お知らせ

「俳句を詠もう2020 on Web~思いのままに5☆7☆5~」を当行YouTube公式アカウントでライブ配信しました!

 2020年10月31日(土)に、夏井いつき先生にご出演いただき、「俳句を詠もう2020 on Web~思いのままに5☆7☆5~」を当行Youtube公式アカウントにてライブ配信いたしました。
ご応募いただいた俳句の中から、千呂鈴(ちろりん)様の「鬼の血と人の涙で熟す桃」が最優秀句に選ばれました。
ご視聴、ご投句いただいた皆さま、ありがとうございました。

最優秀句

鬼の血と人の涙で熟す桃
千呂鈴(ちろりん)
(おにのちとひとのなみだでじゅくすもも)

<夏井いつき先生からの講評>
小さく場面を切り取るのではなく、ミュージカルのテーマ全体を表現しようとしている。温羅の流す血、桃太郎たち人間の流す涙が「桃」を熟させている。この「桃」は、平和や友情、登場人物の想いを象徴しているように感じられます。

優秀4句

鬼まさかアリランアリラン秋さびし
Aさん
(おにまさかありらんありらんあきさびし)

<夏井いつき先生からの講評>
シンプルな作りですが、「鬼まさか」という5音はミュージカルの重要な部分を表しています。「アリラン」を繰り返すことで、曲のもの悲しさを想像させ、季語「秋さびし」へもつながっていきます。



身に入むや温羅の刃にある重さ
あみま
(みにしむやうらのやいばにあるおもさ)

<夏井いつき先生からの講評>
「身に入む」という季語は、秋になって寒さが身に入みてくるというほかに、心理的な印象を持ちます。温羅の持つ鉄の刃は重く、温羅の気持ちも同じくらい重い。そのように考えるとますます「身に入」みてくるよ、と印象が深まっていきます。



憎しみの刃断ち切れ秋の雷
さな
(にくしみのやいばたちきれあきのらい)

<夏井いつき先生からの講評>
あみまさんの句は実景の刃でしたが、さなさんは、私たちの心のどこかにある憎しみを「刃」として描きました。季語に「秋の雷」をあわせることで、憎しみの刃は私たちで断ちろう、という想いが伝わってきます。



たましひは兄と百済へ黍の穂や
打楽器
(たましひはあにとくだらへきびのほや)

<夏井いつき先生からの講評>
温羅の妹・聖羅は劇中で亡くなります。兄とともに故郷である百済へ帰りたかったでしょう。劇中で黍は日本と百済の文化を伝え合うキーワードでした。たわわになる黍の穂に、きっと故郷へ帰って行った「たましひ」が想像されます。



12月15日(火)まで、当行Youtube公式アカウントから動画の視聴が可能です。