい」。松本が常々抱く理想のバンカー像に近づいた出来事だった。

一方で、松本は保険コンサルタントに任命され、営業店で保険の見直しに興味があるお客さまがいれば、面談を担当する。保険のニーズは年齢や家族構成、ライフプランなどによって様々。時間をかけヒアリングし、ベストな選択肢を提案する。お客さまとしっかり向き合えることができ、やりがいを感じているという。
こうした日々の提案活動につなげるために、研修や資格試験に前向きに取り組む。「特に地方銀行協会の研修では、伊予銀行という枠を超えて全国の地銀で働く仲間たちと同じような悩みを共有でき、モチベーションの向上につながりました。いつか再会したときに胸を張れるよう、銀行員生活を充実したいですね」。松本の自分磨きの歩みは続く。